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さまざまな見解がある「南京事件」 何の注記も入れずに本文で書くのはさすがにおかしいぞ【教科書改革】

2023-07-22 21:16:12 | 歴史教育

「南京事件」をご存知でしょうか。

●いかがわしい東京裁判で認定された...証拠の取り扱い、事後法、戦争犯罪の扱い方、判事の選び方などで多くの疑問

南京事件とは、日本が連合国の占領下にあった時期に行われた極東国際軍事裁判(東京裁判)で、日中戦争(日華事変)中の日本軍による南京占領のさいに、20万人以上の中国人を殺害したと認定された事件のことです。

この裁判については、当時の連合国(勝った)側にとって都合の良い情報は、たとえ信頼できない伝言証言であっても、事実として認定され、日本(負けた)側に有利な証拠は、どんなに信頼できるものでも無条件に却下されるという実態がありました。「南京事件」も、このような伝言証言がもとになって、認定されたものです。

さらに、やった当時禁止されていない行為を、あとからつくった法律で罰するという罪刑法定主義に反して近代国家では絶対にやってはならない「事後法」も適用され、原爆投下など連合国(勝った)側の戦時国際法に違反したあからさまな戦争犯罪は全く裁かれず、日本の『戦争犯罪』とされる行為だけが裁かれるという有様でした。

裁判官や検察官も、連合国(勝った)側からだけで選ばれ、敗戦国や中立国から選ばれることはなく、その結果、連合国の独断だけ裁判が進み、当時の政治の状況などが考慮されず、めちゃくちゃな定義の『戦争犯罪』の責任者も、連合国(勝った)側の基準で決められました。さらに、日本側の弁護人は、連合国側の裁判官の判断で、いつでも解任できるとされ、弁護活動に必要な調査や情報交換も規制の対象となり、まともな弁護活動ができませんでした。

連合国(勝った)側に侵略されて植民地支配を受けていたインド出身のパール判事は、こうした経緯から「全員無罪」を主張しました。しかし、パール判事の意見を他の判事は全員無視し、日本国内でもGHQが厳しい事前検閲で隠蔽(いんぺい)したため、本当の意味の戦後(占領解除後)になってこの事実は明らかにされました。

南京事件の罪で裁かれた司令官には「不作為責任」という概念が用いられました。不作為責任とは、部下の行為にまで上官の責任があるとするものです。この不作為責任については、現在でも、その是非をめぐる議論が続いています。もちろん、当時の国際慣習法では不作為責任は問題になっておらず、これも事後法の一例といえるでしょう。

東京裁判は、いかがわしい「勝者の裁き」だったのです。

●すぐに矛盾が指摘された...さまざまな説を生む

東京裁判では20万人以上の中国人を殺害されたと認定されましたが、当時の資料によると、南京の人口は20万人で、しかも占領から一ヶ月後には25万人に増加しています。短期間の間に大虐殺が行われたとすると、20万人を殺して人がいなくなった町にさらに25万人が来たということになります。

大虐殺の後に人口が増えるのはとても奇妙(きみょう)です。

また、国際法違反の便衣兵が多数居たことが分かっており、占領後に日本軍が逮捕・処刑したことを事件の犠牲者に数えている可能性も濃厚です。

また、虐殺の根拠となる資料も発見されておらず、日本政府が虐殺の根拠とする「戦史叢書 支那事変陸軍作戦」には「南京付近の死体は戦闘行動の結果によるものが大部分であり、計画的組織的な虐殺とはいいがたい」と明記されています。

「非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できない」というのが日本政府の立場ですが、その根拠となる資料は虐殺を否定しており、大きく矛盾しているのです。

このような背景から、南京事件については、主に、日本では、20万人が殺害されたという説や、10万人が殺害されたという説、4万2千人が殺害されたという説、数千人が殺害されたという説、犠牲者数はともかく虐殺はあったという説、虐殺はなかったという説があります。

また、組織的な殺害も混乱の中での殺害も存在しなかったという見解(南京に「死体がなかった」という証言ことを根拠としている。)や、混乱の中での殺害(戦闘中の巻き込み事故など)はあったが、組織的な殺害ではなく、「事件」とはいえないという見解もあります。

●一面的で断定的な教科書...東京書籍は特に最悪

このような見解があるにも関わらず、教科書では「多数の中国人が殺害された(南京事件)。」と断定しています。20万人、10万人、数千人などの説についてはこれでも良いでしょう。

しかし、犠牲者数はともかく虐殺はあったという説では「多数」と断定できなくなりますし、虐殺はなかったという説では記述自体が不当なものになります。混乱の中での殺害はあったが、組織的な殺害ではなく、「事件」とはいえないという見解に立っても、「(南京事件)」はおかしいですし、「混乱の中で」や「多数の中国人を巻き込んで死傷者が出た」としないとおかしいでしょう。

なお、東京書籍だけは「南京大虐殺」と書いています。数千人でも一応「大虐殺」自体は成立するともいえますが、20万人、10万人などの説が存在する中での「大虐殺」ですから、20万人、10万人、下手したらあり得ない30万人説をとっているとも取れるため、より一面性が増しているといえるでしょう。

●「慰安婦問題」「七三一部隊」「三光作戦」「集団自決」...多様な見解があるのは「南京事件」だけではない

多様な見解があるのは、何も南京事件だけではありません。例えば、「慰安婦問題」では、日本軍による強制連行があった、日本軍による強制連行はなかったが日本軍による詐欺などの強制性があった、日本軍による強制連行も詐欺などの強制性もなかったなどの説が示されていて、いまだに確定していません。

なお、日本軍が強制連行をしたという事実や、日本軍が詐欺などをした事実を示す資料は発見されていません。日本軍が業者による詐欺などに加担という事実を示す資料さえ、発見されていません。

「七三一部隊」では、日本軍が人体実験と生物兵器を実戦で使用していた(生物兵器を実戦で使用するのは国際法違反)、日本軍は人体実験をしていたが、生物兵器を実戦で使用することはなかった、日本軍は人体実験をしていないが、生物兵器を実戦で使用していたなどの説があります。

いずれも根拠となる資料はなく、日本軍は人体実験をすることも、生物兵器を実戦で使用することもなかったという説も有力です。

「三光作戦」は、日中戦争の過程で、日本軍が焼き尽くし(焼光)、殺し尽くし(殺光)、奪い尽くした(搶光)とされる作戦のことです。

「三光」は中国語で、「三光作戦」は中国大陸での呼称であり、日本の資料と照らし合わせると、日本軍の「燼滅作戦」(じんめつさくせん)であると推定されています。

しかし、「燼滅作戦」では、たしかに「燼滅」の言葉の通り、戦闘が激化したことは間違いないのですが、焼き尽くし、殺し尽くし、奪い尽くしたかどうかは不明で、これもあったか、なかったという議論が続いています。

珍しく、焼き尽くしたが、殺し尽くしたり、奪い尽くしたりすることはなかったみたいな中間派が確認できません(もしかしたら少数派としているかも知れないが)。

中国大陸では、「三光政策」と呼ぶこともあるようです。焼光、殺光、搶光はいずれも中国語であり、日本語ではなく、日本語で呼ぶ場合は「燼滅作戦」と呼ぶべきでしょう。

「集団自決」は、太平洋戦争中の沖縄戦でアメリカ軍が沖縄に侵攻し、暴虐(ぼうぎゃく)の限りを尽くしていた過程で、アメリカ軍の侵攻に抵抗していた日本軍が、住民に自決を強制したとされることです。

これには、軍の命令による集団自決の強制があった、軍の命令はなかったが軍による集団自決の強制があった、軍の命令も軍による集団自決の強制もなかったという説が示されています。

特に、軍の命令による集団自決の強制があった、軍の命令はなかったが軍による集団自決の強制があったという主張には、明確な根拠が確認できず、かなり疑わしいものです。

しかし、「慰安婦問題」については「多数の女性が慰安婦として働かされた。その過程で、さまざまな強制があった。」、「七三一部隊」についても「多数の中国人が強制的に連行され、人体実験の被害に遭った」、「三光作戦」についても「日中戦争の過程では、焼き尽くし、殺し尽くし、奪い尽くすという三光作戦が実施された」などの何の留保もなしに断定するような趣旨の記述が見られれます。

そして、「集団自決」についても、「日本軍によって集団自決が強制された」というような趣旨の記述がかなりの数の教科書で見られます。

※ここで掲げた記述は、正確な教科書の記述ではありません。

●教科書検定基準の一部改正を!

このような教科書の記述を是正するにはどうしたら良いでしょうか。教科書会社に抗議していくのももちろん大切ですが、日本には教科書検定があります。

このような不適切極まりない記述は、教科書検定によって是正していくべきではないでしょうか。

残念ながら今の教科書検定の基準となる「義務教育諸学校教科用図書検定基準」と「高等学校教科用図書検定基準」には、こうした記述を是正するための基準が設けられていません。

そこで、教科書検定基準を一部改正し、近現代の歴史的事象について、こうした多様な見解のある事柄は、本文で記述せず、本文以外で記述する場合も、多様な見解があることを明示するよう求めるべきでしょう。

教科書検定基準の一部改正案は、次の通りです。この改正案に賛成の方も、そうでない方も、ぜひご活用ください。

・義務教育諸学校教科用図書検定基準の一部改正案(新旧対照)

改正前

第3章  教科固有の条件

【各教科】

[社会科(「地図」を除く。)]

1  選択・扱い及び構成・排列

(1) 略※小学校学習指導要領との関係規定
(2) 略※多様な見解のある社会的事象に関する包括的な規定
(3) 略※未確定な時事的事象への対応に関する規定
(4) 略※近現代の歴史的のうちの通説がない事項に関する規定
(5) 略※閣議決定などへの対応に関する規定
(6) 略※いわゆる近隣諸国条項
(7) 略※史料の引用等における扱いの公正性に関する規定
(8) 略※重要な歴史的事象における年代の表記に関する規定

改正後

第3章  教科固有の条件

【各教科】

[社会科(「地図」を除く。)]

1  選択・扱い及び構成・排列

(1) 略※小学校学習指導要領との関係規定

(2) 略※多様な見解のある社会的事象に関する包括的な規定

(3) 略※未確定な時事的事象への対応に関する規定

(4) 略※近現代の歴史的のうちの通説がない事項に関する規定

(5)近現代の歴史的事象のうち本文において、多様な見解がある事柄について記述しているところはなく、本文以外の図書の内容において多様な見解のある事柄について記述する場合には、多様な見解があることが明示されているとともに、児童又は生徒が誤解するおそれのある表現がないこと。

(6) 略※閣議決定などへの対応に関する規定

(7) 略※いわゆる近隣諸国条項

(8) 略※史料の引用等における扱いの公正性に関する規定

(9) 略※重要な歴史的事象における年代の表記に関する規定

※なお、新設の(5)の運用については、近現代の歴史的のうちの通説がない事項に関する規定と異なり、多様な見解について個別具体の出典は求めず、また「多様な見解があること」の明示方法については「さまざまな見解」と書くのみで良いものとするよう補足させていただきます。これは、「多様な見解」と称してありえない説が多数掲載されることを阻止するためのものです。

・高等学校教科用図書検定基準の一部改正案(新旧対照)

改正前

第3章  各教科固有の条件

[地理歴史科(「地図」を除く。)]

1 選択・扱い及び構成・排列

(1) 略※多様な見解のある社会的事象に関する包括的な規定
(2) 略※高等学校学習指導要領との関係規定
(3) 略※未確定な時事的事象への対応に関する規定
(4) 略※近現代の歴史的のうちの通説がない事項に関する規定
(5) 略※閣議決定などへの対応に関する規定
(6) 略※いわゆる近隣諸国条項
(7) 略※史料の引用等における扱いの公正性に関する規定
(8) 略※重要な歴史的事象における年代の表記に関する規定

2 正確性及び表記・表現

(1) 略※図表の記載方法に関する規定

改正後

第3章  各教科固有の条件

[地理歴史科(「地図」を除く。)]

1 選択・扱い及び構成・排列

(1) 略※多様な見解のある社会的事象に関する包括的な規定

(2) 略※高等学校学習指導要領との関係規定

(3) 略※未確定な時事的事象への対応に関する規定

(4) 略※近現代の歴史的のうちの通説がない事項に関する規定

(5)近現代の歴史的事象のうち本文において、多様な見解がある事柄について記述しているところはなく、本文以外の図書の内容において多様な見解のある事柄について記述する場合には、多様な見解があることが明示されているとともに、児童又は生徒が誤解するおそれのある表現がないこと。

(6) 略※閣議決定などへの対応に関する規定

(7) 略※いわゆる近隣諸国条項

(8) 略※史料の引用等における扱いの公正性に関する規定

(9) 略※重要な歴史的事象における年代の表記に関する規定

2 正確性及び表記・表現

(1) 略※図表の記載方法に関する規定

※なお、新設の(5)の運用については、近現代の歴史的のうちの通説がない事項に関する規定と異なり、多様な見解について個別具体の出典は求めず、また「多様な見解があること」の明示方法については「さまざまな見解」と書くのみで良いものとするよう補足させていただきます。これは、「多様な見解」と称してありえない説が多数掲載されることを阻止するためのものです。

改正前

第3章  各教科固有の条件

[公民科]

1 選択・扱い及び構成・排列

(1) 略※多様な見解のある社会的事象に関する包括的な規定
(2) 略※高等学校学習指導要領との関係規定
(3) 略※高等学校学習指導要領との関係規定
(4) 略※高等学校学習指導要領との関係規定
(5) 略※未確定な時事的事象への対応に関する規定
(6) 略※近現代の歴史的のうちの通説がない事項に関する規定
(7) 略※閣議決定などへの対応に関する規定
(8) 略※いわゆる近隣諸国条項
(9) 略※史料の引用等における扱いの公正性に関する規定
(10) 略※重要な歴史的事象における年代の表記に関する規定

2 正確性及び表記・表現

(1) 略※図表の記載方法に関する規定

改正後

第3章  各教科固有の条件

[公民科]

1 選択・扱い及び構成・排列

(1) 略※多様な見解のある社会的事象に関する包括的な規定

(2) 略※高等学校学習指導要領との関係規定

(3) 略※高等学校学習指導要領との関係規定

(4) 略※高等学校学習指導要領との関係規定

(5) 略※未確定な時事的事象への対応に関する規定

(6) 略※近現代の歴史的のうちの通説がない事項に関する規定

(7)近現代の歴史的事象のうち本文において、多様な見解がある事柄について記述しているところはなく、本文以外の図書の内容において多様な見解のある事柄について記述する場合には、多様な見解があることが明示されているとともに、児童又は生徒が誤解するおそれのある表現がないこと。

(8) 略※閣議決定などへの対応に関する規定

(9) 略※いわゆる近隣諸国条項

(10) 略※史料の引用等における扱いの公正性に関する規定

(11) 略※重要な歴史的事象における年代の表記に関する規定

2 正確性及び表記・表現

(1) 略※図表の記載方法に関する規定

※なお、新設の(7)の運用については、近現代の歴史的のうちの通説がない事項に関する規定と異なり、多様な見解について個別具体の出典は求めず、また「多様な見解があること」の明示方法については「さまざまな見解」と書くのみで良いものとするよう補足させていただきます。これは、「多様な見解」と称してありえない説が多数掲載されることを阻止するためのものです。