タイ・カルチャー・センター駅までMRTに乗り、そこからはタクシーで行ってみた。駅から劇場までシャトルバ
スはあるらしいが、ショー終了時に送迎はないとガイドブックにあったから、その場所を探す必要はなかった。
ここはタイの歴史文化を紹介する場所でもあるから、地方の生活様式や文化などを展示した施設があり、劇を観る
のとは別にこれらの施設を見学したり体験するだけでも面白い。
劇場には開演前にならないと入れないから、広場や庭園を散策していると、広場にある水場近くに象さんが現れて
丸太棒を使った芸を披露してくれた。園内にはサイアム・ニラミットグッズ、スナック菓子を売る店やレストラン
もあった。私たちはここで約1時間過ごしたと思うが、開演を知らせる放送があり劇場に入った。
劇場は想像を遙かに越える広さで、今でも距離感を表現できないほどだ。タイの歴史絵巻を演じるが、舞台に登場
する人数は多い時で100人近くは居るのではないかと思う。出演者は人間だけではなく、大きいものは象が同時に
数頭も舞台に出てくる。
壮大な演出に度胆を抜かれっぱなしになり、食い入るようにして観ているから、劇の中に引き込まれてしまう。舞
台演出に詳しい人なら分かるであろうが、雨降りのシーンで本当に雨が降っているように見え、舞台の上に川がで
き水が流れていた。人が水の中を歩くと水しぶきが上がるし、どう見ても本当の水に見える、しかし舞台から下へ
は流れ落ちない。摩訶不思議、どう見ても演出とは合点がいかない。
百聞は一見に如かず、この一言に尽きる。
劇が終わり不思議を調べるべく妻と二人で舞台に行ってみた。勿論、濡れているはずはないし何の変哲もない舞台
があるだけだった。
さて、帰りはタクシーなどいないだろうから、他の人について徒歩で駅まで歩く覚悟をして出ると、何とシャトル
バスが待っていた。
躊躇することなく乗り込み駅まで戻ると、あとはゆっくりと地下鉄に乗りホテルに戻るだけ。駅からホテルまでの
道は人通りが多く、色々な店が開いており賑やかなところだった。タイだからタイ式マッサージの店が多く、若い
女性が観光客らしき人を見かけると盛んに客引きをしている。私たちは夫婦二人連れだから余り声を掛けられるこ
とはなかった。ここでも日本人を見ると万国共通の『社長さん』
変に相槌を打ったり返事をするとしつこく付きまとわれるから、無視し続けることが一番いい手。今回もその手を
使い無事にホテル着。
タイランド・カルチャー・センターの演目