KONASUKEの部屋

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コオイムシ幼虫220806

2023年08月14日 | カメムシ目
コオイムシの幼虫。

♀は♂の背中に卵を産み、♂が孵化するまで世話をします。
その間、♂は翅を広げることが出来ず、飛んで移動することが出来なくなります。
卵を背負っているので、「子負い虫」。

その姿から、「宿屋の飯盛り」などの地方名もあるようです。

RDB:
環境省:準絶滅危惧種
絶滅危惧Ⅰ類:埼玉県、東京都、神奈川県、富山県、長崎県
絶滅危惧Ⅱ類:茨城県、群馬県、石川県、福井県、三重県、島根県、大分県、鹿児島県
準絶滅危惧種:青森県、宮城県、栃木県、山梨県、新潟県、京都府、奈良県、和歌山県、大阪府、鳥取県、広島県、香川県、徳島県、高知県、福岡県、宮崎県、熊本県
その他:静岡県、愛知県
分類:
カメムシ目カメムシ亜目タイコウチ下目タイコウチ上科コオイムシ科コオイムシ亜科
別名:
あべこべ虫
体長:
17~20mm
分布:
北海道?、本州、四国、九州
平地
成虫の見られる時期:
3~11月(茨城県4月~10月)
成虫で冬越し
エサ:
小魚、カエル、貝類、ボウフラ、アカムシなどの水生昆虫などの体液
その他:
体色は茶褐色、体型は卵型で扁平な水生のカメムシ。
良く似たオオコオイムシは、大型(23~26mm)で、山間部や寒冷地に多い傾向があり、より浅い水域を好む。
本種はオオコオイムシに比べて、体色が淡い傾向があり、前脚腿節の幅が狭い。
また、本種の方が口吻が相対的に長い。
これは本種が主にモノアラガイを捕食し、オオコオイムシは主にヤゴを捕食することによると考えられる。
水田や水生植物が豊かな池沼に棲む。
水面から腹の先を出し、翅と背中の間に空気を溜めて呼吸する。
♂は♀を呼び寄せる時に、求愛ダンスをする。
水面で体を上下させて、波紋を発生させる。
よりダイナミックなダンスを長く続けた♂に♀は惹かれるらしい。
交尾が成功すると、♂は♀の下に潜るように入って、♀は♂の背中に卵を産み付ける。
孵化するまでの1ヶ月間、♂は卵に酸素を与えるために、定期的に卵を水面より上に出すなど、卵の世話をする。
産卵期は5~7月。
卵は生みたてはボール状で、次第に縦長になる。
産卵から孵化まで2~3週間。
しかし、孵化すると親に食べられてしまう。
幼虫が孵化したあと、孵化殻は茶色くなり、潰れた状態となる。
♂は孵化殻を植物などにこすりつけて剝離する。
孵化した幼虫は5回の脱皮を経て、1ヶ月半程度で成虫になる。
一部の成虫はその年に繁殖可能になるが、大多数は翌年に繁殖を行う。
生きたエサしか食べない。
エサに鋭い口吻を刺して消化液を注入、体外消化して吸収する。
手のひらで包んだりすると、鋭い口吻で刺されることがあるので注意。
大き目のエサは集団で捕食することもある。
飼育下では、同じエサばかり与え続けると食べなくなるらしい。
飼育下では、排泄物を飼育容器の外に飛ばす。
水辺近くの石や水田の農業資材などの下に潜り、陸上で越冬する。
農薬などの環境汚染の影響で、生息数を大幅に減らしている。
また、平野部に分布しているため、オオコオイムシより人為的な影響を受けやすいと推測される。
一部地域でアメリカザリガニに捕食され、個体数を減らしているとの報告がある。
参考:
茨城の昆虫生態図鑑(メイツ出版)
ポケット図鑑日本の昆虫1400①(文一総合出版)
学研の図鑑LIVE新版昆虫(学研プラス)
足立区生物園
ムシミル
Hondaキャンプ
昆虫図鑑
昆虫エクスプローラ
コオイムシ科(Belostomatidae)昆虫3年目
日本列島ー朝鮮半島のコオイムシで系統的な距離と生殖的隔離の不一致を発見
「種分化」の途中段階を検出(種多様化の創出段階・創生機構の解明)
日本列島で多様化した系統が大陸へ戻る「逆分散」をゲノムワイドな解析で解明

福島県と神奈川県のコオイムシとオオコオイムシの外部形態
日本のレッドデータ検索システム

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