アカスジカスミカメ。
かつては生息数の少ない稀な種であったが、1980年代以降に斑点米被害の発生が報告され、2000年代以降は主要害虫とされています。
同様の被害をもたらすアカヒゲホソミドリカスミカメは研究が進み、防除方法も比較的確立しているようです。
一方で本種は、年間を通しての飼育方法が確立していなかったこともあり、研究が遅れているようです。
(コムギによる飼育方法が後に発表されています。)
目が白っぽいのは、羽化直後だからかも。
分類:
カメムシ目カメムシ亜目カスミカメムシ上科カスミカメムシ科カスミカメムシ亜科
体長:
♂3.4~4.6mm、♀4.5~6mm
分布:
北海道、本州、四国、九州
平地~山地
成虫の見られる時期:
5~10月(年3~5化)
卵で冬越し(休眠)
エサ:
イネ科(コメ、イタリアンライグラス、スーダングラス、ケンタッキーブルーグラス、レッドトップ、コムギ、カモガヤ、エノコログサ、メヒシバ、ヒエ、スズメノヒエ、スズメノテッポウ、スズメノカタビラ、トウモロコシ、イヌムギなど)、カヤツリグサ科(イヌホタルイ、シズイ)植物(コムギによる飼育が可能)
その他:
体色は薄い黄緑色で、前胸の両側と前翅の会合部、後脚腿節、触角は赤褐色。
全体に艶があり、頭部中央に縦溝がない。
類似種にアカホシカスミカメがいる。
(触角第1節は頭部の幅より長い。)
活発に飛翔する。
成虫は寄主植物が出穂している時期にしか見られない。
本種は口吻が弱く、籾殻を貫くことが出来ないので、主に開花期や登熟初期に吸汁する。
籾の先端(組織が柔らかい)や外頴と内頴のすき間から口吻を突き刺して吸汁する。
そのため、割れ籾が被害に遭いやすい。
登熟中の稲穂から吸汁すると、一部が黒ずむ「斑点米」となる。
(吸汁痕から細菌やカビが侵入して、玄米の表面が黒色や茶色に変色する。)
そのため、イネの重要害虫とされる。
以前は生息数の少ない稀な種であったが、1980年代に岩手県、宮城県、広島県で多発し、斑点米の主要種とされるようになった。
2000年代に全国的に急速に増加、2010年には全国で最も重要な斑点米カメムシとされた。
ミトコンドリアDNA・核DNAによる遺伝子解析によると、日本の本種個体群は大きく北日本群、南日本群、関東群の3群からなる。
1980年代の宮城県・広島県の斑点米被害は、遺伝的に全く異なる個体群から生じている。
2000年代以降の関東地方の被害も、他地域からの侵入ではなく、この地方に特有の個体群の害虫化によるものである。
本種による斑点米被害は、それぞれの地域に土着の個体群から独立に生じ、全国レベルの移動や分布拡大によって広まったのではないことが示唆されている。
全国レベルでの分布拡大の可能性は否定できるが、各個体群内での移動や分布拡大の解明にはさらに研究を要するという。
主にイネ科植物で繁殖し、転作牧草地は本田侵入前の重要な繁殖地になる。
イネ科・カヤツリグサ科植物の小穂内に産卵する。
主にイネ科雑草の落下した穎花内で、休眠卵で越冬する。
孵化した幼虫は5回ほど脱皮して後、成虫となる。
越冬世代成虫が雑草地・休耕田・牧草地で増殖し、イネが出穂すると本田に侵入する。
そのため、圃場の畦畔雑草管理、周辺休耕田・雑草地・牧草地の管理により被害軽減が可能とされる。
出穂後1~2週間で捕獲数が最大になるという報告が多い。
(すくい取りによる調査結果。)
コメを吸汁はするが、穂内に産卵することは稀。
♀は性フェロモンを放出し、♂を誘引する。
25℃条件下で卵期間約8日、幼虫期間約14日、産卵前期間約6日、♀の生涯産卵数は130卵前後と報告されている。
本種による斑点米被害の防除対策については、以下に詳しい。
→病害虫防除室
→古川農業試験場
斑点米カメムシ類(アカスジカスミカメ)の効率的防除対策の確立
農研機構
農研機構
参考:
ポケット図鑑日本の昆虫1400①(文一総合出版)
→病害虫防除室
→古川農業試験場
斑点米カメムシ類(アカスジカスミカメ)の効率的防除対策の確立
農研機構
農研機構
岐阜大学教育学部理科教育講座(地学)
福島県
農業技術事典NAROPEDIA
イネにおけるアカスジカスミカメの産卵と発育
愛媛県庁
農研機構
千葉県におけるアカスジカスミカメの発生生態解明及び発生予察手法開発に関する研究
コムギを用いたアカスジカスミカメの継代飼育方法
福井県
病害虫天敵雑草図鑑
一般社団法人 日本植物防疫協会
岩手県農業研究センター
J-STAGE
にいがた農業ナビ
斑点米カメムシ類判別シート
かつては生息数の少ない稀な種であったが、1980年代以降に斑点米被害の発生が報告され、2000年代以降は主要害虫とされています。
同様の被害をもたらすアカヒゲホソミドリカスミカメは研究が進み、防除方法も比較的確立しているようです。
一方で本種は、年間を通しての飼育方法が確立していなかったこともあり、研究が遅れているようです。
(コムギによる飼育方法が後に発表されています。)
目が白っぽいのは、羽化直後だからかも。
分類:
カメムシ目カメムシ亜目カスミカメムシ上科カスミカメムシ科カスミカメムシ亜科
体長:
♂3.4~4.6mm、♀4.5~6mm
分布:
北海道、本州、四国、九州
平地~山地
成虫の見られる時期:
5~10月(年3~5化)
卵で冬越し(休眠)
エサ:
イネ科(コメ、イタリアンライグラス、スーダングラス、ケンタッキーブルーグラス、レッドトップ、コムギ、カモガヤ、エノコログサ、メヒシバ、ヒエ、スズメノヒエ、スズメノテッポウ、スズメノカタビラ、トウモロコシ、イヌムギなど)、カヤツリグサ科(イヌホタルイ、シズイ)植物(コムギによる飼育が可能)
その他:
体色は薄い黄緑色で、前胸の両側と前翅の会合部、後脚腿節、触角は赤褐色。
全体に艶があり、頭部中央に縦溝がない。
類似種にアカホシカスミカメがいる。
(触角第1節は頭部の幅より長い。)
活発に飛翔する。
成虫は寄主植物が出穂している時期にしか見られない。
本種は口吻が弱く、籾殻を貫くことが出来ないので、主に開花期や登熟初期に吸汁する。
籾の先端(組織が柔らかい)や外頴と内頴のすき間から口吻を突き刺して吸汁する。
そのため、割れ籾が被害に遭いやすい。
登熟中の稲穂から吸汁すると、一部が黒ずむ「斑点米」となる。
(吸汁痕から細菌やカビが侵入して、玄米の表面が黒色や茶色に変色する。)
そのため、イネの重要害虫とされる。
以前は生息数の少ない稀な種であったが、1980年代に岩手県、宮城県、広島県で多発し、斑点米の主要種とされるようになった。
2000年代に全国的に急速に増加、2010年には全国で最も重要な斑点米カメムシとされた。
ミトコンドリアDNA・核DNAによる遺伝子解析によると、日本の本種個体群は大きく北日本群、南日本群、関東群の3群からなる。
1980年代の宮城県・広島県の斑点米被害は、遺伝的に全く異なる個体群から生じている。
2000年代以降の関東地方の被害も、他地域からの侵入ではなく、この地方に特有の個体群の害虫化によるものである。
本種による斑点米被害は、それぞれの地域に土着の個体群から独立に生じ、全国レベルの移動や分布拡大によって広まったのではないことが示唆されている。
全国レベルでの分布拡大の可能性は否定できるが、各個体群内での移動や分布拡大の解明にはさらに研究を要するという。
主にイネ科植物で繁殖し、転作牧草地は本田侵入前の重要な繁殖地になる。
イネ科・カヤツリグサ科植物の小穂内に産卵する。
主にイネ科雑草の落下した穎花内で、休眠卵で越冬する。
孵化した幼虫は5回ほど脱皮して後、成虫となる。
越冬世代成虫が雑草地・休耕田・牧草地で増殖し、イネが出穂すると本田に侵入する。
そのため、圃場の畦畔雑草管理、周辺休耕田・雑草地・牧草地の管理により被害軽減が可能とされる。
出穂後1~2週間で捕獲数が最大になるという報告が多い。
(すくい取りによる調査結果。)
コメを吸汁はするが、穂内に産卵することは稀。
♀は性フェロモンを放出し、♂を誘引する。
25℃条件下で卵期間約8日、幼虫期間約14日、産卵前期間約6日、♀の生涯産卵数は130卵前後と報告されている。
本種による斑点米被害の防除対策については、以下に詳しい。
→病害虫防除室
→古川農業試験場
斑点米カメムシ類(アカスジカスミカメ)の効率的防除対策の確立
農研機構
農研機構
参考:
ポケット図鑑日本の昆虫1400①(文一総合出版)
→病害虫防除室
→古川農業試験場
斑点米カメムシ類(アカスジカスミカメ)の効率的防除対策の確立
農研機構
農研機構
岐阜大学教育学部理科教育講座(地学)
福島県
農業技術事典NAROPEDIA
イネにおけるアカスジカスミカメの産卵と発育
愛媛県庁
農研機構
千葉県におけるアカスジカスミカメの発生生態解明及び発生予察手法開発に関する研究
コムギを用いたアカスジカスミカメの継代飼育方法
福井県
病害虫天敵雑草図鑑
一般社団法人 日本植物防疫協会
岩手県農業研究センター
J-STAGE
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