セイショウ坊のブログ

埼玉県飯能(はんのう)市 真言宗智山派・円泉寺住職です。
円泉寺ホームページにもブログがございます。

山根六角塔婆と宿谷地蔵尊 埼玉県毛呂山町

2020-10-15 15:24:42 | いろいろ
山根六角塔婆

日高市との境にある山根六角塔婆です。貞和2年(1346)に建立されました。
板碑が六枚使用され、屋根がある石塔です。



毛呂山町の説明によると、「山根六角塔婆は、大字宿谷の入り口、字六角の丘の上にある。県の文化財の指定を受けた当時は山根村の時代であったので山根六角塔婆とよんでいる。六角の台石の上に六枚の板碑を組み合わせ、上部には同じく六角の笠石が乗せてある。しかし、いつのころからか板碑の一枚が失われてしまった。各板碑とも高さ1.15メートル、幅31センチメートルお同型で、笠石の直径は1.3メートルである。各板碑には、蓮座にのった種子と経文と人名などが刻まれている。貞和2年の建立である。」とあります。
昭和6年に埼玉県指定史跡になりました。






一面がなくなっているのが残念です。



私が知っている板碑が六枚使用された石塔は、他に東松山市の坂東十番札所・正法寺(六面石塔)と小川町の大聖寺(六面塔)です。


宿谷地蔵尊

六角塔婆から約15メートルほど東側にあります。
毛呂山町資料によると「寛文2年(1673)に宿谷の地に住む多くの人々の幸福を祈願して建立された。高さ133㎝もあります。平成2年に毛呂山町指定文化財となりました。」とあります。








この近在の石仏の中では、大きな部類になります。
材質が良く、表情も素晴らしいお地蔵様でした。




正面が地蔵菩薩、手前の道を左に折れれば、すぐ六角塔婆です。
カーナビでは表示されませんので、グーグルマップを印刷することをお勧めします。

山根六角塔婆 宿谷地蔵尊 埼玉県入間郡毛呂山間宿谷39-1 地図


今年の葬儀は少ない !

2020-10-14 11:02:57 | 法要
先日来られた石屋さんが、今年は納骨が減って困りましたと言っていました。
ある御住職は全体に葬儀が減り4月5月は、一件も無いと話しています。
新型コロナウイルスの影響で、出かけなかった人が多かったのでしょうと話していました。



当寺でも葬儀の件数が、かなり減っています。このこと自体は世間では良いことだと思います。

しかし、葬儀関連業者さんは、家族葬や火葬のみの申込みが多く、いつ首を切られるか心配だと話していました。
葬儀関連の料理屋さん、引き出物屋さん、花屋さんなど苦しい経営をしています。

檀家さんの飲み屋さんは、知っている限り二軒店を閉めました。
アルバイト先が見つからない女性や実質無職と話す人もいます。
生活保護の受給を検討している人もいるでしょう。

世間全体が厳しい社会に苦しんでいるのです。

ある雑誌に過疎地の寺では、地元の檀家はともかく、他県に出た人の御法事が全く無くなってしまったと書かれていました。
元々少ない檀家数の寺を守ってきた御住職も限界があると感じていると思います。

廃寺とまで行かなくとも、住職が住まない寺が増えることは間違いありません。寺や境内の補修も出来ないでしょう。
ある檀家の少ない寺に行くと、以前あった建物がなくなっていました。立て直したり補修を繰り返すより、取り壊すしかなかったようです。

過疎地となってしまった某寺の住職は、 息子さんに寺を継がなくて良いと言ってあると話していました。






柊の白い花

2020-10-12 11:14:42 | 境内
境内の柊の花から甘い香りが流れてきます。
銀木犀ほど強い香りではありません。



柊としては、かなり大きな木だと思いますが、墓地に向かう道を広げるおりに危なく切られそうになったことがあります。





下には小さな花が数多く落ちていました。



あと一週間が盛りだと思います。





玄武と妙見菩薩

2020-10-11 10:22:13 | 仏像
玄武とは中国における四神の内、北方における北極星をあらわしています。
亀と蛇が絡まった図は、明日香村のキトラ古墳にも描かれています。





五行思想では、水、黒となります。
中国では玄武が神格化され、玄天上帝の男神像となりました。絵で見ると黒い服を着ています。
男性ながら長い髪の毛で描かれています。

日本に於いては、妙見菩薩は図像集にある菩薩形があります。また、吉祥天と同じ姿とされていました。
しかし、1300年代になると、玄武上帝が大人の姿から童子形の姿になり、日本的展開となります。
中世に於いては、子供と老人は神に近い存在とされていました。
聖徳太子の御尊像が、美豆良姿(子供)をしているのが知られています。

当寺妙見堂には、霊符神(妙見菩薩)を祀っていますが、御本堂には童子形の姿の御尊像が祀られています。


妙見菩薩(霊符神)

童子形妙見菩薩



妙見菩薩は玄武(亀と蛇)に乗った像です。
日本では広い範囲で童子形の妙見菩薩が祀られています。
群馬県の妙見寺、埼玉県の秩父神社、千葉県の妙見神社、福島県の妙見三社などの桓武平家関連の妙見菩薩は、童子形です。
熊本の八代妙見宮(八代神社)幸行列の亀蛇は、妙見菩薩です。



玄武wikipediaリンク


当寺の妙見菩薩資料集link
よろしかったら読んでください。


金木犀

2020-10-08 09:22:46 | 境内
今日は雨が強く降っています。
昨日の朝に撮影した木犀です。
部屋の中まで甘い香りが漂い、楽しませていましたが、今日は近づいても香りがしません。





殆どが近在の方々からいただいた植木ですので大事にしていますが、どの木も年々大きくなり、手入れもプロに依頼せざるをえません。

車社会となり、植木は駐車場確保のために伐採されてしまう家が多くあります。
残念ですが、仕方が無いことです。





それにしても台風の被害がないよう祈るのみです。