爺々の雑記帳

定年退職後の出来事や思いを書き留める

盲腸から腸閉塞

2010-06-08 08:51:22 | 雑記帳

               この歳で盲腸を発症するとは!(虫垂突起炎)

 

     5月連休明けから下腹が少し痛かった。大して気にもしていなかったが、土曜日辺りから気になりだした。

    日曜になり確実に痛む場所が右下腹に固定してきた。翌日一番近所の病院で視てもらった。「盲腸の疑いが濃い

    です。直ぐ血液検査と超音波を行いますが。入院の手続きをして下さい。」検査の結果、盲腸決定。それも手遅

    れぎみだという。通常小指大の物が親指大になっているらしい。即手術。病室に入るまえから静脈に点滴をされ、

    夕方には手術室に運ばれ「これから点滴に全身麻酔薬を入れていきます。」

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     なんたる急激な生活パターン変化。通常なら家の周りを1時間掃除し、花壇の手入れをし、ネットで株価を

    チェックし、熱帯魚の世話をし、1時間ウオーキングに行く等々と自分のペースで暮らして来たが。あれよ

    あれよと病院のコンベアーに乗せられてしまった。

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     夜中自分の名前を呼ぶ声に目をさます。まるで奈落の底からよみがえった感じ。ただの眠りから覚めるの

    とは大分感じが違う。即ぐに腹の激痛に気が付き手術をした事を認識する。10日ほど入院した。現在の盲腸

    手術は腹に穴を開け、腹腔鏡で見ながらの摘出で体に負担が掛からない方法で行うらしい。私には3か所ほど

    穴をあけた痕跡と、通常の下腹右に手術後があった。太鼓腹の皮下脂肪の為手術の苦労を想像する。

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    しかし話はこれで終わらなかった。

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     退院して2.3日しても食欲がでない。食べると気持ちが悪くなる。前回我慢して手遅れだったため病院へ行く。

    診断は腸閉塞だと言う。即又入院である。「鼻からチューブを小腸まで入れ、ポンプで腸内の物を全部吸出し腸を

    凹ませ腸が自由に動けるようにする」と言う。

     これをすれば80~90%の割合で手術をしないで直せると説明された。前回の術後の痛みを知っているため

    指示に従った。しかしこのチューブを入れると言う行為を私は誤解していた。よく胃カメラを飲むと聞きますが、

    あんなもんだろうと思っていた。

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     レントゲン室でモニターを見ながらチューブは腸の最深部まで入れられた。造影剤が入れられ閉塞状態を写真に

    撮る。この間すごく気持ち悪い。「オエッ・オエッ」を繰り返しながらもう少し我慢すれば終わると頑張ったが、

    大きな誤解で、チューブは閉塞が回復されるまで入れっぱなしだと言う。この時のチョックは大きかった。四六時中

    鼻から喉にかけてチューブが存在する。痛いし、気持ち悪いし、声もはっきり発生できない。もちろん水も飲めない。

    点滴は四六時中や何本も。トイレ以外は鼻からのチューブから茶色い水と小さい固形物が吸い出されてくる。

    早く言えば「うんこ」が鼻からでてくるのである。この試練は5日続いた。

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     まいったのは夜である。こんな状態で眠れる訳がない。トイレ以外は寝てるので背中や腰が痛い。横に寝返りをし

    たいが、キズが痛くてできない。病院のベッドはなぜこんなに硬いのか。夜10時で消灯され、何もする事も出来ず、

    物音を立てる事もはばかる夜。これはつらい。考えることはマイナーな事ばかりである。私は所帯を持った事がない

    ため妻子が無い。誰にも知らされず、誰にも見取られず、こんな惨めな寂しさの中で、いつか自分の最期が来るのか

    もしれぬと考えると、なお眠れない。チューブが取れるまで1カ月ほどかかった。腸閉塞は再発のリスクが有るという。

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     今回の入院で自分の最期について感じてしまった事は残り少ない人生に課題を一つ突きつけられた感がある。

    まだ死にたくないが、自分の死を納得して旅立つ事ができるのだろうか。安らかに死ねる事を模索していかなければ

    ならない歳になった事を痛感する。答えは出るだろうか。「悟り」がキーワードなのか。



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