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国のコロナ対策 御坊市5億円最高に管内10億円超 二転三転の高収益作物次期作支援 〈2021年1月17日〉

2021年01月17日 08時30分00秒 | 記事


スターチス(写真)など花き栽培に手厚い支援


 農林水産省が新型コロナで売上減少など影響を受けた「野菜・花き・果樹」の高収益作物を対象に行っている高収益作物次期作支援交付金事業の申請が昨年末に締め切られ、管内7市町の申請額は御坊市の5億円を最高に総額10億円を上回る見込み。突然の運用見直し、先行投資分への支援追加と二転三転したことで農業者や申請手続きを担当した市町村は混乱したが、結果的に申請者の多くは当初予定交付額に近い金額が交付されるという。

 国は新型コロナで「野菜・花き・果樹」の高収益作物が売上減少など大きな影響を受けたとし、減収額の有無にかかわらず、昨年2月から4月の間に出荷実績があり、次期作に前向きに取り組む農業者に一律で栽培面積に応じた支援金を交付することを決めた。支援単価は▽野菜・花き・果樹は10アール当たり5万5000円▽花きの施設栽培は10アール当たり80万円。特に花きの施設栽培に対する支援が大きいのが特徴。
 8月以降、全国で申請の受け付けを始めたが、10月中旬になって農水省が「支援の要件に合致するが、必ずしもコロナの影響を受けたとは言い難い申請も含まれており、このままでは批判を受けかねない」と、急きょ運用見直しを通知。対象は2~4月に減収した品目ごとの作付け面積の範囲内に限定。前年比で売り上げが減少したことを確認した上で交付することに変更し、減少品目の減収額や作付け面積等の申告書を追加提出するよう求めた。
 交付金をあてにして資機材等に先行投資した農業者もいたため現場は混乱。農水省が全国を回り直接、申請者への説明会を開くお詫び行脚を行ったが、国への批判、先行投資への支援要望が相次ぎ、11月中旬になって機械や資材、花や野菜の苗の先行投資分(10月30日までに購入・発注分)を対象に加える追加措置を講じるなど二転三転し、農業者や市町村は3度にわたる申請作業に忙殺された。
 管内7市町の申請総額は10億円超が見込まれ、このうち、スターチスやカスミソウなど花き施設栽培が基幹の御坊市が最も多い5億14万9547円。当初は過去に例がない手厚い支援だったことから239人が申請。運用見直し後は125人に減り、申請額も1億3146万4300円にとどまったが、先行投資分への支援が決まったあとは181人、5億14万9547円となり、申請者の多くは当初予定額に近い金額が交付されるという。
 5億14万9547円のうち施設花き栽培分が4億8516万2223円で全体の97%を占める。追加措置の対象になった主な先行投資分は機械・資材が管理機、動力噴霧器、草刈り機。苗は花がスターチス、カスミソウ、ガーベラ、バラ、カーネーション。野菜がピーマン、トマト、キュウリ、ナス。市農林水産課は「結果的に花き農家をはじめとした農業者にとって次期作に向けての力強い支援となった」としている。


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