販売量が少なく価格が高くなっているミカン
県は、収穫量全国一を誇るミカンの産地だが、今季は大半の品種で収穫量が減少して販売価格が高騰。晩柑期を迎えても品薄で価格の高騰が続いている。県内有数の産地、日高地方でも極早生から普通品種までの全体の販売量は、昨季と比べて3割ほど少なく、特に極早生と早生品種は収穫量が少なくとも直近20年で最少、1キロ当たりの価格が過去最高と高騰した。お歳暮シーズンの年末には、消費者からは「味は抜群においしく喜ばれるのに、安いミカンがみっかんない。量を少なくして贈りました」との声が聞かれた。
JA紀州によると、9月から11月上旬まで市場販売された極早生品種の販売量は、前年比75%の680トン。1キロ当たりの平均販売389円。早生品種は11月から年内いっぱい販売され、販売量は前年比79%の600トンで、1キロ当たりの平均価格は152円。両品種とも価格は過去最高を記録した。
12月中旬から年内の普通品種も販売量は昨年比72%の165トンと少なく、1キロ当たりの平均価格も現時点で145円とかなり高い。
1月から晩柑品種の市場販売が始まったが、販売量はポンカンと清見こそ販売量は昨年度並みとなりそうだが、1月末に出荷が終了したイヨカンで昨年比90%、今月中旬までの不知火は同70%ほど、今月末までのハッサクも少なくなる見通しで、市場では依然として品薄状態が続いており、価格も高くなっている。
販売量の減少は、昨夏の猛暑で木が弱ってしまったりしたほか、日焼けや着色遅れ、水分が少なくなって割れるなどして出荷できなかった果実が多かったことが影響した。昨春から夏にかけて大量発生したカメムシやガによる被害も大きく果実を吸われるなどして落下したり腐ったりしたのをはじめ、鳥やサル、イノシシなどの被害も要因。生産のコスト高騰でその分を価格に転嫁せざるを得ない状況も重なった。
日高川町平川の農家男性(50)は「こんなに収穫量が少ないシーズンは初めて。価格が高くなっているが、デキは最高なので消費者の皆さんには味わってほしい」といい、JA紀州では「特に小玉は少ないが、Lや2Lサイズなどの大玉の評価はとてもいい。文句なしにおいしいので、ぜひ食べていただきたい」と話している。
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