代替拠点として活用する市防災センター
(写真右が危険物屋内貯蔵所)
御坊市消防本部は、南海トラフ巨大地震・津波対策で消防本部庁舎が被災した際の代替拠点施設として野口の市防災センターを活用するため、令和4年度から施設改善を進め、最終の危険物屋内貯蔵所設置が終わり、準備は完了した。将来的には高台移転も視野に消防本部庁舎の建て替えを検討するが、当面は高速道路インターから近く、ヘリポートも備えた市防災センターを有効活用する。
南海トラフ巨大地震の津波浸水想定では、消防本部庁舎周辺の浸水深は1メートル以下。庁舎が被災し、消防車などが出動不能となる可能性があるため、第4次総合計画に高台にある住宅団地用地等を候補地に通信指令機能やヘリポートなどを備えた非常時の代替拠点施設建設計画を盛り込んでいたが、事業費が数億円必要な上に場所選定も難しいため断念し、防災センターを活用する方針に転換。
防災センターは野口オートキャンプ場向かいの市道沿いにあり、平成8年に完成した鉄筋コンクリート造り2階建て(延床面積は319平方メートル)。敷地内にはヘリポート(発着場面積1000平方メートル)を備え、和室や風呂があり、寝泊まりもできる。主に消防関係の各種研修や訓練、消防団車庫等に使用している。
代替拠点施設として活用するため、令和4年度にWiFiを整備、5年度は風呂のガスを修繕し、隊員が使う防火衣やヘルメット、無線充電器の保管等も行った。今年度は消防車両等の初期活動に必要な軽油やガソリン、灯油を備蓄する危険物屋内貯蔵所(コンテナハウス、約7平方メートル)を新設。(株)古田鉄工所=古田謹章代表取締役、島=が請け負い、このほど完成した。
南海トラフ巨大地震発生時の初動対応として津波警報や大津波警報が発令された際、消防本部にいる隊員が救急車、火災対応車、救助対応車をすぐに防災センターに移動させるためのマニュアル、防災センターに指揮本部を設営するためのマニュアルなどをつくり、防災センターに備え付けている。移動ルートは耐震補強が終わっている野口新橋、小熊大橋を利用する3ルートを考えている。
施設改善が終わったのを受け、今年度中に南海トラフ巨大地震発生時に防災センターを活用するための実働訓練を実施予定。消防本部庁舎からの車両移動、防災センターへの指揮本部設営、緊急消防援助隊の受け入れ体制等を確認する。
当面は、防災センターを代替拠点施設として有効活用し、将来的には河南地域も含めた高台移転を視野に消防本部庁舎の建て替えを検討する。消防本部庁舎は昭和57年に完成。42年が経過し、施設の老朽化が進んでいる。
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