自民党県連は9日、和歌山市内で拡大役員会を開き、7月執行の参院選和歌山選挙区の党公認候補予定者を決める投票を行い、二階俊博元幹事長の三男・伸康氏(47)が、世耕弘成代議士の支援を受ける前有田市長の望月良男氏(52)を破り、公認候補予定者に選ばれた。近く党本部に公認申請を行うが、望月氏が無所属で出馬するとの憶測は消えておらず、保守分裂の火種は残ったままだ。
公認候補予定者として伸康氏と望月氏の2人が規定に基づく推薦人10人以上を確保し、公認申請したことから選考方法について県連は、県連役員、地域・職域の支部長、特別党員の首長ら143人による投票と決め、拡大役員会でそれぞれ所信演説、質疑を行い、無記名で投票を行った。
143人のうち129人が出席し、有効投票数は128票(無効1票)で、そのうち伸康氏が過半数を上回る82票を獲得し、46票の望月氏を抑え、公認候補予定者に決まった。その後、石田真敏県連会長らと記者会見を行った伸康氏は「必ず勝利できるように私自身精進していきたい」と決意を述べ、石田会長も「党が固まることが大事だ」と伸康氏への一本化に向けてノーサイドを強調。拡大役員会には県連名誉顧問の二階元幹事長も出席した。
投票に際しては、伸康氏と望月氏から「結果の如何に拘らず自民党候補の必勝に尽力する」との誓約書が出され、投票する側からも同様の誓約書が提出されたというが、世耕代議士の支援を受ける望月氏が無所属で出馬するのではとの憶測は消えていない。
投票前の質疑応答で望月氏は「誓約書を守る」と明言し、投票後も「結果を受け止め、応援してくれた皆様と話をしていきたい。無所属での出馬は今のところ考えていない」と述べたが、望月氏を支援した県議からは主戦論も出ているようで、県連幹部は「あとは世耕代議士の考え次第だろう」と話した。県連の思惑通りに1本化できるのか、総選挙に続いての保守分裂選挙になるのか、まだまだ予断を許さない。
「安心安全に暮らせる和歌山」
伸康氏が5つの重点施策発表
昨年10月の総選挙和歌山2区から立候補し、落選した伸康氏は、参院選必勝に向けて「今こそ、この国の形を変えなければいけない。安心、安全に暮らせる和歌山を創りたい」とし、5つの重点施策を発表。
(1)観光から世界と和歌山を繋ぎ、県内企業のチャンスを拡大(2)半島強靭化と予算の確保(3)憲法改正、自衛隊の明記(4)地方分散型社会をめざし、地方に働き手を戻す(5)食糧安全保障と一次産業の不安軽減――を挙げ「『すべては故郷のために』。この思いを実現するため全力を尽くす」と決意を示した。
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