夢の世界は死者と生者が同居して当たり前に喋り、笑い、
今此処にいない人を抱きしめる事ができる。
疎遠の人も仲たがいの人も抱きしめられる。
「あなたは家族です」と言える。
その時彼女は完璧に美しい。
愛も生死を越える。
死んだって愛情は変わらないから。
夢も愛も、今見えるものも見えないものも、時間も空間も超える処は何かが似ている。
生きる人にとって愛する人の死ほど重く辛く悲しいものはないけど
私が死んでしまえばこの生も死者が見ていた、一瞬の夢になるだろう。
もし私が生きたまま半分死んで生きられれば、この生自体が夢現。
全ては完璧に美しく、私の別れはもうこれ以上何処にも無いように思うけど、
どうなんだろう。
私が愛した、形や心を超えた存在になった死者に、生者の執着するのが愛ではないのだろう。
私が半分死ねば貴方達と一緒という願いは、先に進んだ人の足枷だけかもしれない。
命日は互いにもっともっと自由になる日でありたい。
また一つ、笑ってさようならでもいい。
あらゆる悲しみ、苦しみ、怒り、後悔も軽くしよう。
愛は執着じゃない。互いの自由と信じる事。
画像はキャラクター、ブレイン・パッチ