先日訪れた四日市市立博物館は5階建ての建物「そらんぽ四日市」内の3・4階を占めており、5階はプラネタリウム、2階が四日市公害と環境未来館になります。(1階にはミュージアムショップとか図書館などが入っています。)以前は全館が市立博物館でしたが、2015年3月にリニューアルオープンして現在の形となりました。公害とその対策を主要常設展示にした施設って、くらげびとにはあんまり覚えがありません。そういえばリニューアルオープン当時の某新聞にも施設に対しての賛否両論が掲載されていたような気がします。
「今では四日市市より環境の悪い(=空気の汚い)都市も多々あるのに、四日市ぜんそくや公害を前面に出した施設はむしろ市や県のイメージダウンになるのでは?」
「公害が発生し、それに対し対策・改善を重ねて四日市の今があるのは事実。むしろ海外をも視野に、積極的に発信すべき。」
こうした中で確か当時の市長さんが「訴訟に関係した方々もすでにご高齢。その証言を記録し、未来に残せるのは今しかない」と舵を切られてこうなった・・・という内容だったような。(あやふやな記憶ですみません。でも館内ボランティアさんも「当時の市長さんの決断で・・・」と同じような解説をしてくださったので、大幅にはずれていない、はず。)
館ではパネル展示などの他にぜんそく患者さんやそのお身内の方の証言、訴訟に関わられた方へのインタビューなどが視聴できるようになっており、当初の目的どおり「証言を記録・伝達する役目を担っている」施設なんだな、と感じます。実際、四日市市内の小学生は5年生になると社会見学でここを訪れ、公害について学ぶそうです。一見地味〜な博物館ですが、四日市と言わず全国の小学校5年生のお子さんをお持ちの皆様、学習内容と連動しての訪館、いかがでしょう?ちなみに入館無料です。
実は(撮影許可をもらったにもかかわらず)うっかり写真を撮り忘れたのですが、館の公式サイトにドローンによるバーチャルツアーやストリートビューがありますので、興味をお持ちの方はそちらをご覧ください。モバイルサイトでもご覧になれます。
参考:四日市公害と環境未来館