小道を渡る清々しさを・・・草花の香りに預けてみたり、日差しの揺らぎに求めて見たり・・・
肩が触れ合うほど、気を揉む幅の・・・背伸びをする道先を、見通す僅かな起伏が歯がゆくて・・・
気が置けない切通しの道さえも・・・襟を正して歩いて、緊張して・・・
鼻歌を歌って、ほころぶ口元を隠しながら歩く・・・。
艶のある雑草と・・・乾いた土埃を足元に置いて、ヒタヒタと道を歩く・・・。
アスファルトには、暑さ寒さの繰り返しがあるだけで・・・
代わる代わるの生き物が暮らす田んぼやあぜ道・・・水たまりの弾ける道に・・・
人の便利は困り顔でも・・・小さな命は誇らしげに暮らしている・・・。
地の道が描かれて・・・空の道筋も引かれて・・・宙に糸が編まれ始めれば・・・
囲まれてしまった暮らしの距離は近くなっても・・・人が触れ合う場所はすれ違い・・・
モノが運ばれ移動するだけの・・・人の繋がりで膨らむ文化は運ばれなくなってしまう・・・。
脇に転がる、素性も知らない足跡達は・・・言葉も綴れないまま片道に消えて行く。