クロカメ日記

カメを中心に読んだ本のこと、見た映画のことや日々感じたことを書いていきます。

ただマイヨ・ジョーヌのためでなく

2010-02-19 21:15:08 | 読書
20歳そこそこで自転車競技で世界一になった主人公。しかし、睾丸癌になり、しかも肺と脳にも転移が。治癒率20%の絶望を感じ、自転車はおろか、生命の危機を感じる。癌摘出手術と抗ガン剤の投与。苦しい最中、契約していたチームやスポンサーから契約解除の絶望を味わう。それから1年。なんとガンが治癒した。それだけでは無く、自転車競技への復帰をはたそうとする。しかし、抗ガン剤治療は彼の体力を奪っており、一度は諦める。ここから、周りの人の励ましもあり、もう一度ツール・ド・フランスに!!マイヨ・ジョーヌとは、ツール・ド・フランスの各ピリオドの中で1位になった選手が次のピリオドで着る黄色のトレーニングウエアのこと。この黄色を目掛けて各選手は孟アタックをかける。主人公である著者は、全てのチェックポイントで1位となり、完全総合優勝を果たす。
 長年吐き気と付き合ってきた僕ですが、抗ガン剤治療の吐き気は想像を絶します。薬は、癌だけで無く、自分自身の骨髄も細胞を侵し、むしばんで行く。これを乗り切っただけでも大変なことだと思いますが、彼は、そこから、更に苦しい練習を乗り越えて、栄冠を勝ち取った。栄光のためだけでなく、同じ病気で苦しんでいる人、励まし続けてくれた人のために戦ったのだと思う。
コメント
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