クロカメ日記

カメを中心に読んだ本のこと、見た映画のことや日々感じたことを書いていきます。

ふたり道三 下巻 宮本昌孝著

2011-03-25 05:52:46 | 読書
 読み終わりました。1800ページを超える大作でした。本当に読み応えがありました。内容は、題を見て僕が想像していたものと全く異なり、また、歴史で習ったものとも異なりました。ふたり道三のふたりとは、油屋と武将を一人二役したということでなく、実際に道三はふたりいました。刀鍛冶から武将になった父とその息子のふたりです。このふたりは、二人とも互いの存在を知らず、ふたりが知った時には、父と息子が戦わないといけない状態にありました。息子は父を打つことを最後まで自重しましたが、父は僕が感じたところでは、息子に打たれることを望んだような気がします。
 道三とは、父の方が、暗殺された長男の菩提を弔うために建てた菩提院の名で、この院は、対立する組織により、父が暗殺されそうになったときに壊される。その後、父はこの院の名前の道三と名乗る。この名を息子(次男にあたる)が、父の死に際に譲り受けることとなる。この瞬間だけ、この父子は、親子になった。こんな時代だったとは言え、僕はこの時に空しさだけを感じました。
 人間関係が、かなり難しく、何度もさかのぼって確認しました。そんな時代だったと言えばそうなのかも知れませんが、父と子が戦うことが当然だったこの時代、本当に悲しい時代だと思います。
コメント
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