余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

こんがり

2021-10-14 22:51:55 | 水声の詩
彼は無言でうなずく
小麦色にやけた肌に
こうばしい香りを焼いて
彼は太陽の匂い
時々ひなたの匂い
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いちょう並木

2021-10-14 22:50:44 | 写真の扉の詩
少女と少年が
手をつないでいる

いちょう並木の真ん中を
やわらかさをふんで
木々が歌う
男の子はキャップをとる
女の子ははなうたをする
男の子は女の子の横顔を見る
きづいて女の子も横を向く
いちょうの葉が道をいろどり
いちょうの葉がはらひらおちる
いくつも いくつも
男の子は笑って上を向く
歩きながら
女の子は手をひっぱる
男の子と女の子はぴったりくっつく
歩きながら
いちょうの葉のふむ音
いちょうのかすれる音
女の子は手をつよくにぎる
男の子はもっとくっつくもっと

少女と少年が
手をつないでいる
おだやかな空気と
気持ちのよい陽射しの中
いちょう並木のあでやかさ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

欲求

2021-10-14 22:46:33 | 写真の扉の詩
あなたを描きたい
もっと
もっと美しく
もっと素直に
輪郭から肌があらわとなり
目、唇、頬、
おでこと鼻のすじ
僕はこの線が好きだ
あなたのここが好き
あなたを描きたい
あなたの美しさを丁寧に的確に
もっと現実的に幻想的に
瞳が好きだ
夢中で笑った顔の瞳に吸い寄せられる
描きたい
描きたい
あなたをもっと
唇が好きだ
欠伸のする、食べる時の、言葉を発する、
情熱に冷静に指を動かせ
輝きと微熱で描かなければ
肌を
あらわに
全てを
あらわに
描くよ
あなたの美しさを
もっと
もっと
見続けるよ
それが僕の欲求だから
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

美人

2021-10-14 22:40:31 | 水声の詩
偶発に訪れた出会いから
言い表せない戸惑い
動揺
風雲急をつげる波
吹き上げる巻く風は
美しき気だるさをさそう
指の手品はシロツメクサ
アカツメクサの甘い香り
幼い残像の手は四つ葉の奇跡
たどたどしさの足跡は
ふさふさした草原につける
あやうい直情の素直な欲望を
影にあらわせて
表情の肌
足にキスを
もうひとつは股関節にキスを
砂の持つ飲みこみと
壮観ははさまれる
僕にキスを
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

星型の

2021-10-14 22:26:53 | リンゴのいろ(短歌)
星型の
小さき花の
いくつもの
壊れるすべを
秘められた愛
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする