余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

眠り

2021-03-30 00:11:14 | 天秤の詩
眠りの奥深くの心地良さに
頭と体は敏感に反応し
常に眠りを欲するようになる
夢や幻が入り込み
誘惑の声を囁いている
苦悩と逃避が眠りへいざない
気の高ぶりが暗い海の底へ沈んでいく

何も無い世界(幻想)
空想産物が生み出した世界(現実)

いつしか眠りの虜となり
永遠が背中にまとわりつく
目の開いている時でさえ
眠りの中の幻が現れてきて
目の前を通り過ぎ
消えて 現れて
その光景に神経が麻痺をおこす
目を閉じれば
言いようの無いゆりかごに揺られ
どこまでも果てしなく沈んでいく
温もりを感じていた頃の記憶
置いてきた肌の温もり
心の温もり
怒りや不安や憂鬱なども無くしていき
廃人と呼ぶにふさわしい姿
眠りすぎた頭痛を大事そうに抱え
きょうきょう夜な夜な悪夢を引きずる
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季節風

2021-03-30 00:07:11 | 天秤の詩
冷たい空気を胸いっぱいに吸い
荒れたカラダを奇麗にする
歩いてきた道のりを振り返っては
両腕の傷が痛みだす
出会いと別れを繰り返し
放浪癖の男はアスファルトに倒れ込む
あまりにも遠い星座達を
憧れというよりは羨望の眼差しで見る
馬鹿げた
いや当たり前の
憂鬱な思考回路は下り坂を転げ落ちる
危険なことだと分かっていても
これはもうどうしようもなく
止めるための方法に
目をつむってはみたものの
頭はぐるぐる回りだし
ぼやけた記憶が呼んでいる
手を伸ばせば届くぐらいの小さな部屋
偽りが囲んだ変態の部屋
夢も希望もつながるものも全てを無くし
がらんどうの瞳が鹿を見る
いつしか冷たい空気が敵になる
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霧雨

2021-03-30 00:05:19 | 天秤の詩
私は誰と泣けばいい?
悲しみに暮れた霧の景色は
深く沈むには十分なほど
足された強めの雨の音が
足を重たくさせる
ずぶ濡れになった体のしんに
微かながら明かりが灯り
降られた雨が汚れた体を洗い流してくれる
そんな気さえする夜霧の怪しさ
先の見えない道とはいえない道を
不安と怖さと少しの好奇が
後押しして進ませてくれている
けれども憂鬱な視線は目印を見失い
手招きしているような闇の声に誘われて
慌てて意識を雨音に集中させる
涙を零す暇さえ与えない
朦朧とする脳は
忘れられない過去の記憶を泳ぎ
次第に狂気の渦に入り込む
今ここにいることの謎は苦しく
自ら深く刻み込んだ傷が血を流し
痛みがやがて獣の叫び声をあげる
何故か冷たい雨が優しくおもえ
雨に打たれた体をいとおしく感じる
私の全てを雨に与え
私の全てを失くしてしまいましょう
こんなにいとおしい雨だから
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タンポポは

2021-03-27 03:03:32 | 青リンゴ(短歌)
タンポポは
綿毛になり
ふわり飛ぶ
幻想になり
海を見に行こう
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続・白石かずこ詩集

2021-03-27 02:28:19 | マイブック(さ)
「続・白石かずこ詩集」
      白石かずこ 著

動物たちが目を覚ます。
そして動物たちが起き上がる。
起き上がり、立ち上がり、歩き、走り、
眠り、食べ、欠伸する。
旅をし、どこまでも、どこどこまでも。
詩は死生に触れながら、ふれそうな手前で
立ち止まる。
性を見詰める夕焼けのとき。
青春に触る朝日のほんのひととき。
舟をこぎその波に委ね抗う。


音楽。
ぼくはスピッツが好きだ。
好きすぎる。
宇多田ヒカルが好きだ。
coccoが好きだった。
演歌も好きだ。
テレサテンも好きだ。
個を抱きしめている。
個からはじまるものを抱える。
詩の跳躍をたのしみ抱く。

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