くっしーの徒然日記

しぶんぎ流星群の夜(M81)

さて1月3日の夜から4日の未明にかけてのしぶんぎ流星群の撮影は、
見事にボウズと成ってしまったが、流星撮影の隣で、月没後、13cmで
いくつか撮影を行った。先ず最初に撮影したのは、北中直前の、
今まで15mm48倍で2つの銀河をセットで撮影してた、M81ボーデ銀河。
これを今回は、9mm80倍、単独で撮影してみたいと思い、北斗七星の
ひしゃくの頭、デューべからM81ボーデ銀河を導入して撮影してみた。

【↑M81ボーデ銀河】
【共通:SM-R125S/D:130 f:720 IXY 30S ISO:3200 F:2.0 f=4.9mm
撮影場所:山梨県南都留郡】
Registaxでコンポジット→YIMGでトリミング・かぶり補正・ガンマ
・サイズ調整、UW9mm 80倍 LPS-P2使用 S:64秒 25コマ
撮影日:2012/1/4 02:26-03:03

どうも9mmだと少し露出が不足気味な感じで淡い部分の写りが、
前回15mm48倍で撮影の画像と比べて多少薄い様な感じである。
M81はデータ上は25分角と数字の上では満月に近いサイズだが、実際に
コンデジで写る部分は、それほど大きくは無い。
概ねUW9mmの写野(約50分角)の1/3~1/4程度なので12~16分角程度だ。


【↑コンポジット・リサイズのみでノートリミング・未補正のM81】
(撮影データは上の画像と同じ)

それでも写野の中ではかなり大きく写っているので、はっきり写れば
かなりディテールまで映し出せそうなのだが、露出量が少ないのでは
いかんともしがたく、15mm48倍での写真に比べて、多少、良く写って
いるかな?と言う感じ程度である。

実は、撮影し始めた時、いつも付ける光害フィルターを付けるのを
忘れて一枚だけ64秒で撮影してしまった。全体にちょっと白っぽいので
フィルターの付け忘れに気づいて取り付けたのだが、取り付け前の
無処理画像は以下のとおりであった。


【光害フィルター無し・未処理のM81ボーデ銀河(1枚画像)】
UW9mm 80倍 S:64秒 1コマ 撮影日:2012/1/4 02:14

フィルター付の未処理画像と比較すると、なんとなくこちらの方が
フィルターの減光が無い分、濃い目に写ってる様な感じに見える。

試しに、一枚画像のまま、トリミング・かぶり補正・ガンマ調整の
画像処理をしてみた。


【光害フィルター無し・画像処理有りのM81ボーデ銀河(1枚画像)】
UW9mm 80倍 S:64秒 1コマ 撮影日:2012/1/4 02:14

未処理画像では、こちらの方が良く写ってる様な気がしたが、結局、
かぶりを補正すると、フィルター付の画像と、そうたいして変わら
ない感じに成ってしまったが、それでも多少はこちらの方が濃く
写っているだろうか?

フィルター取り付け前の撮影画像は、1枚しかないので、画像の
荒れは無視すると、露出の不足気味の天体は、富士山近辺であれば、
フィルター無しで試してみる価値は有りそうな気がする。

という事で、M81ボーデ銀河は、次の機会にはフィルター無しの
9mm80倍での撮影を複数枚行って、富士山辺りの弱い光害地での
フィルターの効果と減光のデメリットのバランスについて試して
みたいと思う。

2012.1.3-4(1/7)

コメント一覧

くっしー
Nikon8cmさん、有り難うございます。

私も、Nikon8cmさんの記事中で、長秒露出の時にかなりISOを落としているので不思議でした。フィルター付きだと、ISO3200、64秒でも、9mm80倍時の合成F値が3の時には、『もっと光を!』って感じですから。後、短い時間での露光で、かなり良く映っているとかあって、少し考えていたのですが、途中で『フィルターの有る無し』だろうとの考えに行き着きましたが、その通りだったようですね。

それと、フィルターが無いと確かに全体に白っぽくなって、露出時間を減らしたく成りますよね。色味もだいぶ異なるようですね。今度フィルター無しで試すときは、先ずは3200、64秒でのかぶりをどこまでかぶり補正で取れるかと言う感じで試してみようかと思っています。
NIkon 8cm
http://nikon8cm.exblog.jp/
くっしーさん

早速に凄い写真です。M81の繊細な腕の構造がキレイに写っていますねえ。

くっしーさんの写真の色合いが私のものと感じが異なるのは、フィルターの使用の影響もあったのですね。ノーフィルターの画像は、私が日頃撮影しているコマの感じに近いです。ただ、この場合はもう少しISOを落として撮影しておかないと、画像処理しても透明感が出ない感じがしています。

くっしー
貧スタさん、どうも有り難うございます。

やはり、光害地に近い所では、赤系はフィルターの効果で光害をカットして赤いのだけ取り出しやすいけど、白系は、波長が広域に及んでいるので、フィルターで光害と共にカットされる部分が多くて映りにくいんじゃないですかね?

おとめ座銀河団はまだ写していません。銀河をいくつか同じフレームに収めようとすると、各銀河が小さく映る上に、写野の端の方まで使わなければならないので、コリメート撮影の弱点、『画像がシャープでない』『周辺での収差が出やすい』辺りが出て、なかなか厳しい絵になりそうです。でもそろそろ良く見えるように成って来たので、挑戦はしてみようと思ってます。
貧スタ
いつもながらすごい写真ですね。
私は赤いのは写るんですが、白いのがなかなか写らなくて。。。。
おとめ座銀河団も既に撮ってましたでしょうか?
くっしー
沼尻さん、明けましておめでとうございます。

確かに、言われてみれば、LPS-P2はナトリウムや、水銀の波長をカットしている様ですが、星雲等はその波長をあまり持ってないから、効果は大きいですが、銀河の場合は、銀河の光もカットされるから、光害のレベルが低い場合は、光害を除去するレベルよりも、銀河の光をカットするレベルの方が大きいかも知れませんね~。
面白そうなので、是非次回に試してみることにします。
沼尻
http://homepage2.nifty.com/numajiri/
光害カットフィルターは、散光星雲や惑星状星雲などには良く効きますが、連続光の銀河には微妙なところですね。
十分に露出をかけられるなら良いですが、暗くなってしまうために、逆効果になる場合もあるでしょう。
もしかすると、使わない方が良い結果になるかもしれませんね。
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