ソユーズ宇宙船:不思議な「験担ぎ」
宇宙飛行士の古川聡さんが今月8日、
ロシアのソユーズ宇宙船に乗り込み約半年間の旅に出ました。
宇宙船のクルーといえば最先端技術を駆使する集団だが、
飛行士たちが気にする「験担ぎ」があるという。
古川さんも実践するという伝統的な作法とは。???
打ち上げ台へと向かうバスを降りて、
おもむろに車輪におしっこをかける宇宙服の男たち--。
この突拍子もない「伝統的儀式」とは、
人類で初めて宇宙飛行に成功した故ユーリー・ガガーリン飛行士が、
打ち上げ直前にしたことをまねたものだそうだが。
ガガーリンは初飛行から50年が過ぎた今も「ロシア宇宙業界の最大の英雄」。
それだけに、 彼にまつわる数多くの験担ぎが、エピソードとして残されている。
ただでさえ歩きづらそうなあの宇宙服のファスナーを開けて、
立ち小便をするのは大変そうだが飛行士は打ち上げの朝にシャンパン を飲む慣習があり、
バスに乗るころには尿意をもよおすことが多いらしい。
元宇宙飛行士のアレクサンドル・セレブロフさんは
「ソユーズに乗っても軌道に達するまでの数時間は用を足せない。
小便をかける慣習は、ありがたかった」と振り返る。
さすがに女性飛行士には課されていないが、
中には尿を容器に入れて持参し、車輪にかける女性もいるそうです。
最新技術を誇る宇宙船の打ち上げで、
昔ながらの縁起にこだわる--。
そのギャップにはいささか違和感を覚えるが、
ささいな失敗が人命損失に直結する宇宙飛行では
「過去の成功にあやかりたい、という安全祈願の思いが強いようですなぁ」
立小便のほかにも・・・
◇前夜には映画鑑賞
例えば出発前夜の乗組員は、
ソ連時代の人気映画「砂漠の白い太陽」(69年)を必ず見る。
これは73年に飛行した「ソユーズ12号」の乗組員が打ち上げ前夜に鑑賞し、
全員が無事に帰還したことから始まった。
その2年前(71年)には、地球へ戻る飛行中に、
乗組員3人全員が船内で窒息死している。
この映画はロシア革命直後の旧ソ連軍兵士の冒険を描いていて。
飛行士の間では「どうして打ち上げ前にこんな作品を見るの?」
という素朴な疑問の声も出ている。
逆に、飛行士が避けようとするジンクスもある。
ガガーリンは68年、戦闘機の訓練飛行時の墜落事故で命を落とした。
その当日の朝、忘れ物に気付いて自宅に戻ったことが分かっている。
ロシアではもともと忘れ物を取りに帰ると悪いことが起きるという迷信があり、
その後の宇宙飛行士は、忘れ物をしても戻らないようにしているという。
これまで古川さんは、2回ほどソユーズの予備乗組員として
カザフスタンのバイコヌール宇宙基地からの打ち上げに同席、
すでにいくつかの験担ぎを体験している。
この「砂漠の白い太陽」は、もう2回も見たそうだ。
一方で時代とともに変わっていく儀式もあるようで。
帰還した宇宙飛行士は従来、
バイコヌールにある「宇宙飛行士の小道」と呼ばれるホテル裏庭の敷地に、
ニレの苗木などを植えており、
ガガーリンが植えた木も今では大きく成長している。
しかし最近では伝統が変わり、
古川さんも打ち上げ前の6月1日に植樹を済ませた。
これだけ多くの験を担いで旅立つ宇宙飛行士のみなさん。
11月下旬に無事に戻ってくることを願うだけだ。
じゃっ・see you again・・
宇宙飛行士の古川聡さんが今月8日、
ロシアのソユーズ宇宙船に乗り込み約半年間の旅に出ました。
宇宙船のクルーといえば最先端技術を駆使する集団だが、
飛行士たちが気にする「験担ぎ」があるという。
古川さんも実践するという伝統的な作法とは。???
打ち上げ台へと向かうバスを降りて、
おもむろに車輪におしっこをかける宇宙服の男たち--。
この突拍子もない「伝統的儀式」とは、
人類で初めて宇宙飛行に成功した故ユーリー・ガガーリン飛行士が、
打ち上げ直前にしたことをまねたものだそうだが。
ガガーリンは初飛行から50年が過ぎた今も「ロシア宇宙業界の最大の英雄」。
それだけに、 彼にまつわる数多くの験担ぎが、エピソードとして残されている。
ただでさえ歩きづらそうなあの宇宙服のファスナーを開けて、
立ち小便をするのは大変そうだが飛行士は打ち上げの朝にシャンパン を飲む慣習があり、
バスに乗るころには尿意をもよおすことが多いらしい。
元宇宙飛行士のアレクサンドル・セレブロフさんは
「ソユーズに乗っても軌道に達するまでの数時間は用を足せない。
小便をかける慣習は、ありがたかった」と振り返る。
さすがに女性飛行士には課されていないが、
中には尿を容器に入れて持参し、車輪にかける女性もいるそうです。
最新技術を誇る宇宙船の打ち上げで、
昔ながらの縁起にこだわる--。
そのギャップにはいささか違和感を覚えるが、
ささいな失敗が人命損失に直結する宇宙飛行では
「過去の成功にあやかりたい、という安全祈願の思いが強いようですなぁ」
立小便のほかにも・・・
◇前夜には映画鑑賞
例えば出発前夜の乗組員は、
ソ連時代の人気映画「砂漠の白い太陽」(69年)を必ず見る。
これは73年に飛行した「ソユーズ12号」の乗組員が打ち上げ前夜に鑑賞し、
全員が無事に帰還したことから始まった。
その2年前(71年)には、地球へ戻る飛行中に、
乗組員3人全員が船内で窒息死している。
この映画はロシア革命直後の旧ソ連軍兵士の冒険を描いていて。
飛行士の間では「どうして打ち上げ前にこんな作品を見るの?」
という素朴な疑問の声も出ている。
逆に、飛行士が避けようとするジンクスもある。
ガガーリンは68年、戦闘機の訓練飛行時の墜落事故で命を落とした。
その当日の朝、忘れ物に気付いて自宅に戻ったことが分かっている。
ロシアではもともと忘れ物を取りに帰ると悪いことが起きるという迷信があり、
その後の宇宙飛行士は、忘れ物をしても戻らないようにしているという。
これまで古川さんは、2回ほどソユーズの予備乗組員として
カザフスタンのバイコヌール宇宙基地からの打ち上げに同席、
すでにいくつかの験担ぎを体験している。
この「砂漠の白い太陽」は、もう2回も見たそうだ。
一方で時代とともに変わっていく儀式もあるようで。
帰還した宇宙飛行士は従来、
バイコヌールにある「宇宙飛行士の小道」と呼ばれるホテル裏庭の敷地に、
ニレの苗木などを植えており、
ガガーリンが植えた木も今では大きく成長している。
しかし最近では伝統が変わり、
古川さんも打ち上げ前の6月1日に植樹を済ませた。
これだけ多くの験を担いで旅立つ宇宙飛行士のみなさん。
11月下旬に無事に戻ってくることを願うだけだ。
じゃっ・see you again・・
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