彷徨う普代村民

普代村の一村民、
彷徨う村からの貧民の呻き声

県立久慈病院の崩壊

2024年11月18日 | Weblog

  岩手県の県立病院の2025年~2030年までの新たな経営計画が公表された。

簡単に言えば縮小計画である。

縮小ではなくもっと充実して欲しいという動きがある。

「久慈地域医療を守る会」は署名運動もしている。

県立病院で診察を受けた人の話はたびたび聞く。

 最近の話では、

家の中で転んで腰が痛くてどうしようもなく、久慈病院に行ったが

レントゲンを撮っても異常がないと言われて、

痛いといっても何の処置もなく帰された。

一か月しても痛くて、盛岡の病院に行ってレントゲンを撮ったら、

腰の骨が3か所折れていたという。

医師はあきれ、本人は怒り心頭。

これはほんの一例で、

医師個人の問題ではなく、医師数充実の問題の影の部分です。

 

 救急患者は、対応できない場合もあり救急車で八戸へ回されるか、

ドクターヘリで盛岡へということは普通にあるようだ。

一刻を争う時は、手遅れになる場合もあろう。

 

 経営計画では、「連携強化」と称して、

久慈地域では、がん患者は盛岡の中央病院へ行くことになる。

放射線治療や、脳血管の撮影も装置無くし2025年からは中央病院へ行くことになる。

盛岡へ通院する費用と労力は、地域民にとって地域医療の崩壊となる。

 

 医師確保の方向性では、

「医療ニーズを踏まえた適正な医師配置、指導医、

専門確保・育成による経営改善」とある。

患者数がニーズの指標だと思うが、入院患者が令和5年度と10年前と比べ、

675人減少していることをあげている。

ニーズと経営改善となれば、縮小方向にならざるをえない。

 

 病院の経営(黒字化)と住民の健康や命とどちらを選ぶかという事になる。

そもそも、病院が黒字化することを目指すこと自体に矛盾がある。

コロナのような感染症など不測の事態で対応できない。

災害などで、多くのけが人が出ることもカバーできなければならない。

国の責任として、警察署と同じように、住民の安全、

命を守るために充実した医療体制は確保する必要がある。

 

 厚労省は将来の人口減少を理由に、医師数削減を進めているという。

財政破綻をいい、財政健全化のための歳出削減、緊縮財政の一環であると思う。

人口の少ない僻地の住民と、医療体制の充実した都市の住民で命の格差ができていく。

すべての基準が、政府のカネ・カネ・カネである。

 

 今、103万を178万までにするという年収の壁が騒がれている。

地方の税収も減ると言って、知事らが騒いでいる。

果たして本当にそうなるのか?

減る税収だけにスポットが当てられて、何か抜けている。

例えば、民間の経営で、

月10個売れるものを、1個1000円を600円にしようと言ったとする。

「そんなことをしたら、4000円分の売上減少を招くから反対だ!」と言うのか?

安いと多く売れる可能性を無視はできない。

20個売れれば12000円で、逆に2000円の増となる。

下げたからといって、単純にそのまま減るわけではない。

 

 十数年ぶりに国会議員になった川村たかし衆議院議員、元名古屋市市長ですが、

市民の税金10%減税して1600億円だったとか。

その後の税収増が3000億円だったといいます。

 

 川村たかし議員が言うには、役所にある金しか見ないから減る事しか考えない。

市内の住民や企業という、「役所の外を見なあかん。」と。

ただ1600億円減らすだけではない。その効果がある。

これは103万から178万にする行為も同じことではないか。

 

 医療体制にしても、医師を増やし、施設も充実させた医療体制を確保することが、

そのまま財政難につながると考えるのは、県財政の中だけで考えるからではないでしょうか?

県も国からの交付金で成り立っています。

国の方針を変えてもらうしかありません。

 

 ベテラン医師が増えると、看護師も増えるし、医療体制が充実すれば圏外通院も減る。

地域の人は安心できるのと、高収入の人口増は経済効果がある。

医療に投資することで、税収が増える。

その増えた分を、国の交付金で県は賄っていくことができる。

 

 そもそも現状でも、そうできるはずであると思っている。

そうできない、しない訳があるはずです。

現在、政府が減税しない論理と根本は同じではないでしょうか。

このまま県立病院の医療体制縮小となれば、戻すことは困難です。

遠くの病院へとなれば、家族の負担も出て来て住民の疲弊、貧困が加速しかねない。

 

 短編動画「公的医療はどこへ行く」~差し迫る医療崩壊

                     

 

 

 

 

 


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