DV加害者更生プログラム参加へのハードル
私も含め、参加者の中にはパートナー側にも問題があると考えている者がいます。
パートナー側にも問題があると考えている者にとっては、DV加害者更生プログラムへの参加は大変大きな ハードルで、参加を決めるには大きな勇気が要ります。
また、そのような考えを持っている者は、この会に受け入れて貰えないと思っていました。
リエゾンでは、そのような参加者の気持ちも聞いてくれ、そのうえで、自らの問題に目を向けるよう指導し て くれます。
気持ちを聞いて貰えることで、自らの問題に目を向ける余裕も出てきます。
自分だけの問題ではないと考えている方で、DV加害者更生プログラムに興味を持っている方は、参加してみませんか?
私は、そのようなリエゾンの方針のお陰で、このプログラムを継続できています。
加害者プログラムを訪れる男性のほとんどが
俺が本当に悪いのか、と疑問に思っていることでしょう。
なぜなら、彼らは社会の情報をまともに受けとっていることが
多いからです。社会には家庭からの情報も含まれます。
このメディアや、親からの情報は本当か?そんなところから
検討を始めます。
この勉強を始めるまで、本気で女性が最後にお風呂に入るものとか、
女性が最後にご飯を食べるものとかを、信じている人もいます。
このような考え方を持っていたら、それはそれはパートナーと揉めること
間違いなしです。
特に多いのが、自分が仕事から帰ってきたときに
部屋の掃除がなっていない、一日家にいるのに何してたんだ、家事をさぼっている、
というものです。
これも本当か、検討します。
男性の多くは知らずに普通に過ごしてしまう、女性の危険な時期があります。
妻の妊娠中、出産後、子どもの小さい時期、妻や子どもの病気の時
が要注意期間です。この時期の男性側の普通の要求は
男性を一生苦しめる仕返しになりかねません。(当然の報いなのですが)
「まだ、言われるのか、謝ってもまだ、あの時のことを責められるのか。」
ということになります。この時期を知っていると、かなり夫婦のバトルも減ると予想できます。
DVの形態には様々な状態があります。
男性側からすると、相手もDVではないのか、というものです。
DV には、通常のDV、相互DV、共依存的DV関係などがあります。
通常のDVとは、上下、支配関係で強者がパワーで弱者を支配するもの。強制力が働いており
弱者が離れるのが難しい状態。
相互DVとは、瞬間瞬間は、一方による他方へのDVであるが、その主従、上下関係が入れ替わるもの
関係にあるもの。双方が相手に対して、DVを手離そうとしない関係。双方の力が拮抗しているが、
相手への攻撃性が強く、瞬間瞬間には上下になっている。支配しあっている。
共依存的なDV関係とは、「共依存」的な特徴を持っている「穏やかなDV」。
DV関係のうち、被害者に恐怖感のない、穏やかな支配のケース、
また表面的な意識上では共依存的な関係というケースのこと。
関係の内実を見ると、基本的に片方が支配的である。共依存ではなく、
あくまでDVであると見るべきであるが、事例によっては、DVと共依存のあいだのグレーゾーン的な
中間の場合もある。
共依存とは、双方が相手に依存しており、離れがたくなっているが、それは他方からの
強制によって、離れられなくなっているのではない関係。依存症という病気の一種である。
基本的に身体暴力や恐怖感はない。双方に治療が必要となる。(伊田広行著書抜粋)
伊田さんの本はデートDVや、DVがわかりやすく書かれていますので、
おすすめです。
このように、一言でDVはこうだといえないことがあるのです。
でもここで言えることは、相手が悪いから、自分もやっても構わないという考え方は
その家庭を安心な状態から遠ざけるということです。まして、子どもがいる場合は
その影響を心配しなければいけません。しかし、パワーゲームから降りられない二人は
降り方がわからなくなっているのです。降り方も学び、安心できる家庭に戻すこと
それがリエゾンの方針です。(離婚、別居、同居も含めてです)