DV加害者更生プログラム(既婚、未婚、問わず)

DVをしているのではないか、悩んでいる方に心理テスト、グループエンカウンター等を用いて更生の道をお手伝いします

親離れ、子離れ

2015-01-10 00:43:10 | 【DV加害者更生教育プログラム】
在籍中の男性からのメッセージ

私は、妻と結婚した時に親と独立した家庭を作ったつもりでいました。
結婚式の当日に両親には、その様に宣言をして実家を出ましたが、自分の意識を完全には変えられませんでした。
何かが有れば実家を優先していたのに気が付いたのは、妻の指摘からでしたが、完全には改めることができませんでした。
その様な状況のなか、私と妻が衝突を起こした時に、私の母が仲裁に入ったようです。
その後から、妻は私の母を避ける様になったと、後で気が付きました。
多分、母は私の弁護をしたのだと思います。
そのことで、妻と母の関係が悪くなり、妻と私の関係が改善しても、そちらの関係修復は出来ないままになっています。
新しい家庭が出来たときに、親離れ、子離れが出来ないと禍根を残すと感じています。



リエゾンからのメッセージ

厳しいことをここに書くことを、どうぞお許しください。
残念なことが本当に多く起きています。

夫婦が揉めたときどちらの親も介入をすることが多いです。
DVは妻が被害者であることが93%のため、妻側の親が娘を助けること、それは順当だと思われます。
加害者側である、夫の親が介入した時、それが遺恨を残すこととなります。
夫側の親たちは、たいていは良かれと思い、介入します。
自分たちが、何か役に立てるのではないか、という思いからです。
言葉は、妻に対して、「うちの子が本当にごめんなさいね」とか、
「何度も言っても昔から言う事聞かないのよ。しつけが行き届かなかったからあなたに迷惑をかけるわね。」
などというものです。
でも、夫の親たちは心にこんなことを本当は思っています。

あなたのやり方がまずいから、息子を怒らせているんじゃないの?
あなたの我慢が足りないのじゃないかしら。
私たちの世代なんて、そんなことくらいで実家に帰ったり、大騒ぎをしたりしなかったわ。
あなたがまずいのよ。

こんなことを心に秘めて介入をすると、自分の息子が加害者であるという事実を忘れてしまいがちです。
言葉の端端に、あなたが悪いという裏面のメッセージを伝えることになるのです。
交流分析では言葉の裏にあるメッセージを裏面のメッセージと言います。
裏面のメッセージは言葉よりも強烈に相手に届きます。
たとえばしつけの場面で、小さい子どもたちに裏面を持ってしつけをすると、裏面の方が子どもに届くと言われています。
夫側の親が裏面を持って介入をしたとき、本心が妻には見えるのです。
その上、仲裁の素人ですから、チラチラと本音が出てしまったりもします。
これは決定的な亀裂になります。
被害を受けた人に、息子から殴られたという人に、あなたが悪いのじゃないの?
発言をしてしまう事の罪深さを、どれほどの親たちはわかっているか…

妻に言った言葉の重さを、たぶんわかっていないでしょう。
きついことを申し上げますが、レイプ被害にあった人に
警察で警察官から、「あなたもそんな恰好をしていたら誘っているようなもんだよ。」
と言われたのと同じくらいのダメージがあるのだということを知っていただきたいのです。
いわゆる二次被害です。(現在の警察はそのようなことはありません)

自分の娘が夫から暴力を受けたとき娘にお前が悪いという親は少ないのではないでしょうか。
妻たちは、この人なら(親だから)もしかして夫が変わってくれるか、一縷の希望をもってすがっています。
その希望は見事に打ち砕かれ、期待をした自分を馬鹿だったと強く思うのです。

そして、夫との関係が修復しても、夫の親との関係は修復しないままになります。
息子である夫たちは、親たちを庇うことはできません。
自分の修復で精いっぱいですから、つまり、夫たちもまだまだ危ない状況が続いていますから
親を庇う言葉なんて一切言うことはできません。喧嘩の火種になります。

今、リエゾンに来ている方たちの夫の親たちが孫に会えない状況は、大変高い確率になっています。
妻はもう、夫の親たちと話すことも嫌がる事でしょう。お正月にも行かなくなるでしょう。
孫に会えている方は、妻がかなり寛容だと思ってください。
会えない人の方が多いですから。

男性たちが間違った情報をくみ取り、妻とパワーゲームをしてしまうように、
親たちも間違った価値観で介入をしてしまい、自分たちを寂しい老後にしています。
良かれと思ったことが裏目に出てしまい、本当に気の毒だなぁと思います。

どうぞ、今、揉めている息子夫婦がいる方たちは介入をなさらないことを勧めます。
もし、介入をするならば、妻は被害者であるという視点を忘れないでほしいのです。
あなたたちにすがる思いで来ていることをどうか忘れないでほしいのです。



コメント
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