DV加害者更生プログラム(既婚、未婚、問わず)

DVをしているのではないか、悩んでいる方に心理テスト、グループエンカウンター等を用いて更生の道をお手伝いします

​まだ間に合う

2024-08-12 22:41:35 | 【DV加害者更生教育プログラム】
まだ間に合う (40代男性Nさん) 

私がりえぞんに通い始めたきっかけは、パートナーとの別居だった。
原因は私の暴言と経済的なDVだ。
今でこそ認識できているが、当時は自身に問題など何もないと思っていた。
家庭は私が主体となって舵を取ることで上手く進んでいくと思っていた。
それゆえ、パートナーが家から出て行ったのはとてもショックだった。
何が悪かったのか理解できず焦るばかりだったが、
パートナーに戻ってきて欲しくて、色々な機関や団体、窓口を調べてりえぞんに辿り着いた。

プログラムに参加すると、メンバーそれぞれが様々な状況下で苦悩していた。
ワークでは事例を皆で一緒に考え、どうしたら良いか、どうするのが良いかなどを語りあった。
私は自身の改善点に気付き、家族や夫婦の在り方について少しずつ認識を改めていった。
並行してインナーチェンジングを受け、
自身が心の中で作り出した問題点を解消していったので、経過は順調に思えた。
しかし、私は大きな失敗をした。
パートナーへのフィードバックを怠っていたのである。

プログラムに参加している期間は、パートナーを待たせている状態だといえる。
パートナーは、相手がどう変化しているかを知りたくて常に心待ちにしている。
プログラムで何をしてどんな事を考え、何を感じたのか、何を反省したのか、
自身はどうしていきたいのか、インナーチェンジングで何に気付けたのか、
パートナーにその都度伝えて、改善の過程と未来への意思を見せることはとても大事だ。
パートナーはそれらを判断材料として、相手と再出発するか離れるかを考えているからだ。

私は状況を軽く見積もり、常に試されているとは気付かず、適当な報告をしたり、あるいは報告しなかった。
報告しようと内容を考えてみても、何をどう伝えたらいいかがわからなかった。
わからないということは、自身の未来と相手の未来に、真剣に向き合っていないからだと今はわかる。

結果、私は離婚した。
パートナーに写る私の姿は、プログラムに通う割には改善できずいつまでも変わろうとしない姿だったのだろう。
もたついている私に苛立ちを表明し、パートナーは離婚を選んだ。

離婚後、唐突に、霧が晴れたかのように自身の課題がよく見えるようになった。
離婚が引き金となり真剣に向き合ったがゆえに、状況が理解できるようになったのだ。
それに気付いた時は遅すぎた。失ってから、やっと気付いたのだから。

りえぞんには今も通い続けている。
自身の戒めと、更なる成長と、このプログラムを広めるためである。
継続して参加するのはなかなかに辛い。過去の自分、嫌な自分と対峙しなければならないからだ。
しかし、自身を見つめることでしか自身の改善は図れない。

メンバーは皆、色々な事情や苦悩を抱えている。それぞれが自身の問題に向かい合っている。
中には過去の私のようにフィードバックを怠っている人もいる。
そんな時には、フィードバックで失敗した体験を伝えるようにしている。
同じ轍を踏んでは欲しくないし、そこに気付けば、まだ間に合うからだ。
まだ、間に合うのだ。

リエゾンからのコメント

そうなのよね。リエゾンのメニューは真剣にこなさないと結果が出ないことにもなるのです。うまくいく人を横目で見ながら、ただ単に通っていれば同じようになると勘違いしてはなりません。
その中でもフィードバックは重要です。グループ及び個人面談での気づきをパートナーに送ります。このフィードバックを楽しみにしているパートナーもいるのです。本当にこの人は変わっていけるのか?じっと真剣に見ています。ここでいい加減な報告をしていくと、待っても無駄だと見切られてしまいます。
Nさんは、せっかくの機会に真剣になることが出来ませんでした。失ってみて気付いたとあります。おそらく禁止令の「重要であるな」が関係しているでしょう。
失敗したくないのに失敗してしまう禁止令です。今、彼は禁止令の怖さも知り、克服法も知り、他者に対して、禁止令の解除を出来るようになろうとしています。失敗を活かせる人になっているのです。
たくさん失敗した人ほど、きっと有能なDV加害者更生教育プログラム実施者になることでしょう。




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