紺青小鉢

ミニマムな和の空間で、日本の伝統文化を再発見

紙風船

2015年06月20日 | 美術館・博物館
重苦しい人物像…暗い。JRの車内広告を見て気になった鴨居玲展。
赤煉瓦が印象的な東京ステーションギャラリー。その薄暗い展示室に掛かる鴨居玲の油彩画は、そこらの美術館で見るよりも、一段と重厚な雰囲気が表れているように思えます。金沢出身の鴨居玲はパリやローマ、スペインほかを転々とし、老婆や酔っぱらいなど人間の心にひそむ闇を描きました。孤独、苦悩、焦燥...あらゆるネガティブ感情を表現した鴨居玲。ほんのいくつか淡い色調で描かれた作品には、何か救いのようなものを感じます。
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文人画の風情

2015年06月06日 | 美術館・博物館
何年か前に野球部のマネージャーがドラッカーの本をどうたらとか話題になりましたが、そのピーター・ドラッカーが蒐集した日本の水墨画には、めったに見られない作品もあるようで...「ドラッカー・コレクション 珠玉の水墨画」展が開催されている千葉市美術館に行ってきました。
きょうは土曜日なので混んでいるか!?と思いながら、展示室のあるエレベーターに乗り込みましたけど、そんなに人だらけってわけでもなく、割とゆったりとした感じでした。室町時代の水墨画はじっと見ていると静寂に包まれるような気がして、それが周りにも伝わるのがおもしろいところ。もの言わぬ観者。
周耕『懸崖図』、柴庵『柳燕・竹石鶺鴒図』、浦上玉堂『山声松音図』、中林竹洞『夏冬山水図』...その他いろいろグッとくる稀少な水墨画多し。直感で良いと思った水墨画を蒐集していったドラッカーの先見性。未来を先読みするその力が、経営学の権威として大いに役立ったのではないでしょうか。
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白い壁

2015年06月04日 | 美術館・博物館
フィンランドを代表する画家、ヘレン・シャルフベックの展覧会が東京藝大美術館で開催されています。このヘレン某なる人物…存じませんでしたが、チラシに載っている絵が自分好みだったので、まあ見に行こうかと。
19世紀末から20世紀初めに活躍したシャルフベック。幼い頃から足の不自由という重荷を背負いながらも、画家として確実に人生を歩んでいきます。様々なものから影響を受け、時代とともに変化していった画風。そして死ぬるそのときまで、ひとりの画家として在り続けたシャルフベックの生涯。見たあとにはちょっと心に雨が降りそうです。
『扉』、『少女の頭部』、『パン屋』、『お針子の半身像』がマル。
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