5月26日、平野区では3回目に当たる教育フォーラムが、加美中学校でおこなわれました。参加者は50人以上はあり、30~40代ぐらいの女性の姿が多く見られました。
他のフォーラムでは、学校選択制に関する質問や発言が多かったのですが、このフォーラムではむしろ、学校給食に関する重大な問題が露わになりました。
最初に学校選択制と学校給食についての説明があったのはこれまでのフォーラムとほぼ同じですが、若干違う点としては、区長自らが「選択できる方がいいかできない方がいいかと言われれば、私はできる方がいい」と、選択制への支持を表明した点でした。
その後、会場からの意見が募られましたが、司会者に促されてやっとちらほら意見が出るという終始おとなしい雰囲気でした。他の人の発言に対する反応もほとんどなく、静かなフォーラムでした。
学校選択制については、不安や疑義を訴える意見もあれば、賛成を表明する意見もありました。また、「大阪市教育委員会は、これまで“しない させない越境入学”の啓発運動をおこなってきたが、それとこの学校選択制とは矛盾しないか」という質問に対して、教育委員会の人は「学校選択制は市長の公約で…、越境入学禁止とどちらを優先させるべきなのか…、私にはわからない…」としどろもどろの答えでした。
学校給食の問題については、現在、「選択制給食」の導入は既に決まっていて、「全員」にするかどうかを区民の意見を聞いた上で決めるということになっているようです。保護者に取ったアンケートでは75%が「全員」に賛成し「選択制」に賛成したのは25%でした。大阪市全体でも、どの区ごとでもだいたい同じような割合です。
しかし、アレルギーなどで食事制限の必要性のある子どもにとっては、「全員」は大きな問題があります。配慮されるべき少数者のことを多数決で決めるのはそもそもおかしなことだです。
小学校の給食でおこなわれているアレルギー対応では対処しきれないアレルギーをもった子どものお母さんが、毎日弁当を持たせていて、給食を一口も食べられないのに給食代を払わなければならない理不尽を訴えていました。
小学校の給食では、最後にアレルギー源となるものを入れずに済ますという形での除去がおこなわれているようですが、現在準備されている中学校給食でどんなアレルギー対策がおこなわれるかはまったく不明です。また、それで全てのアレルギー源が取り除けるわけでもないので、どうしても給食が食べられない子どもも出てしまいます。
それから、中学校の給食がケータリング方式でおこなわれるというのを知らずに、小学校のように各学校の調理室で作るものだと思いこんでいる人も多いということは平野区の区長自身が指摘していました。中学生は体格の差が一番出る時期で、運動クラブに入っているか否かでも必要なカロリーに差が出ます。こうした食事の「量」という点についても、ケータリング方式は問題があります。
選択制の給食は、早い所では、今年度の二学期から始まる中学校があります。この場合、前払いで一月ごとに、この給食かあるいは家庭の弁当とするかを選ぶ方式になるということです。(現在おこなわれている「昼食提供事業」が日ごとに選べるのと比べると利便性が悪いような気がします。これは現在一食280円ですが、選択制給食では、一食あたり300円ぐらいになるということです。何故高くなるのかはわかりません。説明では、必ず牛乳を付けるので栄養的によろしいという話でした。)(鈴)