少し古い記事ですが、今年の春から学校選択制を見直した長崎市では、敬遠されていた学校に生徒が戻り、クラブ活動もできるようになり、活気が出てきたという記事です。
※学校選択制見直し活気(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/jijou/tiiki/20120511-OYT8T00427.htm
長崎市では、 昨春は小学校で8・5%、中学校で9・1%の新入生が本来行く学校でない隣接校を選びましたが、今年からは、地元の学校より近い場合などを除き、他校への入学を認めないことにしたと言います。
それでも今春、他校に進んだ新入生は小学校で5・2%、中学校で5・8%に上ります。
にもかかわらず、学校の入学者数や雰囲気に大きな変化が現れたのは、昨年までは、「平均の%」でははかれないほど、集中的に回避された学校があったということを示しています。本来の入学者の5~6割しか入学しない学校が現れ、行事や部活動に支障が出ていたのです。
以下は、長崎市のホームページに掲載されている学校選択制の見直しに関する経緯と基本方針です。
※学校選択制見直しの基本方針
http://www1.city.nagasaki.nagasaki.jp/edu/school/kihonhoshin.pdf
※学校選択制見直しの概要
http://www1.city.nagasaki.nagasaki.jp/edu/school/gaiyou.pdf
長崎市では2005年度から隣接制による学校選択制が導入されました。そして4年が経過した2008年の8月に児童・生徒・保護者に対して行ったアンケートでは、実に8割が学校選択制を支持していたのです。
ところが、選択制の見直しが進められました。長崎市立小学校長・長崎市立中学校長、長崎市PTA連合会などぱ8割近くが見直しを進言しています。
一部の学校が忌避され、学級運営や教育活動そのものに支障が出、また地域との関係が希薄になってきた等々の決して看過できない問題が出てきて、議論を重ねた結果として、学校選択制の見直しへと舵を切ったことがわかります。
教育的な見地から見て、学校選択制が多くの問題をはらんでおり、見直しに踏み切らざるを得なかったのです。
以下の記事も参照
学校選択制を考える(5)---長崎市の場合(教育基本条例NO!)
(ハンマー)