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「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

『世界がキューバの高学力に注目するわけ』(吉田太郎 著)--その4

2012-12-21 | 本・番組・映画など

『世界がキューバの高学力に注目するわけ』(吉田太郎 著)--その4

4 脱ワーキングプア社会を求めて
○ 社会とつながる総合教育
・ピオネーロ活動による共同の社会活動(ボーイスカウト)、職業訓練体験学習、
 学校自治(学生による学校委員会が、規律を作り守らせることで社会性を身につける)、
 労働教育(校舎の掃除、工程管理、学校菜園)、農村学校プログラム(45日間全寮制の寄宿学校で半日農作業)
・(カストロ)「我々は読み書きだけでなく、他の人々のためにいかに働き、尽くすべきかも教えるべきだろう。さすれば生徒たちはわかるだろう。人生でただの一度もシャツに汗をかかずして暮らす人間がいることを。」
 「諸君らは鍬を手にして働くことだろう。なぜなら、諸君らが将来、技師となり責任ある業務に従事するとき、仕事が何であるかを知ることがとても役立つからだ。諸君らが下す指示でなされるきつい仕事のことも知っておくことが、同じく必要なことだからだ。」「我々が単なる技術者ではなく、よりよき市民を育成することに関心を持っている」「もし単純労働しかさせられないのなら、それは残忍で悲惨なことだ。だが、知的労働にだけ従事している人間もどこか歪んでいる。未来は、誰もが物的生産に従事し、誰もが精神的な商品やサービス創造に参加できる」「最も重要なことは、学習と労働をつなぎ合わせるという原則だ。資本主義は知的生産と肉体労働との間にギャップを作り出し、それがすさまじく浮いた人間を生み出している。知的生産と手作業との残酷な分離、これが人類が今までに知っている教育制度、資本主義の遊離された人間教育制度だ。これが、我々が学びと労働の組み合わせが基本的な革命の原則だと考えなければならない理由だ。」
○ 格差なき公正な競争社会を求めて
・90’s後半、所得格差と未来への希望喪失という閉塞感の中で、「第二の教育革命、思想の戦い」と呼ばれる一連の改革開始
・キューバ共産党青年同盟自ら議論してソーシャル・ワーカー養成校設立⇒失業中の若者に10ヶ月の研修
 *地域の若者や高齢者など、格差社会の影響を受けた人をケア。期間中有料、卒業後も職を保障
  「キューバではソーシャルワーカーが『魂の医師』と呼ばれ、お年寄りの娘や息子の役割を果たしている」
・政府は、社会問題を軽視していたが、実態は異なることを若者たちが実態調査し、直接政権指導部に報告。
 政府は事態に気づくと、すぐにソーシャル・ワーカーを緊急養成。例えばシングルマザーの支援など即開始。
・「万人のための大学」⇒TV放送で週394時間(全体の63%)もの放送実施「国家全体が一つの大学になる」
・(カストロ)「多くの人々はき養育の決定的な要素を金銭だと考える。だが違う。社会の教養水準こそが決定的」
 「革命後、教育制度を改革したが、この後でさえ、教養や文化水準の高い家庭ほど、よい学校に通い、最低限の所得や教育しか受けていない家庭出身の子供はよい学校に行けない。つまりこれは、何十年も継続するのだ」と、勝ち組・負け組が世代間で継承される問題の深刻さを指摘。選択肢を奪われている。←→日本の貧困
・犯罪は自己責任ではない。獄中にいるインテリ家庭出身者は2%以下。社会の教養が問題
 ⇒刑務所内に大学を設立し、出所するときは法学士になるなど、社会の役に立つ人間になっている。
 ←→米国 治安悪化の根本原因は格差社会への絶望だが、社会全体が寛容さを失い、犯罪者を片端から取り締まることで対応するのと対照的。

(ERIKO)

(ハンマー)


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