ベネズエラ・ラテンアメリカ短報No.4
( 2021年5月20日 )
(コロンビア要点)
・ 全国ストライキ委員会と政府の話し合いは合意に達することなく終了。全国的ストライキ闘争は3週間持続し継続。ドゥケの辞任を要求。 / 政府は人民の要求を無視し、軍と機動部隊による暴力的弾圧を強化。
・ ドゥケ政権は極右の前大統領ウリベの傀儡政権だと指摘されている。そのウリベは、ネオ・ファシストの理論を信奉し、強権弾圧を命じている。
・ 暴力的弾圧に対する国際的批判が国連も含めて高まっているが、政府はそれらを無視し続けている。その背景には米国の支援・支持がある。
(チリ要点)
・ 5月15~16日に新憲法制定会議の議員選出選挙と地方選挙(州知事、市長、地方議会議員)。当初4月11日に予定されていたが、COVID-19パンデミックのため延期されていた。政府与党・右翼が大敗。
・ 新憲法制定会議155議席は、新たな独立系の左翼・進歩勢力が48議席、共産党などの既成左翼が28議席、中道左派社民が25議席。それに対して右派連合が37議席。あと先住民枠17議席。計155議席。 / 79人の女性と76人の男性によって構成される(当初から半数は女性と定められていた)。平均年齢は45歳。
―― ―― ―― ―― ―― ――
(コロンビア)
Peoples Dispatch May 18, 2021 by Tanya Wadhwa
Colombian government ignores protesters’ demands and orders full deployment of police forces
(コロンビア政府、抗議者の要求を無視し警察部隊の全面的配備を命じる)
5月17日に開催された全国ストライキ委員会とコロンビア政府の代表者との会合は合意に達することなく終了した。多様な社会団体と労働組合が集まる全国ストライキ委員会は会議後に声明を発表し、イバン・ドゥケ大統領の極右政府が国内の社会的抗議に保証を与えることを拒否したと報告した。 ・・・
teleSUR Published 18 May 2021
2,300 Cases of Police Violence Against Protesters in Colombia
(コロンビア: 抗議者に対する警察の暴力2,300件)
非政府組織(NGO) Tembloresは、火曜日(5/18)、報告書を発表した。「4月28日から5月17日の間に、少なくとも2,387件の警察の暴力事件が発生し、その中で警察が犯したとされる43件の殺人事件を記録したことを裏付けることができた」と報告書は述べている。
teleSUR Published 18 May 2021
Colombia: Cali's Mayor Orders His Cabinet To Resign
(コロンビア: カリ市長、市のCabinetを辞職させる)
カリ市は、コロンビアでの最近の抗議行動の震源地となっていて、21日近く連続して道路封鎖が行われている。 / カリのホルヘ・オスピナ市長は、火曜日(5/18)、4月28日以来コロンビアを襲った全国ストライキの中で、彼のCabinetと地元のdirectorsの辞任を要求した。 / 日曜日(5/16)には、カリの警察長官フアン・カルロス・ロドリゲスは、デモ参加者に対する警察の残虐行為に対する国内外の批判の中で辞任した。
teleSUR Published 17 May 2021
Duque Orders Full Deployment of Police Forces, More Violence
(コロンビア: ドゥケ、警察部隊の完全配備といっそうの暴力を命じる)
コロンビア大統領は、デモ参加者との合意に至ることができず、人道に対する罪をめぐって政府が国際刑事裁判所に非難されても、警察の残虐行為を認めることを拒否している。 / イバン・ドゥケ大統領は、月曜日(5/17)、デモが20日目に入るときに、通りの障害物を除去するために治安部隊の完全な配備を命じた。人民は、反暴動機動部隊(ESMAD)と国軍によって行われた残虐行為を糾弾した。
teleSUR Published 17 May 2021
Colombia’s Workers’ Union Calls New Major March for Wednesday
(コロンビア: 労組は5月19日の新たな大規模抗議行動を呼びかけ)
teleSUR Published 17 May 2021
Colombian Government And Strike Committee Reach No Agreements
(コロンビア: 政府とストライキ委員会は何の合意にも達しない)
イバン・ドゥケ大統領の政権とストライキ委員会は、日曜日(5/16)、コロンビアが経験している危機の解決策を見つけるための合意に達しなかった。この月曜日(5/17)に14:00から再会する。 / ストライキ委員会は100以上の要求を提示した。そのうちの1つは、残虐行為に終止符を打つために陸軍と反暴動機動部隊(ESMAD)が通りから撤退するという要求である。これまでに41人の民間人が死亡した。
teleSUR Published 16 May 2021
Telesur President Highlights Anti-Uribe Sentiment in Colombia
(コロンビア: teleSURの長、コロンビアでの反ウリベ感情を強調)
コロンビアのジャーナリストでteleSURの長Patricia Villegasは、今日(5/16)カラカスでのインタビューで、彼女の国では、ウリベ主義に対する拒絶感が貧しい人民セクターと若者の間で大きく広がっていることを強調した。
teleSUR Published 16 May 2021
Colombians Demand Resignation of Defense Minister
(コロンビア: 人民は国防相の辞任を要求)
ラテン・アメリカの革命的大衆闘争 2021.05.17 Monday
コロンビア:ストライキ委員会が政府と交渉開始 http://latinpeople.jugem.jp/?eid=1653
2021年5月16日 teleSUR発
日曜日、コロンビアの全国ストライキ委員会はイバン・デューケ大統領の代表と会い、4月28日以来この国を揺るがしている大規模な抗議行動を終わらせることを目的として交渉を開始する。 / ・・・ / 委員会はデューケに抗議する権利の保証、路上からの軍隊の退去、ワクチン接種の加速、最低賃金の増額と国内生産の擁護を要請する。この会議の発表にもかかわらず、市民たちは土曜日夜も街頭に残り、警察の残虐行為に対する抗議を続けている。 / 「デューケは権力を去らなければならない。そうしてのみ、人民は最近数年間耐え忍んできたすべての苦難から回復する。ストライキは続く。」と活動家ビクトール・ビデスがツイートした。 / 5月10日、委員会は政府当局と3時間以上の会談を行った。しかし、合意には達しなかった。マルテスによれば、「政府は我々が全国ストライキをすることになった理由や要請に全く共感を示さなかった。」
Prensa Latina 2021.5.15
The cry of protest returns to the Colombian streets
(コロンビア: 抗議の叫びがコロンビアの通りに戻る)
いくつもの社会組織は、この土曜日(5/15)にコロンビアで最大のデモ行進を求めている。 / この土曜日(5/15)、コロンビア人は、また、女性の新たな動員を組織している。それは、全国ストライキの中で警察と反暴動機動部隊(Esmad)によって行使された性暴力の停止を要求する。 / デモ参加者――女性、男性、学生、先住民、農民、政治家、知識人、学者、労働者など――は、軍事化の停止、Esmadの解体、警察の改革、新自由主義的方策の撤回を要求する。
MRonline Posted May 14, 2021 by Dan Cohen
Meet the Neo-Nazi advising Colombian police on how to break the National Strike
(コロンビア警察にゼネストを破る方法を助言するネオナチに出会う)
【冒頭】 コロンビアはストライキ中である。そして、警察と軍隊はそれを粉砕するために人民をテロで脅迫している。 / 極右のイバン・ドゥケ大統領が、中産階級と貧困者に壊滅的な緊縮財政措置を課す非常に不人気な税制改革を発表したとき、ストライキは始まった。ドゥケの提案は、安定性を計画して国際投資家たちを満足させるために、債務を返済することを目的としていた。しかし、国際資本にとっての安定性は、食糧を食卓に出すのに苦労している何千万人ものコロンビア人にとっては、いっそう不安定であることを意味する。 / この国はすでに悲惨な経済的苦境にある。コロンビア人の43%が貧困状態にあり、15%が極度の貧困状態にある。このすべてが、COVID-19パンデミックの間に悪化した。 / しかし、税制改革案が引き金となって、深く蓄積してきた不満が爆発した。これまでに、6,402人の無実の民間人が軍と準軍組織によって殺害され、その後隠蔽された。「偽陽性(False Positives)」スキャンダルとして知られている不法な策謀がおこなわれた。FARCとして知られる左翼ゲリラ・グループとの内戦を終結させた2016年の平和協定を守らず、ドゥケ政府は、社会的指導者、先住民族の指導者、人権擁護家、元FARC戦闘員を絶滅させようと攻撃している。COVID19パンデミックの取り扱いを誤った。完全な腐敗と不処罰が横行している。
【(以下の小見出し)ネオナチがコロンビア軍に助言する / コロンビア警察の超暴力
/ ドゥケ、ウリベと麻薬国家 / ドゥケは完全な軍事化を命じる / 準軍組織が抗議者を攻撃する / 警察は準軍組織を支援する】 【後に全訳】
Prensa Latina 2021.5.14
Colombia to denounce police violence against women
(コロンビア: 女性に対する警察の暴力を糾弾)
女性、母親、異なるセクターのグループは、Allison Lizeth Salazar Miranda(17歳)が警察官によって暴行されたことを糾弾する。 / 複数の報道によると、警察官の娘である若い女性は、5月12日の夜、首都南西部のポパヤンで逮捕され、その後、「反暴動機動部隊」(Esmad)の4人のエージェントによって虐待された。 / 昨日、彼女は死体で発見された。異なるメディアの報道によると、彼女は自殺した。ソーシャル・ネットワークでは、コロンビア社会に衝撃を与えているこの暴力行為に対する拒絶の表現が増えつつある。
ラテン・アメリカの革命的大衆闘争 2021.05.15 Saturday
コロンビア:国連など人権専門家が警察の残虐行為の調査を要請
teleSUR Published 13 May 2021
Colombia: Foreign Minister Claudia Blum Submits Her Resignation
(コロンビア: Claudia Blum外相、辞表を提出)
今回の抗議行動の中での閣僚辞任は財務相に次いで2人目。
ラテン・アメリカの革命的大衆闘争 2021.05.14 Friday
コロンビア:15日連続の抗議行動 http://latinpeople.jugem.jp/?eid=1650
コロンビア警察がボゴタとポパジャンで抗議行動を弾圧
(チリ)
teleSUR Published 18 May 2021
Chilean Constitution to Be Drafted by Young Politicians
(チリの新憲法は若い政治家たちによって起草される)
大統領権限を減らすことに加えて、自国を多国籍国家として宣言することに意見が一致する。 / 5月の選挙に伴うチリの憲法制定議会(CC)は、79人の女性と76人の男性によって構成される。平均年齢は45歳。
Peoples Dispatch May 17, 2021 by Tanya Wadhwa
Progressive forces win majority of seats in Chile’s Constitutional Convention
(チリの憲法制定会議、進歩勢力が多数を獲得)
5月15日と16日、600万人以上のチリ人が投票に参加し、同国の新憲法を書く機関である憲法制定会議の155人のメンバーを選出した。昨夜遅く、チリの選挙サービス(SERVEL)は予備的な結果を発表し、独立した左翼勢力は勝利を得て、憲法条約の過半数の議席を獲得した。一方、憲法の書き込みプロセスで社会改革を阻止すると誓い、新憲法に明示的に反対した右派勢力は大敗を喫した。 / 99.13%の票がカウントされた段階で、2019年10月の社会蜂起の際に出現したさまざまな社会運動、労働組合、その他の人民団体の独立した候補者が48議席を獲得した。チリ共産党、ブロード・フロント、他の反新自由主義党などの左派政党で構成される「私は尊厳を承認する(I Approve Dignity)」リストが28議席を獲得。中道左派の社会民主党で構成される「承認Approval」リストは25議席。与党同盟を含む右派政党連合の「チリのために行こうLet’s go for Chile」リストは37議席。憲法制定会議で先住民コミュニティのために予約された17議席の結果は今週後半に。
【新たな独立系の左翼・進歩勢力が48議席、共産党などの既成左翼が28議席、中道左派社民が25議席。それに対して右派連合が37議席。あと先住民17議席。計155議席。】
16の地方知事、345人の市長、2,240人の市議会議員を選出するために地方選挙と市議選も行われた。これらの選挙の最終的な結果は週末まで分かないだろう。
teleSUR Published 17 May 2021
Chile Election: A Huge Step Forward for Anti-Neoliberal Forces
(チリ選挙: 反新自由主義勢力にとっての巨大な前進)
Prensa Latina 2021.5.17
Chilean President acknowledges the right´s defeat in elections
(チリ: 大統領、選挙での右翼の敗北を認める)
Prensa Latina 2021.5.17
Opposition and independents win, ruling party sinks in Chile
(チリ: 野党と独立系が勝利し、与党は沈む)
右派政党は、独立政党と左派政党が勝利を収めた週末(5/15-16)のメガ選挙で大きな打撃を受けた。 / 憲法制定議会選挙では、統一リストを提示した右翼が、選挙前の予測であった155議席の3分の1獲得からはほど遠い。 / この結果は、2019年10月18日の社会的爆発後に何百万人ものチリ人が路上で要求した深い変化を反映する新憲法の可能性を開く。 / 国内で2番目に重要なValparaíso regionは左派の砦となる。著名な社会的指導者Rodrigo Mundacaが大差でバルパライソ州知事に選出された。さらにBroad FrontのJorge Charpが州都バルパライソ市の市長に再選された。また、同州の右翼の伝統的な支配地域Villa del Mar市でもBroad Frontが勝利。 / 首都では、予想通り、共産党の大統領候補、ダミエル・ジャデューが64%以上の票を得て市長に再選された。 / 多くのポジションで大きな勝者は独立した候補者だった。
teleSUR Published 16 May 2021
Chile: Left, Independent Forces Win Majority of Constituents
(チリ: 左派・独立勢力が制憲議会の多数を獲得)
チリ選挙管理局(Servel)によると、チリの右翼「Vamos por Chile」のリストは制憲会議155議席のうち36議席しか獲得できず、重大な敗北を被った。 / チリ共産党「Broad Front Apruebo Dignidad」28議席。中道左派「Apruebo」24議席。「Del Pueblo」21議席。「Nueva Constitución」9議席。先住民枠17議席。他の独立系諸政党15議席。【まだすべてではない。】 / この結果は、チリの左派と反新自由主義勢力にとって大きな勝利であり、同国の新憲法を起草し、その指導原則と社会経済モデルに大きな変化を取り入れるプロセスに明示的に反対している政府と右派政党にとって大きな挫折である。【右翼は3分の1確保を目指していたという。】
teleSUR Published 16 May 2021
Chile Mega-Elections: Polls Officially Close at 6 PM Local Time
(チリのメガ選挙: 現地時間午後6時に投票終了)
投票率が低い2日間にもかかわらず、何百万人ものチリ人が新憲法を起草する制定会議の155人のメンバー、16人の知事、345人の市長、2,252人の評議員の投票をおこなった。投票は現地時間の午後6時に終了した。
【初日の投票率は推定20%。チリの選挙投票率は伝統的に低い。】
teleSUR Published 16 May 2021
Live Updates: Right-Wing Faces Debacle in Chile, Left Celebrates
(チリ選挙アップデート: 右翼は総崩れに直面し、左翼は祝う)
23: 15 ― レコレタ市長で共産党の大統領候補ダニエル・ジャデューは、「チリの可能性を代表できる誇りもあると感じさせる」と大きな票を獲得した。ジャデューは66.31%の票でレコレタ市長として再選された(対立候補は20.59%)。 ・・・
teleSUR Published 16 May 2021
Enhancing Gender Rights at Stake in Chilean Elections
(チリ: ジェンダーの権利が選挙で問題になっている)
選挙は、チリ人が独裁政権から受け継いだ新自由主義国家を解体することによって、より公平な社会経済モデルを形作る可能性を開く。 / 約1,500万人がチリ史上初の完全民主的憲法であるチリの新憲法を起草する155人の代表者を選出する。
Workers World May 11, 2021 BY W. T. WHITNEY JR.
Daniel Jadue, the Communist mayor determined to end Chile’s neoliberal nightmare
(チリ: 共産党市長Daniel Jadue、新自由主義の悪夢を終わらせる決意)
【Daniel Jadueのサイト: http://www.danieljadue.cl/web/】
チリの労働者および周縁に追いやられた人々は、今や数十年の政治的悲しみからの救済の可能性を見ることができる。新しい憲法が作り出される過程にある。そして、サンティアゴ州北部のコミューンであるレコレタ市の市長として驚くほど進歩的なプログラムの作者Daniel Jadueは、大統領候補である。選挙は2021年11月21日に行われる。 ・・・
―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ――
MRonline Posted May 14, 2021 by Dan Cohen
Meet the Neo-Nazi advising Colombian police on how to break the National Strike
(コロンビア警察にゼネストを破る方法を助言するネオナチに出会う)
【全訳】
コロンビアはストライキ中である。そして、警察と軍隊はそれを粉砕するために人民をテロで脅迫している。
極右のイバン・ドゥケ大統領が、中産階級と貧困者に壊滅的な緊縮財政措置を課す非常に不人気な税制改革を発表したとき、ストライキは始まった。ドゥケの提案は、安定性を計画して国際投資家たちを満足させるために、債務を返済することを目的としていた。しかし、国際資本にとっての安定性は、食糧を食卓に出すのに苦労している何千万人ものコロンビア人にとっては、いっそう不安定であることを意味する。
この国はすでに悲惨な経済的苦境にある。コロンビア人の43%が貧困状態にあり、15%が極度の貧困状態にある。このすべてが、COVID-19パンデミックの間に悪化した。
しかし、税制改革案が引き金となって、深く蓄積してきた不満が爆発した。これまでに、6,402人の無実の民間人が軍と準軍組織によって殺害され、その後隠蔽された。「偽陽性(False Positives)」スキャンダルとして知られている不法な策謀がおこなわれた。FARCとして知られる左翼ゲリラ・グループとの内戦を終結させた2016年の平和協定を守らず、ドゥケ政府は、社会的指導者、先住民族の指導者、人権擁護家、元FARC戦闘員を絶滅させようと攻撃している。COVID19パンデミックの取り扱いを誤った。完全な腐敗と不処罰が横行している。
ネオナチがコロンビア軍に助言する
このフラストレーションは、すべて水面下で泡立っていた。そして、ドゥケの緊縮財政の提案は社会を沸騰させた。
この不安に直面して、表向きは民主主義とされているコロンビア政府は、ますます極右のファシスト的独裁政権のように行動している。それは誇張ではなく、コロンビアの警察が抗議をどのように理解しているかということについての、知的枠組みを提供した人物がいるのである。その名前はアレクシス・ロペス・タピア。彼は、現在は解散しているチリのネオファシスト党「New Homeland Society」の元リーダーである。
2月、彼はコロンビア軍に招待され、蜂起を打ち負かす方法についてプレゼンテーションをおこなった。「散在分子革命(Dissipated Molecular Revolution)」と呼ばれる擬似的知的枠組み(pseudo-intellectual framework)について説明した。彼は、ポストモダンの枠組みでラテンアメリカを乗っ取るために、過去30年以上にわたって起こってきた大陸間の「共産主義の陰謀」について説明している。それは、抗議者、異種の社会運動や先住民運動、武装集団、人権NGO、市民社会で国の政治に異議を唱える人などをひとまとめにして、破壊的な陰謀をおこなおうとしているがそのための軍隊がまだ完全に準備できていないものととらえる。
これは並の視聴者には風変わりな陰謀説のように聞こえるかもしれないが、コロンビアで最も強力な人物、アルバロ・ウリベ前大統領が共鳴した。ウリベは、ネオファシストのアレクシス・ロペスの「散在分子革命」理論をツイッターで参照した。ウリベは、コロンビアでの大殺戮の立案者・黒幕である。彼は、現在の大統領イバン・ドゥケを操るマスターであることが広く知られており、抗議者を殴り殺すようにという命令を与えている。
コロンビア警察の超暴力
警官は抗議者を追いかけ、そして至近距離で狙いを定めて撃つ。今回の抗議が起こった最初の日の後、ウリベは、「誠実さを守る」ために武器を使うよう、警察と兵士に呼びかけるツイートを送った。
数時間後、大規模なオンライン・キャンペーンの後、Twitterは、それが暴力への明らかな煽動であるため、ウリベのそのツイートを削除した。しかし、それは遅すぎた。コロンビア軍は、ウリベのツイートを青信号=殺害の許可として明確に理解した。そして、軍はまさにそれを実行した。警察は、抗議の中心地であったカリ市で7人を虐殺した。
ドゥケ、ウリベと麻薬国家
米国は、「プラン・コロンビア」として知られているものの一部として、ヘリコプターを無料でコロンビアに提供した。「プラン・コロンビア」は、表面上は麻薬密売人との闘いに関するものだが、実際には左翼のFARCを打ち負かし農村部での農民による支援基盤を罰することを目的とした、対反乱軍作戦の大規模な軍事援助パッケージである。
2016年、FARCと政府は和平協定を結んだため、少数の参加拒否の人々を除けば、戦闘組織FARCは今は存在しない。
一方、コロンビアからは、かつてよりも多くのコカインが出てきており、国際的な麻薬カルテルはこれまで以上に強力である。彼らは、国家、警察、軍隊のほぼすべての側面を管理している。どうしてそれがわかるのか。ホセ・エルナンデス・アポンテ、別名「エル・ニェーニェ」という名の強力な麻薬密売人が、盗んだお金を使ってドゥケ大統領の票を買うキャンペーンをコーディネイトしたのである。これはアルバロ・ウリベによって命じられた。そして、法制度はドゥケとウリベの管理下にあるため、これについてドゥケを告発したことは一度もない。
ニェーニェは、軍や警察のトップの人物たちとも親密だった。麻薬カルテルと闘っているということになっている、その同じ国家権力の人々である。これは公開されている情報である。だから、たとえ企業所有のメディアがそれを無視したとしても、米国政府はそれを知っている。
ドゥケは完全な軍事化を命じる
コロンビアは民主主義を装った麻薬国家である。しかし、抗議行動に対する超暴力的な取り締まりで、「民主的な」見せかけを脱ぎ捨てている。
全国での4日間の大衆動員の後、ドゥケは提案の撤回を発表したが、別の提案が数日中に発表されると述べた。抗議者をなだめるための明確な試みであるが、それは失敗した。その発表から数時間後、ドゥケは軍隊を街頭に送り込むと宣言した。
「われわれの軍隊は、都市環境で行動するように訓練され、国家警察の仕事を支援している」と、彼は宣言した。ドゥケのそばには、軍司令官エンリケ・サパテイロがいた。彼は、無実の民間人の殺害と隠蔽に関与した強硬派で、軍の最も極端な右翼要素の中にいて、ウリベの道具として知られている。
「私の友人の一人は、精神科医であり、サパテイロにインタビューしなければならなかったのだが、かつて彼は精神病であり精神的な問題を抱えていると私に言った」と、ジャーナリストのアベルダロ・ゴメス・モリーナはコメントした。「実のところ、彼がウリベの道具であるために厄介です。彼の考え方にはある程度アンバランスなところが見えます。だから私たちは、最悪の事態しか彼から期待することができません。」
その後すぐ、警察と軍はさらに2人の抗議者を殺害した。抗議行動が最大だったカリ市では、警察がニコラス・ゲレロという若い抗議者の頭を撃った。人気のあるコロンビアのDJが抗議活動のライブス報告を流していたためゲレロが血を流して死ぬのを約70,000人が見た。そのDJが語ったことには、彼の電話、インスタグラム、フェイスブックの報告がハッキングされ、彼の友人や家族が彼の居場所を尋ねる奇妙な電話をかけられ、彼はカリから逃げることを余儀なくされたという。
準軍組織が抗議者を攻撃する
抗議者が虐殺されていたとき、抗議のもうひとつの中心であるペレイラ市で、カルロス・マヤ市長は軍および警察と協力するように民間警備隊に呼びかけた。「すべてのビジネス・グループと民間の治安部隊に、警察と軍隊との統一戦線をつくり出して秩序と市民の安全を再確立するよう呼びかける」と、マヤ市長は発表した。
これは、街頭に出るようにという準軍組織に対する暗黙の呼びかけであると、中央労働者連合の職員であるリナ・マリア・モンティージャ・ディアスは説明する。「私たちは準軍組織という問題を抱えている。このようなタイプの宣言で、準軍組織に活動を始めるように、また彼らの隊列を強化するように促している」と、彼女は私に言った。
その間、ナンバープレートが隠された車と高いゴム長靴を履いた男性(準軍組織活動の明らかな兆候)が現れ始めた。左翼の「Alternative Democratic Pole」党の本部の外に死んだ鶏がおかれた。紛れもない死の脅迫である。実態のよくわからない陰気なグループが、抗議者に対する明白な脅迫を広め始めた。
ペリエラ市長が民間警備員に市をコントロールするよう呼びかけた数日後、私服の銃撃者が車を横づけにし、大学生でヨガの教師であるルーカス・ヴィラに発砲した。ヴィラは抗議行動で非常に目立つ人物であった。明らかに彼の活動が標的にされていた。
「それは税の赤字で、金持ち、中産階級、そして貧しい人々から取られる。私たちは騙されやすいので、水、インターネット、コーヒー、電話サービスなどにいっそう多くのお金を払わなければならなくなるでしょう」と、彼は公共バスの中で人々に説明した。
この記事の時点で、34人が殺されたと報告されている。しかし、それは確実に実際の数を下回っている。コロンビアのジャーナリスト、ラウラ・ソフィア・メヒアによると、政府は実数を隠しているという。
「重要なことですが、殺された人の数に関する情報を入手しようとして、ある夜に諸機関のひとつとコンタクトをとったとき、当局から、オフレコで、報道機関に情報を公開しないようにと言われた」と、彼女は述べた。
警察は準軍組織を支援する
ストライキの期間を通じて、ドゥケ政府は、平和的な抗議を許可している、破壊者やテロリストと戦うために軍事化が必要である、と主張してきた。恐怖を生み出すこと、その高圧的な態度を答えとして描き出すことが、ストライキを鎮圧するときの政府の唯一の可能性であるようにみえる。「破壊者とテロリスト」の物語は最初から嘘なのは明らかだったが、民間人の服を着た男性のグループが、カリで車から降りてデモ隊に発砲したとき、すべてが崩壊した。
近くにいた他のデモ参加者がなんとかその車を探し出し、その中に警察の装備を見つけた。血だらけの手をとらえられて、警察は、その車が自分たちのものであることを認めざるを得なかった。
彼らの恐ろしい戦術が失敗し、ドゥケとウリベの殺人的な鉄の拳はストライキを破ることができなかったので、これからどうなるのかわからない。何でも起こる可能性がある。
(以上)
( 2021年5月20日 )
(コロンビア要点)
・ 全国ストライキ委員会と政府の話し合いは合意に達することなく終了。全国的ストライキ闘争は3週間持続し継続。ドゥケの辞任を要求。 / 政府は人民の要求を無視し、軍と機動部隊による暴力的弾圧を強化。
・ ドゥケ政権は極右の前大統領ウリベの傀儡政権だと指摘されている。そのウリベは、ネオ・ファシストの理論を信奉し、強権弾圧を命じている。
・ 暴力的弾圧に対する国際的批判が国連も含めて高まっているが、政府はそれらを無視し続けている。その背景には米国の支援・支持がある。
(チリ要点)
・ 5月15~16日に新憲法制定会議の議員選出選挙と地方選挙(州知事、市長、地方議会議員)。当初4月11日に予定されていたが、COVID-19パンデミックのため延期されていた。政府与党・右翼が大敗。
・ 新憲法制定会議155議席は、新たな独立系の左翼・進歩勢力が48議席、共産党などの既成左翼が28議席、中道左派社民が25議席。それに対して右派連合が37議席。あと先住民枠17議席。計155議席。 / 79人の女性と76人の男性によって構成される(当初から半数は女性と定められていた)。平均年齢は45歳。
―― ―― ―― ―― ―― ――
(コロンビア)
Peoples Dispatch May 18, 2021 by Tanya Wadhwa
Colombian government ignores protesters’ demands and orders full deployment of police forces
(コロンビア政府、抗議者の要求を無視し警察部隊の全面的配備を命じる)
5月17日に開催された全国ストライキ委員会とコロンビア政府の代表者との会合は合意に達することなく終了した。多様な社会団体と労働組合が集まる全国ストライキ委員会は会議後に声明を発表し、イバン・ドゥケ大統領の極右政府が国内の社会的抗議に保証を与えることを拒否したと報告した。 ・・・
teleSUR Published 18 May 2021
2,300 Cases of Police Violence Against Protesters in Colombia
(コロンビア: 抗議者に対する警察の暴力2,300件)
非政府組織(NGO) Tembloresは、火曜日(5/18)、報告書を発表した。「4月28日から5月17日の間に、少なくとも2,387件の警察の暴力事件が発生し、その中で警察が犯したとされる43件の殺人事件を記録したことを裏付けることができた」と報告書は述べている。
teleSUR Published 18 May 2021
Colombia: Cali's Mayor Orders His Cabinet To Resign
(コロンビア: カリ市長、市のCabinetを辞職させる)
カリ市は、コロンビアでの最近の抗議行動の震源地となっていて、21日近く連続して道路封鎖が行われている。 / カリのホルヘ・オスピナ市長は、火曜日(5/18)、4月28日以来コロンビアを襲った全国ストライキの中で、彼のCabinetと地元のdirectorsの辞任を要求した。 / 日曜日(5/16)には、カリの警察長官フアン・カルロス・ロドリゲスは、デモ参加者に対する警察の残虐行為に対する国内外の批判の中で辞任した。
teleSUR Published 17 May 2021
Duque Orders Full Deployment of Police Forces, More Violence
(コロンビア: ドゥケ、警察部隊の完全配備といっそうの暴力を命じる)
コロンビア大統領は、デモ参加者との合意に至ることができず、人道に対する罪をめぐって政府が国際刑事裁判所に非難されても、警察の残虐行為を認めることを拒否している。 / イバン・ドゥケ大統領は、月曜日(5/17)、デモが20日目に入るときに、通りの障害物を除去するために治安部隊の完全な配備を命じた。人民は、反暴動機動部隊(ESMAD)と国軍によって行われた残虐行為を糾弾した。
teleSUR Published 17 May 2021
Colombia’s Workers’ Union Calls New Major March for Wednesday
(コロンビア: 労組は5月19日の新たな大規模抗議行動を呼びかけ)
teleSUR Published 17 May 2021
Colombian Government And Strike Committee Reach No Agreements
(コロンビア: 政府とストライキ委員会は何の合意にも達しない)
イバン・ドゥケ大統領の政権とストライキ委員会は、日曜日(5/16)、コロンビアが経験している危機の解決策を見つけるための合意に達しなかった。この月曜日(5/17)に14:00から再会する。 / ストライキ委員会は100以上の要求を提示した。そのうちの1つは、残虐行為に終止符を打つために陸軍と反暴動機動部隊(ESMAD)が通りから撤退するという要求である。これまでに41人の民間人が死亡した。
teleSUR Published 16 May 2021
Telesur President Highlights Anti-Uribe Sentiment in Colombia
(コロンビア: teleSURの長、コロンビアでの反ウリベ感情を強調)
コロンビアのジャーナリストでteleSURの長Patricia Villegasは、今日(5/16)カラカスでのインタビューで、彼女の国では、ウリベ主義に対する拒絶感が貧しい人民セクターと若者の間で大きく広がっていることを強調した。
teleSUR Published 16 May 2021
Colombians Demand Resignation of Defense Minister
(コロンビア: 人民は国防相の辞任を要求)
ラテン・アメリカの革命的大衆闘争 2021.05.17 Monday
コロンビア:ストライキ委員会が政府と交渉開始 http://latinpeople.jugem.jp/?eid=1653
2021年5月16日 teleSUR発
日曜日、コロンビアの全国ストライキ委員会はイバン・デューケ大統領の代表と会い、4月28日以来この国を揺るがしている大規模な抗議行動を終わらせることを目的として交渉を開始する。 / ・・・ / 委員会はデューケに抗議する権利の保証、路上からの軍隊の退去、ワクチン接種の加速、最低賃金の増額と国内生産の擁護を要請する。この会議の発表にもかかわらず、市民たちは土曜日夜も街頭に残り、警察の残虐行為に対する抗議を続けている。 / 「デューケは権力を去らなければならない。そうしてのみ、人民は最近数年間耐え忍んできたすべての苦難から回復する。ストライキは続く。」と活動家ビクトール・ビデスがツイートした。 / 5月10日、委員会は政府当局と3時間以上の会談を行った。しかし、合意には達しなかった。マルテスによれば、「政府は我々が全国ストライキをすることになった理由や要請に全く共感を示さなかった。」
Prensa Latina 2021.5.15
The cry of protest returns to the Colombian streets
(コロンビア: 抗議の叫びがコロンビアの通りに戻る)
いくつもの社会組織は、この土曜日(5/15)にコロンビアで最大のデモ行進を求めている。 / この土曜日(5/15)、コロンビア人は、また、女性の新たな動員を組織している。それは、全国ストライキの中で警察と反暴動機動部隊(Esmad)によって行使された性暴力の停止を要求する。 / デモ参加者――女性、男性、学生、先住民、農民、政治家、知識人、学者、労働者など――は、軍事化の停止、Esmadの解体、警察の改革、新自由主義的方策の撤回を要求する。
MRonline Posted May 14, 2021 by Dan Cohen
Meet the Neo-Nazi advising Colombian police on how to break the National Strike
(コロンビア警察にゼネストを破る方法を助言するネオナチに出会う)
【冒頭】 コロンビアはストライキ中である。そして、警察と軍隊はそれを粉砕するために人民をテロで脅迫している。 / 極右のイバン・ドゥケ大統領が、中産階級と貧困者に壊滅的な緊縮財政措置を課す非常に不人気な税制改革を発表したとき、ストライキは始まった。ドゥケの提案は、安定性を計画して国際投資家たちを満足させるために、債務を返済することを目的としていた。しかし、国際資本にとっての安定性は、食糧を食卓に出すのに苦労している何千万人ものコロンビア人にとっては、いっそう不安定であることを意味する。 / この国はすでに悲惨な経済的苦境にある。コロンビア人の43%が貧困状態にあり、15%が極度の貧困状態にある。このすべてが、COVID-19パンデミックの間に悪化した。 / しかし、税制改革案が引き金となって、深く蓄積してきた不満が爆発した。これまでに、6,402人の無実の民間人が軍と準軍組織によって殺害され、その後隠蔽された。「偽陽性(False Positives)」スキャンダルとして知られている不法な策謀がおこなわれた。FARCとして知られる左翼ゲリラ・グループとの内戦を終結させた2016年の平和協定を守らず、ドゥケ政府は、社会的指導者、先住民族の指導者、人権擁護家、元FARC戦闘員を絶滅させようと攻撃している。COVID19パンデミックの取り扱いを誤った。完全な腐敗と不処罰が横行している。
【(以下の小見出し)ネオナチがコロンビア軍に助言する / コロンビア警察の超暴力
/ ドゥケ、ウリベと麻薬国家 / ドゥケは完全な軍事化を命じる / 準軍組織が抗議者を攻撃する / 警察は準軍組織を支援する】 【後に全訳】
Prensa Latina 2021.5.14
Colombia to denounce police violence against women
(コロンビア: 女性に対する警察の暴力を糾弾)
女性、母親、異なるセクターのグループは、Allison Lizeth Salazar Miranda(17歳)が警察官によって暴行されたことを糾弾する。 / 複数の報道によると、警察官の娘である若い女性は、5月12日の夜、首都南西部のポパヤンで逮捕され、その後、「反暴動機動部隊」(Esmad)の4人のエージェントによって虐待された。 / 昨日、彼女は死体で発見された。異なるメディアの報道によると、彼女は自殺した。ソーシャル・ネットワークでは、コロンビア社会に衝撃を与えているこの暴力行為に対する拒絶の表現が増えつつある。
ラテン・アメリカの革命的大衆闘争 2021.05.15 Saturday
コロンビア:国連など人権専門家が警察の残虐行為の調査を要請
teleSUR Published 13 May 2021
Colombia: Foreign Minister Claudia Blum Submits Her Resignation
(コロンビア: Claudia Blum外相、辞表を提出)
今回の抗議行動の中での閣僚辞任は財務相に次いで2人目。
ラテン・アメリカの革命的大衆闘争 2021.05.14 Friday
コロンビア:15日連続の抗議行動 http://latinpeople.jugem.jp/?eid=1650
コロンビア警察がボゴタとポパジャンで抗議行動を弾圧
(チリ)
teleSUR Published 18 May 2021
Chilean Constitution to Be Drafted by Young Politicians
(チリの新憲法は若い政治家たちによって起草される)
大統領権限を減らすことに加えて、自国を多国籍国家として宣言することに意見が一致する。 / 5月の選挙に伴うチリの憲法制定議会(CC)は、79人の女性と76人の男性によって構成される。平均年齢は45歳。
Peoples Dispatch May 17, 2021 by Tanya Wadhwa
Progressive forces win majority of seats in Chile’s Constitutional Convention
(チリの憲法制定会議、進歩勢力が多数を獲得)
5月15日と16日、600万人以上のチリ人が投票に参加し、同国の新憲法を書く機関である憲法制定会議の155人のメンバーを選出した。昨夜遅く、チリの選挙サービス(SERVEL)は予備的な結果を発表し、独立した左翼勢力は勝利を得て、憲法条約の過半数の議席を獲得した。一方、憲法の書き込みプロセスで社会改革を阻止すると誓い、新憲法に明示的に反対した右派勢力は大敗を喫した。 / 99.13%の票がカウントされた段階で、2019年10月の社会蜂起の際に出現したさまざまな社会運動、労働組合、その他の人民団体の独立した候補者が48議席を獲得した。チリ共産党、ブロード・フロント、他の反新自由主義党などの左派政党で構成される「私は尊厳を承認する(I Approve Dignity)」リストが28議席を獲得。中道左派の社会民主党で構成される「承認Approval」リストは25議席。与党同盟を含む右派政党連合の「チリのために行こうLet’s go for Chile」リストは37議席。憲法制定会議で先住民コミュニティのために予約された17議席の結果は今週後半に。
【新たな独立系の左翼・進歩勢力が48議席、共産党などの既成左翼が28議席、中道左派社民が25議席。それに対して右派連合が37議席。あと先住民17議席。計155議席。】
16の地方知事、345人の市長、2,240人の市議会議員を選出するために地方選挙と市議選も行われた。これらの選挙の最終的な結果は週末まで分かないだろう。
teleSUR Published 17 May 2021
Chile Election: A Huge Step Forward for Anti-Neoliberal Forces
(チリ選挙: 反新自由主義勢力にとっての巨大な前進)
Prensa Latina 2021.5.17
Chilean President acknowledges the right´s defeat in elections
(チリ: 大統領、選挙での右翼の敗北を認める)
Prensa Latina 2021.5.17
Opposition and independents win, ruling party sinks in Chile
(チリ: 野党と独立系が勝利し、与党は沈む)
右派政党は、独立政党と左派政党が勝利を収めた週末(5/15-16)のメガ選挙で大きな打撃を受けた。 / 憲法制定議会選挙では、統一リストを提示した右翼が、選挙前の予測であった155議席の3分の1獲得からはほど遠い。 / この結果は、2019年10月18日の社会的爆発後に何百万人ものチリ人が路上で要求した深い変化を反映する新憲法の可能性を開く。 / 国内で2番目に重要なValparaíso regionは左派の砦となる。著名な社会的指導者Rodrigo Mundacaが大差でバルパライソ州知事に選出された。さらにBroad FrontのJorge Charpが州都バルパライソ市の市長に再選された。また、同州の右翼の伝統的な支配地域Villa del Mar市でもBroad Frontが勝利。 / 首都では、予想通り、共産党の大統領候補、ダミエル・ジャデューが64%以上の票を得て市長に再選された。 / 多くのポジションで大きな勝者は独立した候補者だった。
teleSUR Published 16 May 2021
Chile: Left, Independent Forces Win Majority of Constituents
(チリ: 左派・独立勢力が制憲議会の多数を獲得)
チリ選挙管理局(Servel)によると、チリの右翼「Vamos por Chile」のリストは制憲会議155議席のうち36議席しか獲得できず、重大な敗北を被った。 / チリ共産党「Broad Front Apruebo Dignidad」28議席。中道左派「Apruebo」24議席。「Del Pueblo」21議席。「Nueva Constitución」9議席。先住民枠17議席。他の独立系諸政党15議席。【まだすべてではない。】 / この結果は、チリの左派と反新自由主義勢力にとって大きな勝利であり、同国の新憲法を起草し、その指導原則と社会経済モデルに大きな変化を取り入れるプロセスに明示的に反対している政府と右派政党にとって大きな挫折である。【右翼は3分の1確保を目指していたという。】
teleSUR Published 16 May 2021
Chile Mega-Elections: Polls Officially Close at 6 PM Local Time
(チリのメガ選挙: 現地時間午後6時に投票終了)
投票率が低い2日間にもかかわらず、何百万人ものチリ人が新憲法を起草する制定会議の155人のメンバー、16人の知事、345人の市長、2,252人の評議員の投票をおこなった。投票は現地時間の午後6時に終了した。
【初日の投票率は推定20%。チリの選挙投票率は伝統的に低い。】
teleSUR Published 16 May 2021
Live Updates: Right-Wing Faces Debacle in Chile, Left Celebrates
(チリ選挙アップデート: 右翼は総崩れに直面し、左翼は祝う)
23: 15 ― レコレタ市長で共産党の大統領候補ダニエル・ジャデューは、「チリの可能性を代表できる誇りもあると感じさせる」と大きな票を獲得した。ジャデューは66.31%の票でレコレタ市長として再選された(対立候補は20.59%)。 ・・・
teleSUR Published 16 May 2021
Enhancing Gender Rights at Stake in Chilean Elections
(チリ: ジェンダーの権利が選挙で問題になっている)
選挙は、チリ人が独裁政権から受け継いだ新自由主義国家を解体することによって、より公平な社会経済モデルを形作る可能性を開く。 / 約1,500万人がチリ史上初の完全民主的憲法であるチリの新憲法を起草する155人の代表者を選出する。
Workers World May 11, 2021 BY W. T. WHITNEY JR.
Daniel Jadue, the Communist mayor determined to end Chile’s neoliberal nightmare
(チリ: 共産党市長Daniel Jadue、新自由主義の悪夢を終わらせる決意)
【Daniel Jadueのサイト: http://www.danieljadue.cl/web/】
チリの労働者および周縁に追いやられた人々は、今や数十年の政治的悲しみからの救済の可能性を見ることができる。新しい憲法が作り出される過程にある。そして、サンティアゴ州北部のコミューンであるレコレタ市の市長として驚くほど進歩的なプログラムの作者Daniel Jadueは、大統領候補である。選挙は2021年11月21日に行われる。 ・・・
―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ――
MRonline Posted May 14, 2021 by Dan Cohen
Meet the Neo-Nazi advising Colombian police on how to break the National Strike
(コロンビア警察にゼネストを破る方法を助言するネオナチに出会う)
【全訳】
コロンビアはストライキ中である。そして、警察と軍隊はそれを粉砕するために人民をテロで脅迫している。
極右のイバン・ドゥケ大統領が、中産階級と貧困者に壊滅的な緊縮財政措置を課す非常に不人気な税制改革を発表したとき、ストライキは始まった。ドゥケの提案は、安定性を計画して国際投資家たちを満足させるために、債務を返済することを目的としていた。しかし、国際資本にとっての安定性は、食糧を食卓に出すのに苦労している何千万人ものコロンビア人にとっては、いっそう不安定であることを意味する。
この国はすでに悲惨な経済的苦境にある。コロンビア人の43%が貧困状態にあり、15%が極度の貧困状態にある。このすべてが、COVID-19パンデミックの間に悪化した。
しかし、税制改革案が引き金となって、深く蓄積してきた不満が爆発した。これまでに、6,402人の無実の民間人が軍と準軍組織によって殺害され、その後隠蔽された。「偽陽性(False Positives)」スキャンダルとして知られている不法な策謀がおこなわれた。FARCとして知られる左翼ゲリラ・グループとの内戦を終結させた2016年の平和協定を守らず、ドゥケ政府は、社会的指導者、先住民族の指導者、人権擁護家、元FARC戦闘員を絶滅させようと攻撃している。COVID19パンデミックの取り扱いを誤った。完全な腐敗と不処罰が横行している。
ネオナチがコロンビア軍に助言する
このフラストレーションは、すべて水面下で泡立っていた。そして、ドゥケの緊縮財政の提案は社会を沸騰させた。
この不安に直面して、表向きは民主主義とされているコロンビア政府は、ますます極右のファシスト的独裁政権のように行動している。それは誇張ではなく、コロンビアの警察が抗議をどのように理解しているかということについての、知的枠組みを提供した人物がいるのである。その名前はアレクシス・ロペス・タピア。彼は、現在は解散しているチリのネオファシスト党「New Homeland Society」の元リーダーである。
2月、彼はコロンビア軍に招待され、蜂起を打ち負かす方法についてプレゼンテーションをおこなった。「散在分子革命(Dissipated Molecular Revolution)」と呼ばれる擬似的知的枠組み(pseudo-intellectual framework)について説明した。彼は、ポストモダンの枠組みでラテンアメリカを乗っ取るために、過去30年以上にわたって起こってきた大陸間の「共産主義の陰謀」について説明している。それは、抗議者、異種の社会運動や先住民運動、武装集団、人権NGO、市民社会で国の政治に異議を唱える人などをひとまとめにして、破壊的な陰謀をおこなおうとしているがそのための軍隊がまだ完全に準備できていないものととらえる。
これは並の視聴者には風変わりな陰謀説のように聞こえるかもしれないが、コロンビアで最も強力な人物、アルバロ・ウリベ前大統領が共鳴した。ウリベは、ネオファシストのアレクシス・ロペスの「散在分子革命」理論をツイッターで参照した。ウリベは、コロンビアでの大殺戮の立案者・黒幕である。彼は、現在の大統領イバン・ドゥケを操るマスターであることが広く知られており、抗議者を殴り殺すようにという命令を与えている。
コロンビア警察の超暴力
警官は抗議者を追いかけ、そして至近距離で狙いを定めて撃つ。今回の抗議が起こった最初の日の後、ウリベは、「誠実さを守る」ために武器を使うよう、警察と兵士に呼びかけるツイートを送った。
数時間後、大規模なオンライン・キャンペーンの後、Twitterは、それが暴力への明らかな煽動であるため、ウリベのそのツイートを削除した。しかし、それは遅すぎた。コロンビア軍は、ウリベのツイートを青信号=殺害の許可として明確に理解した。そして、軍はまさにそれを実行した。警察は、抗議の中心地であったカリ市で7人を虐殺した。
ドゥケ、ウリベと麻薬国家
米国は、「プラン・コロンビア」として知られているものの一部として、ヘリコプターを無料でコロンビアに提供した。「プラン・コロンビア」は、表面上は麻薬密売人との闘いに関するものだが、実際には左翼のFARCを打ち負かし農村部での農民による支援基盤を罰することを目的とした、対反乱軍作戦の大規模な軍事援助パッケージである。
2016年、FARCと政府は和平協定を結んだため、少数の参加拒否の人々を除けば、戦闘組織FARCは今は存在しない。
一方、コロンビアからは、かつてよりも多くのコカインが出てきており、国際的な麻薬カルテルはこれまで以上に強力である。彼らは、国家、警察、軍隊のほぼすべての側面を管理している。どうしてそれがわかるのか。ホセ・エルナンデス・アポンテ、別名「エル・ニェーニェ」という名の強力な麻薬密売人が、盗んだお金を使ってドゥケ大統領の票を買うキャンペーンをコーディネイトしたのである。これはアルバロ・ウリベによって命じられた。そして、法制度はドゥケとウリベの管理下にあるため、これについてドゥケを告発したことは一度もない。
ニェーニェは、軍や警察のトップの人物たちとも親密だった。麻薬カルテルと闘っているということになっている、その同じ国家権力の人々である。これは公開されている情報である。だから、たとえ企業所有のメディアがそれを無視したとしても、米国政府はそれを知っている。
ドゥケは完全な軍事化を命じる
コロンビアは民主主義を装った麻薬国家である。しかし、抗議行動に対する超暴力的な取り締まりで、「民主的な」見せかけを脱ぎ捨てている。
全国での4日間の大衆動員の後、ドゥケは提案の撤回を発表したが、別の提案が数日中に発表されると述べた。抗議者をなだめるための明確な試みであるが、それは失敗した。その発表から数時間後、ドゥケは軍隊を街頭に送り込むと宣言した。
「われわれの軍隊は、都市環境で行動するように訓練され、国家警察の仕事を支援している」と、彼は宣言した。ドゥケのそばには、軍司令官エンリケ・サパテイロがいた。彼は、無実の民間人の殺害と隠蔽に関与した強硬派で、軍の最も極端な右翼要素の中にいて、ウリベの道具として知られている。
「私の友人の一人は、精神科医であり、サパテイロにインタビューしなければならなかったのだが、かつて彼は精神病であり精神的な問題を抱えていると私に言った」と、ジャーナリストのアベルダロ・ゴメス・モリーナはコメントした。「実のところ、彼がウリベの道具であるために厄介です。彼の考え方にはある程度アンバランスなところが見えます。だから私たちは、最悪の事態しか彼から期待することができません。」
その後すぐ、警察と軍はさらに2人の抗議者を殺害した。抗議行動が最大だったカリ市では、警察がニコラス・ゲレロという若い抗議者の頭を撃った。人気のあるコロンビアのDJが抗議活動のライブス報告を流していたためゲレロが血を流して死ぬのを約70,000人が見た。そのDJが語ったことには、彼の電話、インスタグラム、フェイスブックの報告がハッキングされ、彼の友人や家族が彼の居場所を尋ねる奇妙な電話をかけられ、彼はカリから逃げることを余儀なくされたという。
準軍組織が抗議者を攻撃する
抗議者が虐殺されていたとき、抗議のもうひとつの中心であるペレイラ市で、カルロス・マヤ市長は軍および警察と協力するように民間警備隊に呼びかけた。「すべてのビジネス・グループと民間の治安部隊に、警察と軍隊との統一戦線をつくり出して秩序と市民の安全を再確立するよう呼びかける」と、マヤ市長は発表した。
これは、街頭に出るようにという準軍組織に対する暗黙の呼びかけであると、中央労働者連合の職員であるリナ・マリア・モンティージャ・ディアスは説明する。「私たちは準軍組織という問題を抱えている。このようなタイプの宣言で、準軍組織に活動を始めるように、また彼らの隊列を強化するように促している」と、彼女は私に言った。
その間、ナンバープレートが隠された車と高いゴム長靴を履いた男性(準軍組織活動の明らかな兆候)が現れ始めた。左翼の「Alternative Democratic Pole」党の本部の外に死んだ鶏がおかれた。紛れもない死の脅迫である。実態のよくわからない陰気なグループが、抗議者に対する明白な脅迫を広め始めた。
ペリエラ市長が民間警備員に市をコントロールするよう呼びかけた数日後、私服の銃撃者が車を横づけにし、大学生でヨガの教師であるルーカス・ヴィラに発砲した。ヴィラは抗議行動で非常に目立つ人物であった。明らかに彼の活動が標的にされていた。
「それは税の赤字で、金持ち、中産階級、そして貧しい人々から取られる。私たちは騙されやすいので、水、インターネット、コーヒー、電話サービスなどにいっそう多くのお金を払わなければならなくなるでしょう」と、彼は公共バスの中で人々に説明した。
この記事の時点で、34人が殺されたと報告されている。しかし、それは確実に実際の数を下回っている。コロンビアのジャーナリスト、ラウラ・ソフィア・メヒアによると、政府は実数を隠しているという。
「重要なことですが、殺された人の数に関する情報を入手しようとして、ある夜に諸機関のひとつとコンタクトをとったとき、当局から、オフレコで、報道機関に情報を公開しないようにと言われた」と、彼女は述べた。
警察は準軍組織を支援する
ストライキの期間を通じて、ドゥケ政府は、平和的な抗議を許可している、破壊者やテロリストと戦うために軍事化が必要である、と主張してきた。恐怖を生み出すこと、その高圧的な態度を答えとして描き出すことが、ストライキを鎮圧するときの政府の唯一の可能性であるようにみえる。「破壊者とテロリスト」の物語は最初から嘘なのは明らかだったが、民間人の服を着た男性のグループが、カリで車から降りてデモ隊に発砲したとき、すべてが崩壊した。
近くにいた他のデモ参加者がなんとかその車を探し出し、その中に警察の装備を見つけた。血だらけの手をとらえられて、警察は、その車が自分たちのものであることを認めざるを得なかった。
彼らの恐ろしい戦術が失敗し、ドゥケとウリベの殺人的な鉄の拳はストライキを破ることができなかったので、これからどうなるのかわからない。何でも起こる可能性がある。
(以上)