375's ROAD TO BOSTON/ゴールは虹の彼方に

米国在住ランナーの究極目標「ボストンマラソン」とアメリカ50州制覇を目指す人生の旅日記。

マラソン大会予定

◆2015年1月18日 HOUSTON MARATHON(TX州=2年連続2回目) ◆2015年4月20日 119TH BOSTON MARATHON(MA州=3年連続3回目) ◆2015年10月4日 TWIN CITIES MARATHON(MN州=初出場/米国26州目)

【大会レポート】第4回NYCハーフマラソン(1) レース編

2009年08月17日 | 大会レポート 2009



8月16日(日曜日)、今年で第4回を迎えるNYCハーフマラソンに4年連続で参加。

今年のニューヨークは、どちらかと言えば冷夏で、比較的過ごしやすい日々が続いていたのだが、このハーフマラソンの週末を狙っていたかのように、夏らしい陽射しが戻ってきてしまい、記録を狙っていたランナーにとっては厳しいレースとなった。

スタート時の気温(25℃)は過去の大会最高を記録。日中は30℃越えを予想されていたため、「異変を感じたらスローダウンして木陰で休むように」と、レース前からファンランを奨励するようなアナウンスが流れていた。

それでも、太陽が本格的に照りつけていない午前中であれば、さほど心配ないはずなので、最初はもちろん本気モードだった。実際、セントラルパークにしろ、マンハッタンのビル街にしろ日陰が多い。マイル8分前後を目安に、徐々にペースを上げていくという、例年通りの作戦でスタートした。

以下、各マイルごとのラップ

01mile  8分13秒
02mile  8分15秒 (16分28秒)
03mile  8分43秒 (25分11秒)
04mile  8分09秒 (33分20秒)
05mile  8分38秒 (41分58秒)
06mile  8分50秒 (50分48秒)
07mile  8分27秒 (59分15秒)

最初の2mileまでは予定通り。しかし3mile目で、早くも足取りが怪しくなってきた。この時点での8分台後半はキツい。4mile目は多少持ち直すものの、5mile目の上り坂では全く脚が上がらずペースダウン。心拍数もいつになく高い数字にハネ上がっている感じ。とにかく前半のセントラルパークを走っている間、やたらに体が重く、とてもではないがタイムを狙えるコンディションではないことを実感するしかなかった。

そこで、セントラルパークの周回コースが終わる7mile目を過ぎてから、思い切ってラップタイムを取るのをやめ、ファンラン・モードに切り換える。

昨年までは疾風のごとく通り過ぎていた7番街からタイムズスクエア、42丁目にかけての「勝負どころ」を、あえて応援風景を楽しみながら、ゆっくり走る。ランナーズ・ハイとは無縁なエンジョイ・ラン。当初の意図にないものだったが、たまにはこういうレースもいい。途中で倒れて担架に運ばれていくランナーを見かけると、やはり「あんな風にはなりたくない」と思ってしまう。追い込まずにランニングを楽しむほうが正解なのだ。

ただ、記録を度外視してしまえば、さすがに余裕が出てくる。10mile手前でニャーママさん、オケさんの応援を見つけたあたりから、徐々に体力も復活し、11mile以降は再びラップを取り直した。

08mile  -No Lap- (タイム不明)
09mile  -No Lap- (タイム不明)
10mile  -No Lap- (1時間25分57秒)
11mile  8分12秒 (1時間34分09秒)
12mile  8分45秒 (1時間42分54秒)
13mile  8分36秒 (1時間51分30秒)

そしてゴールタイムは
→→→1時間52分07秒(8:34/mile)

なんと、2006年以来、ハーフマラソンのワースト記録!
こんなタイムでも1万人以上走った中で2000番台なのだから、まぁ上出来の部類かもしれない。
ともかく、今回は倒れずに完走できただけで良しとしよう。

(次回・表彰式編に続く)


★42丁目の劇場街を走るランナーたち。


★サンバの応援は今年も健在。

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【大会レポート】第12回テタボロー空港5kmレース

2009年07月21日 | 大会レポート 2009



7月18日(土曜日)、地元ニュージャージー州のテタボロー空港(おもにプライヴェート・ジェット機が発着する小さな空港)で行なわれたレース、Teterboro Airport 5Kに2年連続で参加。起伏の全くない超フラットの滑走路往復コースを走った。

昨年の大会レポートを読むと、日中はなんと35℃まで上がる猛暑だったと書いてある。思い起こせば、とても陽の当たる場所には立っていられないほどの暑さだったが、それに比べれば、今年はずっと快適だった。

それでもスタート時の温度は20℃を超えていたので、暑いことは暑いのだが、日影に入れば涼しい風が吹き、夏場のレースとしては比較的好条件だったと言えるだろう。

さて、レース。

5kmだが、距離はマイル表示なので、実際は「3.1mile走」。全体を3分割するイメージで走ることになる。ただ、起伏の多いセントラルパークのように上り下りを気にする必要がなく、純粋にただ走ることだけを考えればいいので、ずいぶん気が楽だ。

最初の1mileは抑え気味に7分43秒8割程度の力で走ったつもりだったが、思った以上に時間がかる。
勝負どころの2mile目。ここは一気に挽回すべく、思い切り飛ばしてみる。
なんと前代未聞の6分48秒
距離表示が正確であれば、自己最速のラップタイムだ。

最後の1mile。このまま行けるか? かなりバテてきたものの、精一杯粘る。
そして、ゴールタイムは →→→ 22分38秒

わずか4秒ではあるが、1年ぶりに5kmの自己ベストを更新した。

最近、ハーフマラソン以下の自己記録更新はすっかりご無沙汰になっていたので、この結果には大満足。
鍛えかたによっては、まだまだ伸びる余地があるかもしれない、と実感できたのは収穫だった。

このレースでは、同じく2年連続参加のラン仲間・飛脚さんのほかに、「マラソン中毒患者の会」のサブスリーランナー、2号室さんも初参戦。年代別2位に食い込んだ。

それにしても、この大会、上位入賞すれば賞金がもらえるし、レース後の抽選会も楽しめるとあって、地元のみならず遠方からの参加者も増えてきている。

今年で第12回を迎えるこの大会も、次第に認知度を上げつつあるようだ。


★飛脚さん(左)、2号室さん夫妻(中央)と記念撮影。

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【大会レポート】第28回ゲイ・プライド・ラン ―Lesbian and Gay Pride Run―

2009年06月28日 | 大会レポート 2009


★同性愛者のシンボル「虹」を背景に走る、男性2人のシルエット(?)をデザインしたTシャツ。

6月27日(土曜日)、セントラルパークで行なわれた第28回ゲイ・プライド・ラン(正式名称「Front Runners New York Lesbian and Gay Pride Run」)に参加する。

Front Runnersとは、同性愛者とそのサポーターによるランニング・クラブ。この大会は毎年6月の最終土曜日に開催されるNYRR恒例の5mileレースで、その翌日の日曜日には、マンハッタンの5番街で有名なゲイ・パレードが行なわれる。

スタート時の気温は華氏70度(約21℃)くらい。昨年ほどの猛暑ではなかったものの、全力で走るには暑い。先月のエディンバラ・マラソン以降、あまり本格的な練習をしていなかったので、今回は調子を見ながら、8割程度の力で走ることにした。

マイルごとのラップは以下の通り。

0-1mile 7分43秒
1-2mile 7分41秒 (15分24秒)
2-3mile 7分55秒 (23分19秒)
3-4mile 8分30秒 (31分49秒)
4-5mile 7分38秒 (39分27秒)

最初の2マイルまでは悪くないペース。この調子で最後まで行きたいところだったが、やはり猫坂の上りではバテてきた。ダメージを最小限に抑えるために、ここでは無理をせず、意識してペースを落とす。8分を超えてしまったかもしれない、と思って時計を見ると、8分30秒にまで落ちていたのでびっくり。残りの1マイルは気合いを入れ直し、どうにか40分を切ってゴールした。

39分27秒(7:57/mile)。

タイムだけを見れば、まったくのダメレースだが、もともと飛ばすつもりはなかったので、まぁ良しとしよう。

次は3週間後、7月18日のテタボロー空港5km
滑走路を往復する超フラットコースなので、こちらは、ちょっと狙ってみたい。


★恒例の「Cheer New York」によるパフォーマンス。昨年よりも人数が増えて、にぎやかになった。

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【大会レポート】2009年 エディンバラ・マラソン

2009年06月03日 | 大会レポート 2009



5月31日(日曜日)、英国スコットランドの首都を舞台に開催されたエディンバラ・マラソンに参加。

天候は写真にも見る通り、快晴。不順で変わりやすい天候で知られるスコットランドにしては、この週末はよく晴れた。観光には最高だったが、マラソンにはちょっと暑すぎるほど。予想最高気温の22℃を明らかに上回る体感温度の中、給水所が来るたびに水で体をアイシングして走り続けなければならなかった。

午前9時、見晴らしの良い眺望で有名な、カールトン・ヒルの南側に沿った道路をスタート。ここからホリルード公園をぐるっと周回するコースになる。スコットランド訪問時にはエリザベス女王も滞在するホリルードハウス宮殿の前が1mile地点。下り基調でゆるやかな起伏のある道が4mileくらいまで続き、5mile地点で北海のフォース湾沿岸に到達した。

01mile  7分57秒
02mile  8分18秒 (16分15秒)
03mile  8分18秒 (24分33秒)
04mile  8分35秒 (33分08秒)
05mile  8分40秒 (41分48秒)

最初の3mileは速すぎるくらいの滑り出し。それほど飛ばしたつもりはなかったが、思った以上に興奮していたのかもしれない。ここからは8分30秒/mile前後を目安にペースを刻んでいく。

06mile  8分37秒 (50分25秒)
07mile  8分35秒 (59分00秒)
08mile  8分39秒 (1時間07分39秒)
09mile  8分40秒 (1時間16分19秒)

9mile目で、エディンバラの隣町マセルバラにあるマセルバラ競馬場の前を通過。ここからは海岸沿いの道を18mile地点まで走り、ほぼ同じ道を折り返すコースとなるのだが、これが想像以上に長い旅路となった。

ところどころに日影はあるものの、ほとんどが直射日光の下を走ることになるので、体力の消耗が想定以上に早い。10mile目のラップで、すでに9分近くかかってしまうが、いったん立てなおして、ハーフ通過時点では1時間51分台。ここまでは自己ベスト射程圏内だった。

10mile  8分56秒 (1時間25分15秒)
11mile  8分51秒 (1時間34分06秒)
12mile  8分04秒 (1時間42分09秒)
13mile  8分39秒 (1時間50分48秒)

しかし、ハーフ以降は8分30秒/mileを維持するのはかなり厳しくなってきた。15mile以降はペースを下方修正し、ひとまず9分前後/mileを許容範囲に、体力の温存に努めることにする。

14mile  8分40秒 (1時間59分28秒)
15mile  8分53秒 (2時間08分21秒)
16mile  9分05秒 (2時間17分26秒)
17mile  8分53秒 (2時間26分19秒)
18mile  10分00秒 (2時間36分19秒)

17~18mile地点までの1mileは長かった。距離表示が遠いようにも感じたが、やはり自分のペースが落ちていたのだろう。ちょうどこのあたりは、応援する人もほとんどなく、トレイル風の林間地域にさしかかるコース。久しぶりの日影だったので、あえてゆっくり走ったせいもあるかもしれない。

18mile以降は、長い折り返し。すでにタイムを狙えるような余力はなかったので、ここからは4時間以内で完走することを目指し、海沿いの景色や応援風景を楽しむことに専念。実際、倒れている人や脚を攣っている人もちらほら見かけたので、無理は禁物と判断した。

19mile  8分58秒 (2時間45分17秒)
20mile  9分08秒 (2時間54分26秒)
21mile  9分55秒 (3時間04分21秒)
22mile  9分55秒 (3時間14分16秒)
23mile  9分31秒 (3時間23分47秒)
24mile  10分30秒 (3時間34分17秒)
25mile  10分16秒 (3時間44分33秒)
26mile  9分08秒 (3時間53分41秒)

長い折り返しの途中、一瞬目の錯覚かと思ったが、ネッシーを発見。数人のグループで走っているようだった。
この時はシャッターチャンスを逃したので、あらためてゴール後に待ち構えてみることにする。

25mileを過ぎてから少しだけ挽回してペースを上げると、いよいよマセルバラ競馬場が見えてくる。ふだんは馬が走る芝生の上に敷かれた、人間用の仮設コースを走るのだが、なんとなくふわふわした感じで心地よい。場内アナウンスとスタンドの大観衆の声援がものすごく、ゴールの瞬間はなかなか感動的だった。

フィニッシュタイムは、3時間55分44秒

夏場を思わせる耐久レースとなったが、どうにか3時間台を確保。通算10度目のサブ4を達成した。

ゴール後は、水とオレンジジュースとバナナのリフレッシュメント。そういえば、給水所でもスポーツドリンクではなく、オレンジジュースが置いてあった。フィニッシュ会場ではカフェやバーもあり、有料ではあるが、いろいろな種類のビールを飲むこともできた。

さて、ひと休みした後は、スタンドの観客にまじって、続々とゴールに向かってくるランナーたちを応援。
するとスタートから5時間20分過ぎ、折り返しで遭遇したネッシーが登場。ゴール前の力走をカメラに収めることができた。これで、スコットランドに来た目的を果たすことができたかな、という感じ。

今回の旅は、ハイランドの都インヴァネスで2泊。ローランドの都エディンバラで3泊。
ネス湖、エディンバラ城といった世界的な名所を訪れ、充実した旅だった。

引き続き、「旅の写真館」で紹介予定。


★カールトン・ヒルの南側に位置するスタートエリアに集まるランナーたち。


★ゼッケンは目標タイム別に色分けされ、それぞれの色ごとにスタート。エリートランナーに続いて、オレンジ(2時間30分~3時間14分)、ピンク(3時間15分~3時間44分)、グリーン(3時間45分~3時間55分)、イエロー(3時間56分~4時間)、レッド(4時間1分~4時間30分)、ブルー(4時間31分~6時間30分)となっている。


★マセルバラ競馬場の大観衆に迎えられてのゴール。


★スタートから5時間20分過ぎ、待望のネッシーが現われる。


★ゴールに向かうネッシー。どうやら4人のグループだったようだ。


★荷物を取りに行くネッシー。観客席から見ると、湖を泳いでいるような雰囲気。


★応援のダンスを演じるお姉様たち。後ろには大会スポンサー、アシックスの巨大なシューズが見える。


★エディンバラ城をデザインした完走メダル。


★競馬場の施設を間借りしたオフィシャル・グッズの販売会場。休憩所(カフェ)もある。


★競馬場の施設だけあって、壁には馬の写真がいっぱい。

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【大会レポート】健康なる腎臓(Healthy Kidney)10kmレース

2009年05月17日 | 大会レポート 2009


★セントラルパーク新記録の27分48秒で優勝したエチオピアのタデセ・トーラ(Tadese Tola)選手。新記録達成の特別ボーナス2万ドルを獲得した。

先日の「飛ぶ豚マラソン」では限界ギリギリまで追い込んだこともあって、さすがに体のあちこちにダメージが残り、特に左足首に軽い捻挫のような痛みが出たりしていたが、それもほぼ回復してきたので、5月16日(土曜日)、予定通り今年5本目のNYRRレース健康なる腎臓(Healthy Kidney)10kmに参加した。

霧の深いセントラルパーク。午前9時のスタート開始から降りだした雨が2~3mileあたりで一時的に激しくなり、靴はびしょびしょの濡れねずみレースになった。
が、ゴールした時には雨はあがり、表彰式などのイヴェントに影響はなかった。

10kmといっても距離表示はマイルで合計6.2mile。セントラルパークの時計回りなので、ノースヒルの坂は下りになるが、その代わり3~4mileあたりが長い上り坂になる。この難所をどう克服するかがポイントだ。

0-1mile 7分38秒
1-2mile 7分32秒 (15分10秒)
2-3mile 7分35秒 (22分45秒)

ここまでは比較的順調。無理に飛ばすでもなく、いいペースで進んでいたかに見えた。
ところが・・・。

3-4mile 8分23秒 (31分08秒)

8分前後までは許容範囲と思っていたが、これはちょっと休み過ぎ。長い上り坂で脚が上がらなくなった。このあたりは、まだまだ2週間前のフルマラソンの疲れが抜け切れていないことを実感する。

4-5mile 7分42秒 (38分50秒)
5-6mile 7分46秒 (46分36秒)

4mile以降は遅ればせながら挽回を試みる。とは言うものの全力疾走は厳しいので、とりあえず前を行くランナーのペースに合わせてついて行く感じ。

Finish Timeは→→→48分14秒(7:46/mile)。

最近の10kmはだいたい46~47分台で走っているので、ちょっと不本意なタイムだが、まぁ仕方がないだろう。
この日のレースは7500人以上が参加。年代別順位(♂50-54歳)は243人中52位だった。

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【大会レポート】第11回飛ぶ豚マラソン(3) レース編

2009年05月08日 | 大会レポート 2009

★思い思いの被りものや仮装に身を包んだ給水ボランティアたち。
(From the Gallery of Flying Pig Marathon Official Site)

5月3日(日曜日)、いよいよ飛ぶ豚マラソン(Flying Pig Marathon)」の当日を迎えた。1月ロックンロール・アリゾナマラソン、3月シャムロック・マラソンに続く今年3本目のフルマラソン。コースは起伏が多く、かなり厳しいとの評判があったものの、4月の練習では自己最高の300kmを走り込んでいたので、ただでは転ぶつもりはなかった。ラン仲間たちとの前夜祭で気持ちも盛り上がっていたし、心身ともにコンディションは上々だった。

当日の朝は小雨模様。だが、傘を必要とするほどでもない。同じホテルに泊まっていたあざらしさんとロビーで待ち合わせ、およそ15分ほど歩き、NFLシンシナティ・ベンガルズの本拠地ポールブラウン・スタジアムの南側に位置するスタートエリアに到着。当初の打ちあわせ通り、そこのエリートコラルで、Tomokoさん、コスメル前村さんと落ち合い、写真を撮ったりしてスタートまでのひとときを楽しんだ。

エリートコラルと言っても、2時間10分を切るようなケニアの招待選手がいるわけではないので、ちょっと速ければ誰でもエリートって感覚。それでもちょっと身分不相応な場所を陣取ってしまったせいか、スタートの合図が鳴ってしばらくの間は、周囲のランナーに思いっきり抜かされ続けた。

以下、マイルごとのラップ。

01mile  8分56秒
02mile  8分56秒 (17分48秒)
03mile  8分53秒 (26分31秒)
04mile  8分42秒 (35分23秒)
05mile  8分29秒 (43分52秒)
06mile  8分32秒 (52分24秒)

朝6時半スタートという、通勤前の「おはようラン」並みの早い時間だったので、まだ体が目覚めておらず、序盤はスローな展開。1mile地点でオハイオ川を渡り、いったんケンタッキー州に侵入する。隠れた観光地として知られるコヴィントンの街並みを通過し、3mile地点で再びオハイオ川の橋越え。ここから6mile地点までがシンシナティのダウンタウン地区で、比較的平坦なコースになり、ペースもようやくマイル8分30秒前後まで上がってきて、このままランナーズ・ハイに突入するかに見えた。

ところが…。

07mile  9分29秒 (1時間01分53秒)・・・上り区間
08mile  9分04秒 (1時間10分57秒)・・・上り区間
09mile  8分33秒 (1時間19分30秒)
10mile  8分37秒 (1時間28分07秒)
11mile  7分42秒 (1時間35分49秒)
12mile  8分23秒 (1時間44分12秒)
13mile  8分37秒 (1時間52分49秒)

噂に聞いたとおり、6mile地点からの上りはキツかった。ニューヨークシティ・マラソンでのクーンズボロ橋もかくやと思わせるような勾配がいつ果てるともなく続く。8mile地点を過ぎて、ようやく道が平らになり、これで終わったかと思いきや、曲がり角を折れるとまた上り、という感じで精神的にもなかなかタフな攻撃が続いた。

ラップタイムは一気に9分台に落ち、「とても記録どころではない。サブ4を確保できれば上出来」という気持ちになる。「4時間以内ならOK」と考えると、ここからは肩の力も抜け、上りでは無理をせず、下りでは快適に飛ばすという自然なリズムにまかせる走りができるようになった。結果的にはこれが後半へのエネルギー保存につながったのかもしれない。

中間地点の通過タイムは1時間53分39秒。最近のマラソンとしては3分くらいペースが遅く、この時点では自己ベスト更新の望みはいったんあきらめていたのである。

14mile  8分27秒 (2時間01分16秒)
15mile  8分25秒 (2時間09分41秒)
16mile  8分31秒 (2時間18分12秒)
17mile  8分37秒 (2時間26分49秒)
18mile  8分42秒 (2時間35分31秒)
19mile  8分43秒 (2時間44分14秒)
20mile  8分39秒 (2時間52分53秒)

ヤマ場は越えたものの、コースは相変わらず細かなアップダウンが続く。それでもマイル8分30秒前後のペースを維持できたのは、比較的天候が涼しく、体力の消耗が少なかったのと、行く先々で、豚の被り物や着ぐるみなどに身を包んだ応援風景に出会えるのが楽しかった、というのもあるかもしれない。

そうこうするうちに、一度は遥か前方に遠のいていた3時間45分のペーサーの持つプラカードが視界に入ってきて、頑張れば追いつけそうになってきた。決して無理にペースを上げているわけではなかったが、徐々に息を吹き返してきた感じがする。15mileあたりで、ついにペーサーと肩を並べた。

彼(Daveという男性のペーサー)はガーミンを見ながらペースを調整し、周囲のランナーとコミュニケーションを取りながら余裕のある走りをしていたので、このまま一緒についていけば大丈夫、という安心感があった。いつもなら疲れが出てくる18mileから20mile地点あたりの正念場も、彼について走ったおかげで乗り切ることができたようなものだ。

20mile地点の通過タイム、2時間52分53秒。

自己ベスト達成時より2分ほど遅いペースだが、どうにか3時間50分は切れそうな見通しが出てきた。
しかし実際は、予想を遥かに超えたフィニッシュ・タイムが待ち受けていたのである。

21mile  8分28秒 (3時間01分21秒)
22mile  8分14秒 (3時間09分35秒)
23mile  8分13秒 (3時間17分48秒)
24mile  8分59秒 (3時間26分47秒)
25mile  8分30秒 (3時間35分17秒)
26mile  8分47秒 (3時間44分04秒)

20mile地点を過ぎてからのラスト・クォーター。4楽章の交響曲で言えば最終楽章にあたるこの区間は、いつもなら息も絶え絶えになってペースダウンするところだ。さしずめチャイコフスキーの「悲愴」のような終わり方をするのが常だったが、今回は一味違うドラマティックな展開が待ち受けていた。

21mileのラップを8分28秒で乗り切ると、なんとここから23mile地点にかけてマイル8分10秒台にペースアップ。マラソン生活で初めて、30kmを越えてから起死回生のランナーズ・ハイが訪れた。まさに「飛ぶ豚マジック」とも言うべき、不思議な瞬間。それでも、まだこの時点ではペーサーのDaveからさほど離れない位置を確保している。本当のラスト・スパートにはまだ早い、というか、そもそもフルマラソンでラスト・スパートなどやったことがなかったのである。

さすがに24mileあたりになると疲労を感じ始めてきたが、いつものマラソンほど深刻ではない。Daveも後ろを振り向いて、「先に行っていいぞ!」と檄を飛ばしてくれた。

そして満を持した25mile地点。ここでDaveに別れを告げ、最後の1mileを全力疾走。
行く手にMLBシンシナティ・レッズの本拠地グレート・アメリカン・ボールパークが見えてくると、感無量の思いがこみ上げてきた。

「FINISH LINE」ならぬ「FINISH SWINE」までの最後のホームストレッチ。次第に高まる沿道の大歓声に応え、ゴールゲートに飛び込んでいく。

手元の時計に表示されたタイムは
→→→3時間44分43秒

な・なんと、昨年11月のニューヨークシティ・マラソン(3時間47分22秒)を上回る、自己ベストを達成した。
わずか2分39秒の短縮ではあるが、長年目標としていた3時間45分を切る、大きな一歩。

前半ハーフ(1時間53分39秒)よりも後半ハーフ(1時間51分04秒)のほうが速いというネガティブスプリットも今回が初体験だ。おそらく、2007年9月にサブ4を達成して以来、最高のレースではなかろうか。

とは言え、「もう一度走るか?」と聞かれたら、ちょっと答えに迷うほどの難コース。
おそらくこれが最初で最後になるだろうけれど、本当に「走っておいてよかった」と思える大会だった。


★まだ薄暗い午前6時、エリートコラルに集まった「飛ぶ豚四銃士」の面々。


★お互いの家宝になりそうな2ショット。


★見事年代別3位に入賞したTomokoさん。


★見事ボストン・クォリファイを達成したコスメル前村さん(右)も加わって、お祝いのポーズ。


★ホテルに戻り男性3人で記念撮影。あざらしさん(中央)は初マラソンで見事サブ4を達成した。

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【大会レポート】第11回飛ぶ豚マラソン(2) 前日イヴェント&お茶会編

2009年05月07日 | 大会レポート 2009


★飛ぶ豚マラソンのゴールは「FINISH LINE」ではなく、「FINISH SWINE」。
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飛ぶ豚マラソン・ウィークエンドの2日目にあたる5月2日(土)、この日は午前8時から始まる10kmレースの見学に出かけた。大会のメイン・イヴェントは、日曜日に行なわれるフルマラソン、ハーフマラソン、マラソン・リレー(4人でフルマラソンの距離をリレーする)の3種目だが、前日の土曜日にも10km、5km、キッズマラソン(1mile)などの家族向けプログラムが用意されており、すべてのイヴェントの参加者を合計すると、2万人を優に超える数となる。まさにシンシナティの街をあげてのお祭りだ。

前回のシャムロック・マラソンもそうだったように、地方都市で行なわれるマラソン大会というのは、文字通り街ぐるみのイヴェントとして企画される。しかも、大きな大会でありながら、どこかのんびりしていて、アットホームな暖かさにあふれているのが特徴だ。都会の数万人規模の大会では味わえない手作りの雰囲気。それを体験できるのも、地方遠征の大きな楽しみの一つである。

そして、今回のもうひとつのお楽しみは、一緒に参加するラン仲間とのお茶会。

某ランニング・コミュニティーサイトでつながりのあるケンタッキー州在住のTomokoさん、ミシガン州在住のコスメル前村さん、あざらしさんとミレニアム・ホテルで待ち合わせ、軽く前夜祭を楽しもうというわけである。

ウェブ上では日頃から交流はあっても、実際に顔を合わせる機会は滅多にない。

Tomokoさとは昨年6月のJapan Day(@NY)でお会いしていたが、あの時はお互いに仮装をしていたので、まともな姿で対面するのは今回が初めてとなる。
コスメル前村さんとは、ちょうど1年前のニュージャージー・マラソンが初の対面。その後7月のNYCハーフ・マラソン、年末のミッドナイト・ランとご一緒しているので、通算4回目のお付き合いだ。
そして、今回がフルマラソン・デビューのあざらしさんとは正真正銘の初顔合わせ。

だが、こうしてみると天の配剤というか、なんとも絶妙なキャラが揃ったようにも思える。
さしずめ、飛ぶ豚四銃士という感じで、人知を超えた不思議な力を発揮できそうな雰囲気。

そして、その予感通り、翌日の本番レースでは、4人揃って見事な結果を叩き出すことになるのである。


★シンシナティ・レッズの本拠地グレート・アメリカン・ボールパークの前を通過する10kmレースのランナーたち。


★女性1位のランナーがゴールテープを切った瞬間。


★着ぐるみの豚に迎えられて、続々と「FINISH SWINE」を駆け抜ける。


★キッズ・マラソン、スタート前の風景。


★家族そろってのんびり楽しめる雰囲気。この日は雨の予報だったが、思いがけず青空が広がった。


★ミレニアム・ホテルのカフェにて。NJ、KY、MIの3州からオハイオ州制覇を目指して「飛ぶ豚四銃士」が集結。
翌日の闘いに向けて、景気付けの一杯を楽しんだ。

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【大会レポート】第11回飛ぶ豚マラソン(1) EXPO編

2009年05月06日 | 大会レポート 2009

★1999年に行なわれた第1回「飛ぶ豚マラソン」のポスター。
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5月1日(金)から3日(日)にかけて開催されたオハイオ州シンシナティの人気イヴェント、飛ぶ豚マラソン(Flying Pig Marathon)」初日は恒例のEXPOで幕を明けた。

NJ州からは、いつも利用するコンティネンタル航空ではなく、デルタ航空で到着。シンシナティ空港(実際はケンタッキー州北部にある)はデルタ航空のハブなので発着便が多く、こちらのほうが何かと便利だ。空港からダウンタウンまでは1ドル75セントでバスが出ており、これも手頃なアクセス。約40分ほどで、今回宿泊するミレニアム・ホテルに到着した。そして、ホテルのすぐ隣りに、EXPO会場のコンヴェンション・センターが位置していた。

大会名となっている「飛ぶ豚」はシンシナティの象徴。かつてこの街は養豚と豚肉の生産で知られており、街中が豚であふれていた。霧のかかったオハイオ川を、豚をたくさん乗せた船が運航すると、まるで豚が飛んでいるように見えたという。

この「飛ぶ豚」のイメージが伝説として後孫に受け継がれ、いつしか街のシンボルになったというわけだ。

EXPO会場でも、まず最初に目にするのは飛ぶ豚のオブジェ。販売会場ではオフィシャルグッズの可愛い豚のデザインをあしらったものが大人気で、まさに「飛ぶような」売れ行き。EXPO2日目になると特定のサイズしかなくなってしまったらしい。

やはりEXPOで買い物をするならば、比較的すいている初日が狙い目だ。


★飛ぶ豚のオブジェ、その1。タイミングよく、可愛い女の子が一緒にポーズをとってくれた。


★飛ぶ豚のオブジェ、その2。


★飛ぶ豚のオブジェ、その3。


★飛ぶ豚のオブジェ、その4。


★アメリカ人にも、財運を呼ぶ「豚の貯金箱」は大人気?


★黒地にピンクの飛ぶ豚のデザインが可愛いバイク用のトレーニングシャツ。


★数字にあわせて豚の顔をデザインしたオフィシャルTシャツと、ピンクのレースキャップをゲット。


★シンシナティの空港でもさまざまな豚グッズが売られていた。

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【大会レポート】Seventh Annual Run as One 4M

2009年04月21日 | 大会レポート 2009



4月19日(日曜日)、New York Road Runners(NYRR)のレースとしては今年4本目となるSeventh Annual Run as One (4mile)」に参加する。2週間前のCity Parks Foundation Run for the Parksと全く同じセントラルパークの4mileコース。前回のタイムは30分06秒だったので、今回はなんとしても30分を切るべく、作戦を立てた。

(1)できるだけインコースを走りタイムロスを最小限にする。
(2)最終楽章で追い込めるように余力を残す。

前回と同様、緩・急・緩・急の4楽章の交響曲をイメージしてスタート。

第1楽章(1mile目)は作戦通りインコースすれすれを8割くらいの力加減で走り、7分33秒。難所のひとつであるキャットヒルの上り坂も無難に乗り切る。

第2楽章(2mile目)は前回のレースでは調子に乗って飛ばし過ぎたので、やや抑え気味に。下り坂をナチュラルビルドアップして7分22秒

第3楽章(3mile目)は上りの多い正念場。途中で「NYマラソン中毒患者の会」のけに~さんを追い抜き、失速を最小限に抑えて7分42秒

そして最終楽章(4mile目)。下り坂にさしかかる場面、残る力を振り絞っての疾風怒濤の追い込みが功を奏し、この日最速ラップの7分19秒

ぎりぎり30分切りの29分56秒でゴールに飛び込んだ。
4mileレースとしては昨年4月のadidas Run for the Parksに次ぐセカンドベストに相当するタイム。

若くもないので一気に記録を短縮することは難しいが、ペース配分などの作戦面がうまく行けば、それなりのタイムで走れることを実感。ある意味、会心のレースだった。

2週間後はいよいよフルマラソン。持てる力を最大限に発揮できるよう、イメージトレーニングに努めたい。

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【大会レポート】City Parks Foundation Run for the Parks 4M

2009年04月06日 | 大会レポート 2009



New York Road Runners(NYRR)のレースでは今年3本目となるCity Parks Foundation Run for the Parksに参加。これまでの2本がブロンクスとワシントンハイツだったので、セントラルパークで行なわれるレースとしては、今年初の出場となった。

Run for the Parksというのは毎年4月に行なわれるNYRR主催恒例の4mileレースだが、City Parks Foundation(ニューヨーク5地区の公園で行なわれるさまざまなアクティヴティを企画する非営利団体)がスポンサーとなるのは、今年が始めて。ちなみに自分がこの大会に初めて参加した2005年はNiketown、2006年から2008年まではadidasがタイトル・スポンサーだった。

コースの勾配は、おおざっぱに言えば、1mileごとに上り区間→下り区間→上り区間→下り区間と続くので、ちょうど緩・急・緩・急の4楽章の交響曲をイメージして走ると、うまくペース配分ができることが多い。

第1楽章(1mile目)は、スタート直後にやや混雑があり、Cat Hilの上りもあるので多少ゆっくり目に入る。
第2楽章(2mile目)は下りが多く、最も気持ちよく走れる区間。思い切り加速して、最近では最も速いラップタイム(7分08秒)を計時したが、やや飛ばしすぎだったかもしれない。
第3楽章(3mile目)は上り坂の多い区間で、やや息切れ。
最終楽章(4mile目)は全力で追い上げたものの、目安としていたタイムにはわずかに届かなかった。

0-1mile  7分43秒
1-2mile  7分08秒 (14分51秒
2-3mile  7分49秒 (22分40秒
3-4mile  7分26秒 30分06秒

年代別順位は、198人中35位。

ほんの一瞬ではあったけれども、体感速度を上回る加速(いわゆる「びゅー」)が出たので、冬場に比べれば上り調子なのは確実。だが、本当のベストの状態になるまでには、もう少し時間がかかるかもしれない。

2週間後にもうひとつ4mileレース(7th Anual Run as One)があるのだが、このレースでいい感じに走れたら、いよいよ本調子と見なしていいだろう。

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