375's ROAD TO BOSTON/ゴールは虹の彼方に

米国在住ランナーの究極目標「ボストンマラソン」とアメリカ50州制覇を目指す人生の旅日記。

【大会レポート】フィラデルフィア・ラヴラン・ハーフマラソン(Philadelphia Love Run Half Marathon)

2014年04月05日 | 大会レポート 2014



3月30日(日曜日)、フィラデルフィアで今年から新しく開催された春のハーフマラソン大会、その名も「ザ・ラヴラン・フィラデルフィア」に参加。
NJ州を本拠地とする謎の団体「CGI RACING」主催によるイベントで、いかにも春爛漫にふさわしいネーミングが注目されたが、蓋を開けてみれば、あいにくの雨模様。いつも好天に恵まれる秋のロックンロール・フィリーとは対照的に、前途多難を思わせる船出となった。

スタート/ゴール会場はロックンロール・フィリー(9月)やフィラデルフィアマラソン(11月)と同じフィラデルフィア美術館前の公園で、第1回大会にしては破格ともいえる7000名を超えるランナーが集まった。一応コラル分けもあるのだが、タイムの幅はかなり大雑把で(1時間30分から1時間45分まで同じコラル)、その上ゼッケンをチェックする係員もおらず、どう見ても2時間以上かかりそうなランナーまで同じコラルに混在していた。そういうわけで、最初の1マイルは文字通りカオスのような大混雑に見舞われる羽目になる。

天候もそうだが、今回のレースは前日の段階から波乱を予感させる要素に満ちていた。
ゼッケン番号が究極の3桁「999」というのも驚きだが、それに加えて宿泊ホテルの部屋番号が「911」というのは、何とも暗示的だ。
猜疑心が強く、迷信深い自分としては、これだけでも不安で眠れなくなってくる。

いったい無事に生きて帰れるのか…

不気味な濃霧に煙るフィラデルフィア・ダウンタウンの街並み、風雲急を告げるような空模様のもと、第1回ラヴラン・ハーフマラソンの闘いの火ぶたが切って落とされた。

Mile 01: 7分55秒(07分55秒)
Mile 02: 8分00秒(15分55秒)
Mile 03: 7分47秒(23分42秒)
Mile 04: 7分47秒(31分29秒)
Mile 05: 7分49秒(39分18秒)
Mile 06: 8分17秒(47分35秒)・・・上り区間

目標はとりあえず4週間前の冷凍ペンギン・ハーフのタイム(1時間43分43秒)を上回ること。フルと違ってハーフの場合は序盤戦の出遅れが致命的となるので、できるだけ優位な流れを先取りできるようにロケットスタートを画策。スタート前から早くも第1回目のハニー・スティンガーを補給し、最初の1マイルに全神経を集中した。

そしてスタートの号砲とともに勢いよく飛び出そうとしたが・・・

前述のように同じコラルにさまざまなレベルのランナーが混在していたため、あちこちに人の壁があり、群衆の中を何度も蛇行しながら前に出て行かなければならなかった。その上、どういうわけか片側車線しか走れないようなレイアウトになっているので、やたらコースが狭い。このあたりの運営も秋のロックンロール・フィリーに及ばないところである。

やがて1マイルの表示を通過。7分55秒。

できれば7分30~40秒台で先手を取りたかったところだが、ロケットスタートは見事失敗に終わった。続く2マイル目も8分ちょうど。3マイル目から多少エンジンがかかり、川沿いのコースを北上する5マイル目まで7分50秒以内のラップを刻めるようになってきた。

次の6マイル目は、いったん川沿いをはずれ、長い上り坂のコースとなる。
かなり頑張ったつもりだったが、8分17秒。上りはどうも苦手だ。
それでも今回のコースでは唯一の難所であるはずなので、これを乗り越えてしまえば、あとはいくらでも挽回できるはずだ。
そんな前向きな希望を持ちつつ、後半戦に突入していった。

Mile 07: 7分43秒(55分18秒)
Mile 08: 7分43秒(1時間03分01秒)
Mile 09: 8分15秒(1時間11分16秒)・・・距離が長い?

6マイル目までは脚が重く、まだまだ本来の切れが不足しているように思えたが、7マイル目になると、やや復活モードになってきた。
下り勾配を利用してプチ・スパートをかけ、7分43秒。川沿いのコースに戻った8マイル目も7分43秒。
このくらいのラップが刻めれば希望が出てくる。まだまだ完全復活ではないものの、このペースを維持していけば光明が開けてくるはずだ、と自分に言い聞かせる。

ところが9マイル目は8分15秒。やや時間がかかった。
周囲を走るランナーと比較した限りでは、それほどペース落ちているとは思えない。おそらくマイル表示自体がずれているのだろう。距離にして0.1マイルくらい長いかもしれない…

そのようなことを考えながら、第2回目のハニー・スティンガーを補給。
最後の追い込みに向けて、万全の準備を整えた。

Mile 10: 7分42秒(1時間18分58秒)
Mile 11: 7分41秒(1時間26分39秒)
Mile 12: 7分35秒(1時間34分14秒)
Mile 13: 7分34秒(1時間41分48秒)

10マイル目の途中で折り返し。ここまで川の上流へ向かっていたのが、下流に方向転換する。そしてここからゴールまではロックンロール・フィリーと全く同じコース。何度も走っているコースなので、怖いものはない。最後の4マイルは文字通り「銀河鉄道999の大暴走」をイメージして勝負を賭けた。

ほどなく、折り返し地点に向かう対向車線のランナーの中に、今回一緒に参加していたまゆみん姫を見つける。
その直後に通過した11マイル目のラップは7分41秒。
このあたりから、雨脚が激しくなってきた。スタート前から小雨が降り始めていたのだが、レースの中盤はしばらく止んでいた。それが最後の勝負どころになって本降りになるとは…
「見えない敵」もいよいよ本気を出してきたようだ。

それはまさに、地球帰還を目指す銀河鉄道999とそれを阻止するエイリアンとの闘い!
行く手には流星雨が降り注ぎ、おびただしい水溜りの濁流が進行方向に立ちふさがる!

もはや水溜りを気にしていたら走れない。シューズがびしょ濡れになるのを承知で、あえて水中に突っ込んでいく。
12マイル目、7分35秒。13マイル目、7分34秒。
逆境をものともせず、ぐんぐんスピードが上がる。猛烈な雨風が吹きすさぶ中、地球人類の運命を賭けた決死の大暴走!

これこそが愛の暴走「ラヴラン」の真髄ではないだろうか?
そのような物思いにふけりながら、ゴール前に待ち受ける最後の上り坂を疾走する。

そして降りしきる大雨の中、微動だにもせず、宇宙的な使命を果たした主人公たちに惜しみない歓声を送る人々に暖かく迎えられながら、フィラデルフィア美術館前のゴールゲイトに無事着水を果たした。

Finish Time 1時間42分38秒(7:49/mile)

自己歴代8位、もしくは9位くらいか?

内容的には、前半はやや苦しかったものの、後半はいいペースで盛り返すことができたし、最後の4マイルを7:42-7:41-7:35-7:34と得意の「暴走ビルドアップ」で決めるあたり、ささやかながら真骨頂の走りを見せることができたと言えるのではないだろうか。

もちろん100分切りを連発していた絶頂期のスピードには及ばないものの、現時点での実力は十分に発揮することのできたレースだったように思える。

極寒のフローズン・ペンギン・ハーフ(1:43:43)
強風のシャムロック・マラソン(3:44:08)
大雨のラヴラン・フィラデルフィア(1:42:38)

波乱に満ちた3月の3大レースを経て、4月はいよいよボストンの大舞台に乗り込んでいく。

■MEMO■
総合順位 545位/7130人中
男女別順位 368位/2159人中
年代別順位 5位/100人中(AGE 55-59)

 
★コンヴェンション・センターで行なわれた「CGI RACING」主催のEXPO。大手ではなくローカル・ベンダーの出店がほとんど。


★究極の3桁「999」のゼッケン。おそらく一生に一度あるかないかの珍事。
今回はラヴランの主旨に合わせて、ピンクを基調とした衣装を用意したが・・・


★大雨の中をゴールするランナーたち。水溜りが洪水のように押し寄せる。


★記念品のハイテクシャツ、完走マグカップ(完走しなくてもEXPOでもらえる)、巨大な完走メダル。


★レース会場から戻り、一風呂浴びた後、宿泊ホテルのロビーで記念の1枚。


★雨のフィラデルフィアも、それはそれで風情があるかもしれない。

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