375's ROAD TO BOSTON/ゴールは虹の彼方に

米国在住ランナーの究極目標「ボストンマラソン」とアメリカ50州制覇を目指す人生の旅日記。

【大会レポート】2014年ブルックリン・ハーフマラソン (NYRR 5-Borough Series: Brooklyn Half)

2014年05月28日 | 大会レポート 2014



5月17日(土曜日)、NYRR主催5地区シリーズのひとつ、ブルックリン・ハーフマラソンを走る。
ここ数年で参加希望ランナーが急増し、今年はエントリー開始からたった数時間でソールドアウトとなった屈指の人気レース。自分が初めて参加した2005年当時は、当日エントリーも可能だったのだが・・・
アメリカでも特定のレースに限って、日本国内並みのクリック戦争が勃発する勢いになってきた。

この2005年を皮切りに、ブルックリン・ハーフは3回出場。過去の戦歴は以下の通り。

2005年(47歳) 1時間59分39秒(9:08/mile)・・・初ハーフ
2006年(48歳) 1時間48分15秒(8:15/mile)・・・PR更新
2011年(53歳) 1時間42分44秒(7:50/mile)・・・コース・レコード

というわけで、今回は3年ぶり4回目の出場となる。
ブルックリン・ハーフのコースはプロスペクト・パーク内の起伏を別にすれば、基本フラットなのでタイムは出やすい。絶好調時なら100分切りも可能だとは思うが、今はそこまでのスピードは出ないので、3年前のコース・レコード更新という目標で闘うことにした。

ブルックリン美術館近くのスタートエリアから、午前7時スタート。NJ州の自宅を当日の朝出発したのでは当然間に合わない。
かと言って、NY市内の高いホテルに泊まるのも贅沢なので、例のごとくカラオケボックスで仮眠するという手を使った。しかし歌ってしまったら眠れるわけもなく・・・ まぁハーフくらいなら睡眠など気にしなくてもいいわけだが。

前夜まで降り続いていた雨も止み、初夏を思わせる晴天が広がる。久しぶりに好条件のもとでレース開始となった。

Mile 01: 7分45秒(07分45秒)
Mile 02: 7分54秒(15分39秒)
Mile 03: 7分32秒(23分11秒)
Mile 04: 7分47秒(30分58秒)
Mile 05: 7分59秒(38分57秒)・・・上り区間
Mile 06: 8分29秒(47分26秒)・・・距離が0.1マイル長い(?)

目標タイムは1時間41分30秒。マイル7分45秒が目安となるので、最初から突っ込み気味に入った。ハーフの場合は積極的に先手を取っていかないと苦しい展開になる。そういう意味で最初の1マイルを目安通りの7分45秒で通過したのは幸先の良いアドヴァンテージとなった。

やや上り勾配の2マイル目を7分54秒。下り勾配の3マイルを7分32秒と順調な序盤戦を経て、4マイル目でプロスペクト・パークに突入。木々に囲まれた気持ちのいいコースを快調に進んだ。

5マイル目の後半で長い上り坂が待ちうける。最小限の失速に抑えるべく「ここが勝負どころ」と気合を入れ、極力ペースを落とさずに上っていく。やがて5マイルの表示を通過。7分59秒。どうにか8分以内に抑えた。その後しばらく上りが続き、やがて下り勾配に転ずる6マイル目、いよいよペースを上げようとしたところで、左膝に異変が・・・(!?)

なんとなくビキッと来たような気がした。たいした痛みではないのだが、大事を取ってひとまずペースを落とす。おそらく上りで頑張りすぎたのだろう。ここはとりあえずリラックス区間を作って様子を見ることにした。

ほどなく6マイルの表示を通過。8分29秒。
あれっ? と思う。多少力を抜いたものの、ここまでペースを落としたつもりはない。体感では8分を数秒出ている程度のはずなので、おそらく距離表示がずれているのだろう。

それでも10Kの通過タイムは48分台なので、決して遅すぎるわけではない。コース的には唯一の難所が終わり、あとは概ねフラットなので、いくらでも挽回できる。苦戦の続いた最近のレースとしては珍しく、楽観的な見通しで後半戦に突入していった。

Mile 07: 7分20秒(54分46秒) ・・・下り区間
Mile 08: 7分33秒(1時間02分19秒)
Mile 09: 7分41秒(1時間10分00秒)

7マイル目は思いきり下りなので、ここがチャンスとばかり飛ばしていく。
左膝の違和感は一時的なものらしく、この時点で気にならなくなった。

やがて7マイルの表示を通過。7分20秒。これは速い。というか、6マイル目が異様に長かったので、その分、帳尻合わせされていると見るべきだろう。ここからはプロスペクト・パークを抜けてブルックリンを代表する夏の行楽地、コニー・アイランド・ビーチに向かって、まっすぐなハイウェイをひたすら南下していくコースとなる。

8マイル目、7分33秒。9マイル目、7分41秒。
ラップも順調だ。このくらいのペースなら、目標は十分クリアできる。

そうこうするうち、前方の遥か彼方に「1:40」のプラカードを持つランナーが見えてきた。実は6マイル目でペースを落とした時にいったん追い抜かれ、あっという間に姿が見えなくなったのだが、そのランナーが再び視界に入るようになってきたのである。
ということは、自分のペースが上がったか、そのランナーのペースが落ちたか、両方の要因が考えられるだろう。おそらく「1:40」で謳われているほどのスピードは出ていないだろうが、残りの4マイルはそのランナーを追いかけながら勝負を賭けることにした。

Mile 10: 7分45秒(1時間17分45秒)
Mile 11: 7分20秒(1時間25分05秒)
Mile 12: 7分57秒(1時間33分02秒)
Mile 13: 7分34秒(1時間40分37秒)

10マイル目の表示を通過。7分45秒。
最近のレポートでは「ここでハニー・スティンガー補給」となるのだが、今回はスタート直前に摂取したのみで、レース中は補給しなかった。念のために用意してはいたのだが、レースの流れが良ければ、そのまま補給なしで押し切ってしまう作戦だった。給水もタイミングが合わなければ取らない。それだけ「流れ」と「リズム」を大切にしたかったのである。

11マイル目、7分20秒。12マイル目、7分57秒。
ここもマイル表示にずれがある。実際はそれほどペースが変動していないと思われるので、どちらのラップも7分40秒を少し切るくらいというのが妥当なところだ。

ペースが落ちていない証拠に、12マイル目の表示の手前で、ついに「1:40」の男性ランナーを捕らえた。いったん追いつくと、すかさず先行し、一気に引き離していく。

これこそ、まさしく炎の光速ダッシュ!
最後の13マイル目、照りつける初夏の日差しをすべてエネルギーに変えていくような、猛烈なスパートで疾走した。

やがて、まっすぐなオーシャン・パークウェイから海岸沿いのサーフ・アヴェニューに曲がり、世界有数の観光地、コニー・アイランド・ボードウォークに突入! 沿道の熱い大歓声が響きわたる中、狂乱のビルドアップで最後の直線コースを走り抜け、2万5千人のヒーローたちを出迎えるブラック&ホワイトに彩られたゴールゲイトに到達した。

Finish Time 1時間41分21秒(7:45/mile)。

自己歴代6位! そしてブルックリン・ハーフのコース・レコード更新!

今年のハーフマラソンはフローズン・ペンギン・ハーフ(1:43:43)、ラヴラン・フィラデルフィア(1:42:38)に続く3回目となるが、タイム・内容ともに最も満足できるレースとなった。

しかも… 今回最大の収穫は、実は自分のタイムではない。

ゴール後、ゲータレードとバナナのリフレッシュメントを補給し、預け荷物を受け取った後、一度会場を出て、ボードウォークに向かった。この日が初ハーフのひかり姫のゴールを見届けるために。

しかし、実際に行ってみると、あまりにもすごい群衆で、沿道に潜り込める余地がない。それに、たとえ沿道のスポットを確保できたとしても、ランナーの数があまりにも多いので、見逃してしまう可能性もある。というわけで、当初の待ち合わせ場所として決めていたファミリー・リユニオンのスタジアムの中で、携帯電話に連絡があるまで待つことにした。

ところがこの場所も、時間が経つにつれてみるみる人が増えてきた。なにしろゴールを終えた2万5千人のランナーが続々と集まってくるのである。やがて足の踏み場もないほどになったので、スタジアムを出たパーキング・エリアで、ひかり姫の帰りを待った。

そうして、ようやく再会したひかり姫。初めてのハーフだというのに疲れた様子もなく、
「どれくらいで走れた?」と聞くと「2時間03分くらいかなぁ」と。

6日前にセントラルパークを一緒に走った感触から「2時間ちょっとくらいで行くだろう」と思っていたが、予想通りの好タイムだった。

次回は9月のロックンロール・フィラデルフィア・ハーフで2時間切りを狙う(!?)
ハーフを何本か走ったら、フルに挑戦。
そして数年後には一緒にボストン出場… と夢が膨らんでくる。

優秀な後輩が現われると、こちらのモチベーションも上がるので有難い。
新しい青春ドラマの幕が明けたような、素敵な1日となった。

■MEMO■
総合順位 3311位/25587人中
男女別順位 2686位/11909人中
年代別順位 45位/350人中(AGE 55-59)


★ブルックリン美術館近くのスタート会場。2万5千人の参加者を集めた今年はWAVE 1(7時スタート)、WAVE 2(7時45分スタート)に分かれての2段階スタートとなった。


★ボードウォークの最後の直線を疾走するランナーたち。


★アメリカ東海岸有数の観光地、コニー・アイランドでゴール。ビーチ周辺には遊園地やホットドッグの店が並び、夏は全米からの行楽客であふれる。


★初ハーフを好タイムで完走したひかり姫との2ショット。


★NY/NJ地区の女子ランナー軍団も集まる。


★ご主人のマイケル王子とともにゴール後のビール。魅惑のニュー・ヒロイン誕生である。


★お土産のハイテクTシャツと、凱旋門をデザインした完走メダル。

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