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昨日の東京国際映画祭(5) 「ウィンターズ・ボーン」、「ゴーストライター」

2010年10月29日 | 映画
この激しい風雨の中、昨日も行ってきました東京国際映画祭
こういう悪天候の日は、ミッドタウンと違って、六本木ヒルズは地下鉄から直でビル中に入れないのが嫌ですね~。特にエスカレーターを昇って外を歩かなくてはいけない、クモのオブジェがある広場はビル風もあって傘が折れそう。ビニ傘の人は閉じて走ってました。

さて、本日はサンダンス映画祭グランプリの「ウィンターズ・ボーン」とユアン・マクレガー主演の「ゴーストライター」の2本を観て来ました。

まず「ウィンターズ・ボーン」は、失踪した父親を探さねばならなくなった17歳の少女と、待ち受ける過酷な現実といった映画。アメリカの暗部といった印象で、主婦たちも含めて荒くれた感じの人しか出てきません。低所得者層が多い地方へ行くと、ムラ社会というか、こういう現実があるよという感じですね。

主人公は病気の母と幼い弟と妹を抱えていて、犯罪を犯して出頭要請のあった父親の生死がはっきりしないと、家も土地も父の尻拭いのために取られて路頭に迷うことになるためあちこち訪ね歩くのですが、周囲は首をつっこむなと警告をします。
同族ばかりのムラ社会というと、日本では横溝正史描く金田一さんのホラー推理になりますが、こちらは違って探ったためにリンチされたりかなりバイオレンスです。

生活資金を得るために、主人公は支度金の出る軍隊に入ろうとしますが、面接官は年齢も満たない彼女を「そんな簡単な気持ちで入ってはいけない」と諭します。

最後には17歳には酷な経験をして乗り越えていくのですが、この土地って変わらないし昔からこうだったのだろうなと。




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もう1本の「ゴーストライター」は、ユアンが出ているので特に今回観たかった映画です。ユアンが元英国首相のゴーストライターの役であると同時に、このサスペンスの黒幕を考えた時、ゴーストという題名がよくわかるというか。
元英国首相の伝記のゴーストライターを巨額報酬で引き受けたのがユアン演じるライター。元英国首相と行動を共にするうち、前任のゴーストライターが不審死を遂げていることを知る。元英国首相には戦争がらみのスキャンダルが出て大騒ぎの中、不可解な出来事に巻き込まれていくというもの。

元英国首相に元007のピアース・ブロスナンは適役。今回の映画祭は重くノンフィクション的な作品ばかり観ることが多かったので、娯楽性にも配慮した本作は映画本来の娯楽性も感じながら観れて面白かった。
監督はロマン・ポランスキー。ストーリー展開でユアンが途中あれだけ危機回避能力に長けていたのにラストはなぜ?という気もしないでもないが、飽きることなく展開を追っていけ、楽しませてくれた1本でした。


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