をとなの映画桟敷席         ~ほぼ毎日が映画館

映画取材から編集裏話まで、るかのここだけの話を忘れた頃にアップします

昨日の東京国際映画祭(2)「牙狼」、「ブライトン・ロック」

2010年10月26日 | 映画
昨日10月25日の東京国際映画祭はちょっと落ち着いた感じ。


©2010 雨宮慶太/東北新社

夜行われた特撮「牙狼」が人気有り満員!テレ東で放映していたとき観ていましたが、マスクやコスチュームが格段にクールなんですね~。
その前に放映されていた「ライオン丸」も面白かったし。

「牙狼」が映画化になるというのでストーリーはともかく興味を惹かれました。みんな3Dメガネを着用でしたぞ。



© 2010 StudioCanal S.A/UK Film Council/BBC

それから「ブライトン・ロック」も満員でした。メイン写真だと、大勢のスクーターが走っている写真で青春映画か? と思ってしまいますが、ピカレスクな犯罪映画でした。でも、ある意味青春映画か。

ただ、ちょっと冗長なのと、主人公のカップルとそれを追い詰めていくヘレン・ミレン演じるカフェの女主人とのそれぞれの雰囲気というか柄というか…の違いがしっくりしない感じがしたんですね。ラスト近くヘレン・ミレンが豪華ホテルで老紳士と語り合う場面がシリアスさからちょっとコメディ映画的で、「第12話はこれで一件落着」みたいなカンジ。
どうも「ミステリ・チャンネル」とかでよくやっている欧州系推理・探偵もののTVシリーズの1話みたいなつくりの映画なんです。

でも主演の俳優サム・ライリーはこの影のある役にあっていて、ちょっと童顔でディカプリオ似な甘いマスクもなかなか良いですよ。若いころのアラン・ドロンがよく演じていたかけだしの悪(ワル)的な雰囲気を持っていますね。

それだけに、犯罪に巻き込まれていく女性は見事にイラッとくるドン臭い女性を演じていますね。ラストの終わり方も、ロアルド・ダールや星新一的オチが。「知らぬが仏」ということなんでしょうか。

ちなみに「ブライトン・ロック」は日本で言う「金太郎飴」みたいなスティック状のアメのこと。「切っても切っても同じ」というようなセリフもあります。

東京国際映画祭はじまる(1)「四つのいのち」、「レオニー」、「ゼフィール」

2010年10月24日 | 映画
         ©レオニーパートナーズ合同会社

昨日10月23日、東京国際映画祭が始まりました!
オレンジ色のドレスのと、東山との結婚を発表した木村佳乃が六本木けやき坂のグリーンカーペットを歩いていよいよ開幕!沿道には一般の方を含めてすごい人の波。

さて、肝心の映画ですが、実は開幕宣言より前にマスコミ用上映は始まっていて、今日はイタリア映画「四つの命」、松井久子監督の「レオニー」、トルコ映画「ゼフィール」を観ました。

どれも良かったけれど、特にお勧めなのは「レオニー」。彫刻家イサム・ノグチの母、レオニーさんの日米にまたがる波乱に満ちた人生を描きます。とにかく強い米人女性です。それだけに、中村獅童演じる夫の野口米次郎の変わりようは許せん。鴎外の「舞姫」みたい。
そんな中で、ラフカディオ・ハーンの妻や津田塾創設者の津田梅子などが出てきます。誰が手を差し伸べてくれたのか、否かなども語られ、当時の日本女性の置かれていた立場も描かれています。
最後に、イサム・ノグチの北海道のモエレ公園が映し出されるところは壮観です。お勧め映画でした。



© FiLMiK / FC ISTANBUL, 2010 TURKEY

ゼフィール」はハイジみたいに祖父祖母と山の中で暮らす少女ゼフィールが主人公。いつもおかあさんを待っています。あるときお母さんが戻ってきて喜ぶゼフィール。でも、また出て行って2度と戻らないと話していたのを聞いてしまいます。
母の旅立ちの日、後をついて行くゼフィール。そして悲劇が!

うーん、鑑賞後の後味は悪いです。母への深すぎる愛情というよりは、精神的な病が潜在しているように思えてしまうのです。母が山へ戻らない理由が、最初は男性か家族でもできたのかと思ったのですが、後半出てくる写真から中東で活動する兵士なのか、いまいち漠然としていてぼやけてしまうのです。残念。

一般上映では「ソーシャル・ネットワーク」が大人気でしたね。ビッケも観たかったけど満員で入れませんでした。


隠された日記~母たち、娘たち~  (映画)

2010年10月17日 | 映画
                    (C) 2009 Sombrero Films-France 3 Cinema-Filmo

映画「隠された日記~母たち、娘たち~」


最近、別作品では上下ジャージ姿(しかも今風のお洒落なジャージでなく)を披露しているカトリーヌ・ドヌーヴ主演の本作。
相変わらず美貌は衰えていませんが、女性の悩みのもと、体幹は…仕方ありません。なのにタイトな服を着てハイヒールを履くと「きんどーちゃん」をつい思い出して・・・。

そういうコメディ映画ではありませんっ!(そうじのこういうセリフ回しも多かったな~。)
となっ! とってもシリアスな内容なのです。
ドヌーヴは夫とフランス郊外で静かに暮らすハイソな奥様。彼らの娘が妊娠という秘密を抱えて戻ってきます。娘は今時の女性で、シングルマザーとして生むべきか否か、悩んでいるところ。

そこへ、愛人ができて家を出て行ったとされている祖母(ドヌーヴ演じる奥様にとっては自分の母)の人生がからんできます。古い時代に言語道断とされるようなことをしでかした祖母に、少女時代の母はトラウマを抱えている設定です。

キッチンの奥から娘が祖母の日記を見つけたことから、その生き方、そして聞かされてきた奔放さは本当だったのか、サスペンスが混じってきます。

観終わったあと、ペネロペ・クルス主演の「ボルヴェール」にも似てるなと感じました。
そして、祖母・母・娘を通して、女性と自由、母になることの不安やDVなど女性を取り巻く問題を浮き彫りにする映画とみました。


ストーリー:カナダで働くオドレイ(マリナ・ハンズ)は、久々に両親の住むフランスの海辺の街に帰って来る。医師の母(カトリーヌ・ドヌーヴ)とは昔からそりが合わず、再会しても二人の間にはどこかぎすぎすした空気が漂っていた。結局オドレイは仕事を理由に実家ではなく、亡くなった祖父が生前住んでいた海辺にただずむ家で休暇を過ごすことにする。

10月23日より、銀座テアトルシネマ他、全国順次ロードショー
(劇場窓口で特別鑑賞券をお買い求めのお客様に限り、クレールフォンテーヌのナチュラルシリーズA5ノートをプレゼントするそうです。ただし、なくなり次第終了とのこと。)

もうすぐ東京国際映画祭

2010年10月03日 | 映画
今月10月23日(土)~31日(日)より、またまた第23回東京国際映画祭が開催されますね~。
初日はいつも六本木けやき坂グリーンカーペットを、監督やスターたちが歩くので、マスコミ関係者だけでなく、一般のセミプロカメラマンやら、お買い物でたまたま来ていた人などで大盛況となります。

今年の目玉はなんでしょうかね? 毎年行われる映画人をピックアップしての「映画人の視点」ですが、今年は小泉今日子種田陽平りんたろう、といったラインナップ。りんさんがアニメファンならずとも幼少期を過ごした世代には楽しみですね。

あとはブルース・リー特集もあるとか。

楽しみですね!