Je vis ma vie 〜ありがとうの気持ちがあふれる社会へ〜

マーケティングの本質は「ありがとうの気持ち」の探求だと考えます。こちらで社会にありがとうの種をまく活動や想いを綴ります。

カレーライスに牛乳をかけるのって「ふつう」?

2021-06-24 | 哲学対話

お読みいただきありがとうございます!
「モンテッソーリ教室 マヴィのおうち」を拠点に
幼児期から自立と協働を育むコミュニティづくりに取り組むママヴィの代表 桑原です。

 
 
 
かなり久しぶりの投稿となってしまいました。
月日が経つのはあっという間…
 
新たなチャレンジも
たくさんさせていただいているので、
できる限り残しておきたいなと復活しました!
 
 
 
昨年から、月に1回ペースで
とある小学校の「こども哲学」の授業を担当させていただいております。
 
 
今月は、
2年生と「ふつう」をテーマに考えました。
 
 
こちらは、私が子どもの頃に食べていた
わが家のふつうの「こどもカレーライス」
 
甘口カレーをさらにマイルドに
そして、
ねこ舌さんにも優しい温度に調整するために
「冷えた牛乳」をぶっかける
これが、わが家の「ふつう」のスタイルでした。
 
 
幼いころは、
「牛乳をかけなくてもカレーライスが食べられるようになったらちょっと大人」
そんな風に思っていました。
 
 
 
学生時代、
「大人になったなと感じる瞬間って
 カレーに牛乳かけなくなった時だよね!」
と言う私に引きまくる友だちを見て、初めて
「どうやらふつうではないらしい」
ということに気付きました。
 
 
 
 
さて、2年生とのこども哲学でも
「牛乳をかけたカレーライス」が波紋を呼びます。
 
「まずそう」
 
「ふつうじゃない!」
 
「なんか変だよ!!」
 
散々な言われようでした。
 
 
でも、私にとっては「ふつう」だったのよ。
じゃあ、「ふつう」って何?
 
 
「たくさんの人がやっていることじゃない?」
 
 
たくさんの人がやっていたら、どんなことでも「ふつう」になるの?
 
 
 
「だいたい、マズそうなのがふつうじゃないんだよ!」
 
 
いやいや…美味しかったんだって!
食べたこともないのに、
マズそうって決めちゃうの?
じゃあ、美味しかったら「ふつう」になれる?
 
 
「あーなれるかもしれないね。やってみて考えるよ」
 
「うん。ちょっと気になってきた。」
 
「オレは絶対やらないけどね。絶対マズイから・・・」
 
 
話しているうちに、2〜3人が試してみたくなったようです。
 
 
 
そもそも、
「ふつう」を決めるのは誰なのでしょう?
段々、カレーライスから離れて「ふつう」と向き合い始めました。
 
 
「自分がいつもやっていることは
 その人にとっての「ふつう」なのかもしれない」
 
 
「ふつう」を決めるのは「自分」なの?
 
 
 
「いや、例えば
 人間は歳をとったら死ぬのも「ふつう」」
 
 
「自分の「ふつう」と、みんなの「ふつう」があるのかもしれない…」
 
 
 
みんなの「ふつう」??
自分以外の人が思うってこと?
 
じゃあ、誰かから
「あなた「ふつう」ですね。」
って言われたらどう?
 
 
 
「え?イライラするかも」
 
「ボクは嬉しいな」
 
 
 
感じ方は人によって違いそうだね。
それはみんなの「ふつう」なのかな?
 
 
 
「自分の「ふつう」は自分らしいってことかも。でも、みんなの「ふつう」とは違う。」
 
「「ふつう」は、決める人によって変わってくるものなんじゃないかな…」
 
 
 
「ふつう」ってものすごく曖昧なことなのかしら?
 
段々深まってきたところで時間切れ!!
(あぁ、残念・・・)
 
 
 
今日は、違和感を投入して
「ふつう」について考えました。
 
モヤモヤのお土産が、何とも心地よく…
 
 
 
さて、来月はどんなテーマにしようかしら。
 

インプロからの哲学対話

2019-12-12 | 哲学対話
おはようございます。
お読みいただきありがとうございます!

「モンテッソーリ教室 マヴィのおうち」を拠点に
幼児期から自立と協働を育むコミュニティづくりに取り組むママヴィの代表 桑原です。

 
 
今年は、某企業様の課外活動としての哲学対話に参画しています。
 
いつも、
何かしらアクティビティがあってからの哲学対話
というスタイルなのですが、
先日はインプロ体験からの哲学対話でした。
 
 
 
インプロとは、即興演劇のことです。
 
 
 
演じるなんて、小学校の学芸会以来…
正直、私には縁がない世界だと思っていました。
 
それが、
数ヶ月前にワークショップ講師仲間の講座で体験して
 
またやりたい!
そして、その後誰かと話したい!!
 
そんな気持ちになったことが形になりました。
 
 

今回は、
無茶苦茶な設定のシチュエーションで紡ぐ
「お誕生日エチュード」にチャレンジしました。

 
親しいという設定があるだけで
元々、初対面の人との距離を取りたい私が
ほぼ初めましての人に自然にすり寄る不思議


支離滅裂のようで、その人らしさが露わになる
 

演じてるんだか、自分自身なんだか、
何が何やら分からないけれど
とにかく楽しかったというカオスな体験でした。
 
 
 
そんなカオス体験の後に皆で問いを出しあい
演技でどこまで違う自分になれるのか?
について哲学対話をしました。


女優や俳優は、ファッションや髪型など
まずは見た目から役になりきっているように見える…

ということは、
見た目を変えれば違う自分になれるのかもしれない?
 
 
そもそも、演じるって何だろう?
演じているのは自分なのか?違う自分なのか?
 
 
違う自分を演じていたとしても、
その人の素は出てきてしまうのでは?
 
 
相手からの見られ方が変わるだけで
自分が変わるかもしれない?

 
 
考えれば考えるほど、自分と他人の境界線すら
何だかよく分からなくなってきました。
 
 
今回のお誕生日エチュードは、
非常識な設定にこそ、面白みがありました。
 
インプロ体験で終わるのではなく
哲学対話によって多角的に考えることで
満足感も高まったように思います。
 
 
 
設定を変えたり、メンバーを変えたら
見える世界が変わりそうな予感もしてワクワクします。
 
インプロからの哲学対話…
 
多くの方の視点を取り入れながら深めたい世界です。
 
 
 

【開催報告】5歳からの座禅体験 お寺でこども哲学

2019-11-12 | 哲学対話

おはようございます。
お読みいただきありがとうございます!

「モンテッソーリ教室 マヴィのおうち」を拠点に
幼児期から自立と協働を育むコミュニティづくりに取り組むママヴィの代表 桑原です。

 

11月9日…

八王子 禅東院で開催された

キューティー・ロケットマーケッツ

にこども哲学のアトリエとして出展しました。

 

5歳からの座禅体験

お寺でこども哲学

 

1年間お休みしていたこども哲学のアトリエでしたが、

府中でリスタートの準備をしていたところにありがたいご縁をいただきましたので

いきなりのスピンオフ企画となりました。

 

6歳の年長さんから小学4年生までの子どもたちと紡ぐ、

非日常体験です。

 

今回は、ご住職の温かいご配慮により、

厳かな雰囲気の本堂にて開催させていただきました。



深い呼吸の仕方

 

座り方

 

心のあり方

 

順番にゆっくり教えていただき、

何とも心地よく始まりました。

 

 

初心者向けの方法として教えていただいた

数息観

自分の呼吸を数えることに集中し

何も考えずに精神を統一する方法です。

 

が…

 

何も考えないって、とても難しいのです。

 

次の展開をどうしていこうかと考えたり、

聞こえてきた外の音から様子を想像したり、

雑念に追いかけられている自分についてすら考えてしまうのです。

 

 

それでも、

出来るだけ呼吸を数えることだけを意識していると

余計なものが削ぎ落とされていく感覚になりました。

 

 

自己紹介がてら、互いに座禅の感想を共有したのですが

子どもたちは、純粋に座禅と向き合って楽しめた様子…

さすがです!!

 

 

スッキリクリアになったところで

対話の始まりです。



特に具体的なテーマは決めず、

今思う素朴な疑問を出してもらいました。



色々と出てきた中から選ばれた問いは、

なんで人ってしゃべれたり動いたりするの?




動物だからじゃないかな?

でも、動物ってみんなしゃべれる?

人は知恵があるからしゃべれるんじゃない?

知恵…そうかも。

でも、知恵って何だろう?

どこにあるのかな?

おなかの中にあるんじゃない?

いや、頭じゃないのかな?

問いは、徐々に「知恵とは何か」に変わっていきました。

知恵って見えるものかな?

見えないよ。

見えなくてもあるって分かるのはなぜだろう?

身体の中のどこかにあるから。外側からは見えないだけなんじゃない?

じゃあ、手術したら見えたりするかな?

もしたしたら知恵なんて本当はないんじゃない?あると思いたいだけなんじゃないかと思えてきた…

知恵があるからしゃべれるんじゃないかと思い始めたけど、知恵が何だか分からなくなってきました。

知恵じゃなくて、身体と心があったら動いたりしゃべったりするのかも。

知恵を軸に行ったり来たりしているところで

終了の時間がやってきました。

 

 

座禅でスッキリした頭の中は、

知恵ってなんだろう?でモヤモヤ…

このモヤモヤをお土産として持ち帰ってもらうことになりました。

 

 

今回は、

お寺の本堂での座禅をきっかけに

子どもたちが主体となって問いを深めていきました。

 

 

 

非日常空間を解放してくださった禅東院のご住職に

参加いただいた皆さまに

お手伝いに来てくださったスタッフに

イベントに誘ってくださったちーちゃんに

ありがとうの気持ちを込めて…

 

 

次回のこども哲学のアトリエは

拠点である府中マヴィのおうちにて、

1月に開催の予定です。


自己肯定感を育む 「待つ」力

2019-05-30 | 哲学対話
おはようございます。ママヴィ桑原です。


以前お受けした
とある公民館のこども哲学講座に参加頂いた
親子のママに
先日、約 半年ぶりにお会いしました。



確か小学1年生の兄と、幼稚園に通う妹の兄妹



当時、お兄ちゃんは
知らない大人が進行役の謎のイベントに
無理やり参加されられる…
と思ってイヤイヤついてきたと記憶していますが

子ども主体の活動が尊重される空間

他の子と話しながら自分の考えを深める体験

自分の考えを言葉にして表現できた経験

それを心から楽しんでくれて
今でも兄妹の話にちょこちょこ登場することを
教えていただきました。



なんとも嬉しいお話でした。




自分の考えがなかなか言葉にできず、
コミュニティボールを握りしめて
うーん うーんと一生懸命考えていたお兄ちゃん

その時、
自分の言葉にできるまで待っていたことが
とても嬉しかったそうで
大きな自信になったとお聞きしました。

それ以降、
物事に対して積極的になったのだそうです。



彼は、考えを言葉にして伝えたかったんですね。



どうやって自分の考えを適切な言動で表現するか

彼を見ていて、
伝えたい気持ちがあることを感じたので
ゆっくり待ったのを覚えています。



でも…忘れてはいけないこと。



発話することだけがすべてではありません。

伝えたくても言葉にできないもどかしさと
発言したくない気持ちの違いを
観察して見極めることはとても大切です。



また、大人の時間感覚と
子どもの時間感覚とは少し違います。

幼児の場合、大人の7〜8倍ゆっくりが
ちょうどよいスピード感とも言われています。

せかせかと追い立てられるようなスピードだと
ときに子どもたちを追い詰めて
自信をなくしてしまうかもしれません。


子どもたちをよく観察して
必要なときにはじっくり待つ



それだけのことですが、実は大人には難しい…


観察する視点を育むことは
待つを知ることなのかもしれません。





世界でひとつだけの自分史ノートをつくってみよう!

2018-12-29 | 哲学対話
おはようございます。マヴィ 桑原です。

先日、都内商業施設のイベントで
小学生向けこども哲学企画の講師をさせていただきました。



先方のニーズを踏まえて、
将来の自分像を描くノートをつくるという
落とし所をある程度見越したフレームワーク

なかなかのチャレンジでした。



他の子と対話をしながら
自分自身のノートもつくっていくということは
対話と活動を分けるより
少し複雑なプロセスかもしれません。

フレームワークということは、
ともすると 参加者に受動的な作業を強る
ということになるかもしれません。

ワークシートに枠があれば
制限時間内に枠の数の穴を埋めなければいけない
と、先入観による規制が先に立ってしまい
考えることより
穴埋めを優先してしまう恐れもあります。



私がすべきは、
制限された中で思考を解放できる環境づくり



参加者が変われば、その回ごとに
場の雰囲気も、進むペースも違いました。



共通していたことは、
いつもより、少し深く考えるだけで…
他の子の視点に触れるだけで…

新しい気づきに出会えたことが
子どもたちを楽しいと感じさせたようでした。

気づきはステキな学びです。



このイベントのひとつのゴールは
今の自分を記録するノートを作ること…
未来の自分に向けたメッセージを残すこと
でした。

今回、参加いただいた保護者の皆さまにとっても
今まで知らなかったお子さんの考えを知れたこと
楽しんでいる様子を目の当たりにできたことで、
満足度の高いイベントになったようです。





形として残すことで
考える楽しさを未来につなげるきっかけに
少しでもなってくれたら…

そんな思いを込めて、
次回は1月に静岡で開催です。