Je vis ma vie 〜ありがとうの気持ちがあふれる社会へ〜

マーケティングの本質は「ありがとうの気持ち」の探求だと考えます。こちらで社会にありがとうの種をまく活動や想いを綴ります。

モンテッソーリ教育 日常生活の練習(実践編)

2017-08-06 | モンテッソーリ教育
おはようございます。
こども哲学ファシリテーターの桑原です。


今日は、モンテッソーリ教育の
「日常生活の練習」の
具体的提示について細かく残したいと思います。


すべて共通して、誘いかけから始まります。
「◯◯ちゃん △△のお仕事やってみますか?」
「うん、やってみる!」

子どもの意志でやってみるお仕事はきまります。
用具がある場所に導き
「これが△△です。
 これは◇◇(場所)でします。
 ◇◇まで運びましょう!」


必要に応じて、持ち方や運び方を説明します。

ここから模範提示が始まります。
子どもの利き手側に立つことで、
子どもから模範提示が見えやすくなります。

実際に模範提示の練習の様子です。

基本運動「貼る」

この直接目的は、
のり筆を使った貼り方を知ることです。

「貼る はテーブルの上でするお仕事です。」

使う用具
・ のり(水でゆるく溶いたもの)
・ のり筆、筆置き
・ お手拭き、トレー
・ 貼る台紙
・ 貼る紙


台紙の形を指差して、
「これと同じ形の紙はどれですか?」
と貼る紙を選んでもらいます。

「筆は3本の指でこうやって持ちます。」


ここからは、ことばではなく
動作をひとつひとつゆっくり提示します。

のり筆にのりをつけ、
台紙に描かれている図形の
外側からゆっくりはみ出さないように
内側に向けてのりを塗ります。
塗り終わったら、筆置きにのり筆を置きます。

貼る紙を台紙の図形にぴったり合わせ
きれいに貼付けます。
人差し指と中指でしっかりと押さえます。

指にのりがついたら、お手拭きで拭きます。


正確に貼れたかどうか確かめて
「貼れましたね!◯◯ちゃんもやってみる?」

ここまでが「貼る」の模範提示です。



続いて、
自己への配慮「着衣枠:ちょう結び」

この直接目的は、
衣類の着脱に必要な動きを知ることです。
特に難しい部分を孤立化した用具になります。

「着衣枠は、テーブルの上でするお仕事です。」

使う用具
・ ちょう結びの着衣枠


「まずは、ちょう結びをほどきます。
 やってみるから、見ていてね。」

上から、ひもの両端をゆっくり引っ張って
下まで順番にほどきます。

結び目をほどき、
それぞれの側にひもを伸ばします。

両前立てを左右に開くと
枠が空っぽになります。
枠の中に両手を置き
「開きましたね!
 では、ちょう結びをします。」


両前立てを閉じ、上からはじめます。

右手で左ひもを右斜め上へ
左手で右ひもを左斜め下へ交差させます。
これを下まで繰り返します。


右手で、上になっているひもを
下のひもの上から手前にくぐらせて抜き取り
ひもの両端を引きます。

これを下まで繰り返します。

左側のひもを2つ折り(輪)にして



輪の元を左手親指でしっかり持ちます。


右側にきたひをも右手で持ち
右ひもは上部から回し


左の輪と結び目の間に
指で押し出すようにしてくぐらせます。



両手で二つ折りになった両方の輪を
引きながら整えます。


これを下まで繰り返します。

「結べたね。◯◯ちゃんもやってみる?」
ここまでが、「着衣枠:ちょう結び」
の模範提示です。



最後は、
環境への配慮「点滅」

直接目的は、
ろうそくの点滅の仕方を知ること。
マッチの擦り方、始末の仕方を知ること。

「点滅は、テーブルの上でするお仕事です。」

使う用具
・ ろうそく
・ ろうそく立て
・ ろうそく消し
・ マッチ
・ 燃え殻を入れる容器


「やってみるから、見ていてね。」

マッチ箱を左手で机上に固定し
右手で中箱を3分の1ぐらい出して
マッチ棒を1本取り
箱を閉める。

箱のする面を上に向け、
左手で机上にマッチ箱をしっかり固定する。

右手でマッチ棒を水平に持ち
手前から向こう
水平に擦り、火をつける。

マッチ棒を水平に保ちながら
ろうそくの芯に近づけ、点火する。

マッチの火をろうそくから離し、
左手で火を覆うようにして、一息で吹き消す。

水の入った容器に
マッチの燃え殻を入れる。
(ジュっという音を楽しむ。)

マッチをトレーの定位置に戻す。

ろうそくの炎を見る。
「きれいね。火がついたら匂いもしてきたね。」


ろうそく消しを右手で持ち
左手で支えながら
炎の上から静かにかぶせて火を消す。

「これが点滅です。◯◯ちゃんもやってみる?」
ここまでが、「点滅」の模範提示です。



今回学んだ「日常生活の練習」は
これらを合わせて30項目・・・
これが基礎となり
子どもを観察し、それぞれに適した
オリジナルのお仕事を
考案しなければなりません。



ある先生に言われたことばが刺さりました。

「皆さんはTeacherではありません。
 Directorなのです。
 環境を構成し、
 環境との関わり方を提示するのです。
 子どもたちに真似をさせるのではありません。
 何のための提示、何のための分析なのか
 しっかり理解する必要があります。
 本当に核心的に大切なことは何なのか
 を見つけることです。」


大人になっても、
核心的に大切なことを
分かっているとは限りません。

むしろ、経験によって
核心が分からなくても
何とかなってしまっています。

だから、無意識的にマニュアルを求め
「ここはどうしたらよいですか?」
という質問をしてくる人が多い
というご指摘でした。



大切なことは何か?
子どもにも分かるように
動きを細かくシンプルに分解しているか?
それが伝わっているか?
余計なことはないか?

そこを意識して、
考えながら取り組んでみようと思います。



明日から、「感覚教育」が始まります。
今年のスクーリングも折り返しです。
元気に乗り越えたいと思います。






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