カエサルの世界

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●ラダマンス・ネメスを描いてみようと思いました。

2016年02月17日 | ☆おえかき    

 昨日(2/16)、ラダマンス・ネメスを描いてみようと思ったんですよ。
 ラダマンス・ネメスは、ダン・シモンズさんの小説『ハイペリオン』シリーズに登場するアンドロイドです。悪役なんですけど、とんでもなく強いです。どれくらい強いかを表現するのは難しいのですが、「スーパーサイヤ人くらい」と言えば、理解してくれる人もいるだろうと思います。
 ラダマンスがスーパーサイヤ人と違うのは、その強さが科学的な数値データで表現されたりするというところです。
 たとえば、地下80階まで続くエレベーターシャフトに飛び込んで落下していき、梁をつかんで静止します。この惑星の重力加速度は 1.7G。落下速度は500km/hに達していましたが、静止するのに要した時間は300分の1秒です。
 そのエレベーターを出た後、一人の男と会うことになりますが、ラダマンスは、彼の鎖骨の下に2本の指をつきたて、彼の体を持ち上げます。
 このシーンを最初に読んだとき、「鎖骨の下に指をつきたてる」という表現が理解できませんでした。でも、体の中まで指をつきさすということですよね。それが鎖骨の下なら、相手の体を持ち上げることができます。
 ラダマンスは、小柄な女性です。相手の頭をわしづかみにして持ち上げ、ぶら下げるなどということはできません。それに、そんなことをしたら、頭と体とがちぎれてしまうかもしれません。その後の尋問ができなくなってしまう可能性があります。
 腕などをつかんだ場合も同じようなことが言えます。持ち上げることはできるかもしれませんが、その後の安定性に欠けます。尋問するために相手の体を持ち上げるならば、鎖骨の下に指をつきたてるというのは極めて合理的なやり方だと思ったりしたのでした。
 そもそも、彼女がこの惑星に到着したとき、200Gの減速加速度、-30℃、ほぼ真空という状態の中で平然としていたのです。こんな話が次から次と出てくるわけで、きりがありません。
 そんな彼女を描いてみようと思ったわけです。
 映画とかになっているわけじゃないので、元画像になるようなものがありません。ハヤカワ文庫の表紙の生頼範義さんのイラストには、ラダメンスらしき人影もあったんですけど、ちょっと使えそうにありませんでした。
 しかたがないので、原作を読み直してみることにしました。
 初登場のシーンでは、「深紅のジャンプスーツ」を着ており、「ショートの黒髪」で「黒い目」をした「小柄な女」ということになっています。
 そうしたキーワードだけでラダマンスを描いてみることにしたわけですけど、ジャンプスーツって何? ショートの黒髪ってどういうの? という状況だったので、ネットでいろいろと調べてみました。


 ジャンプスーツというのは、つまり、ツナギのことなんだと思いました。いろんなタイプのものがあるようですけど、ラダマンスが着るなら、いわゆる「皮のツナギ」ということになるだろうと思いました。
 そういう画像はいくつもあったんですけど、ほとんど黒です。赤いのもひとつだけあったんだけど、黒の方がかっこいいと思って、黒を使うことにしました。レタッチソフトで、赤に変えました。
 その後、トレースするのではなく、元画像に書き込みをするということにしました。持っていた鞭やたわわな金髪を消して、ショートの黒髪にしてみました。顔も描き直したことになりますけど、顔を描くのは難しいですね。


 モデルは、『ルパン三世』の峰不二子さんのフィギュアです。
 ジャンプスーツの黒→赤の返還は一瞬でできるし、ピストル(ラダマンスは武器なんか使わない)を消したりし、フィギュア特有の関節などのところのゴマカシも簡単にできます。でも、顔がどうしようもないですね。
 そもそも顔を描くのは難しいわけですけど、「こういう顔を描こう」というイメージができているわけではありません。


 モデルは、『攻殻機動隊』の草薙素子さんのフィギュアです。
 草薙さんの場合、ジャンプスーツじゃないんですよね。「アーマー」ということになると思います。ラダマンスはそういうものを着たりしないと思うんで、これをジャンプスーツに描き変えちゃおうと思ったんですけど、中途半端なところで止めざるを得ませんでした。
 この前後に顔を描いてみたわけですけど、描けば描くほど酷くなるという感じでした。もともとの草薙さんの顔に戻して、アーマーの部分が残ったままでUPすることにしました。


 最初に描いたラダマンスの顔を並べてみました。
 左→中→右の順で描いています。
 こうして並べて見ると、左が一番よかったという気がしますね。
 元画像のままと言ってもいいくらいなんですけど、やや目尻を上げて、やや口角を下げて、「不機嫌そうな顔」にすることはできたと思います。
 ただし、ラダマンスの冷酷さは微塵も感じられません。
 なんとかできないだろうかと思って、いろいろとやってみているうちに、眉を消してみたらどうだろうと思ってやってみたのが、真ん中の画像ということになります。冷酷さが感じられないというのはあいかわらずですけど、「悪そうな顔」にすることはできたと思います。
 結果として、この顔でUPすることにしました。
 その後も、いろんなことを考えて、いろんな描き方をしてみました。
 最後の最後が右の画像ですけど、ふざけていたわけでも、手を抜いたわけでもないんですよ。マジメに、一生懸命にラダマンスを描こうとして、こうなっちゃったのです。
 こうしたことを、峰さんでも草薙さんでもやりました。
 峰さんや草薙さんの場合、元画像(フィギュア)の元画像はマンガですから、お目々はパッチリだし、鼻はほとんどありません。そこからラダマンスを描くというのは、難しすぎたということになると思います。
 今回は、やったぜ、こんな絵が描けちゃったぜ・・・ということにはならなかったわけですけど、それなりに楽しかったですね。
 ペンタブお絵描き、まだまだやり続けることになると思います。


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