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いい年をした大人が、「オトナ買い」なんてしちゃいけません。
仕事が手につかないじゃありませんか。
寝不足になってしまいますよ。
32巻。ほぼ、一気読み状態です。
いやあもう、面白かった!
「花とゆめ」という雑誌で10年間連載されていた作品で、
昨年完結しました。
ずっと気になっていたのですが、
先日衝動的に購入しました。
テニスを始めた少年が、インターハイの頂点を目指しての3年間。
といえば、まとめすぎですね。
なまじ高校生活(文化祭など)を挿入せず、
テニス、それもインターハイと関東大会(およびそれに至る予選)、
登場人物描写に絞った展開。
潔いです。
主人公は中学校で短距離長距離ともにトップ選手で、小学校時代は野球を経験。
でも、テニスは全くの素人。でも、熱い。ある意味、暑苦しい。
もう一人の主人公は、テニスの技術はあるのに、
プロを目指しているといいながら、テニスを楽しいと感じたことがない。
この二人を中心に、色々な人物が登場するのですが、
ひとりひとりがきちんと描かれている。
コーチの池田先生、サングラスで登場するんですが、
実は、このサングラスはファッションではなく、ちゃんと意味がある。
その彼女(実は高校時代の先生)、地味ながら、いや、その地味さが、
トッププレーヤーでありながらテニスをあきらめざるを得なかった池田先生を救ったりする。
コメディテイストで始まるこの物語、登場人物は重いものを背負っていたりします。
でも、そこは羅川真里茂、最終巻までにそれぞれにきちんと救いがあります。
圧巻は、最終の2巻にわたるインターハイ決勝戦。
試合の興奮と感動が、熱く熱く伝わり、
これ以上のエンディングは考えられないところに着地して見せます。
10年にわたる連載で、コミックスとしてまとめて読んでも、
試合と人物の心情表現と少年たちの成長をこれだけ描ききる構成力。
青春群像としての物語と、スポーツ漫画としての面白さのバランスの良さ。
そして、ちゃんと少女漫画の要素も外しませんよ。
あああ、おもしろかった!
笑った!泣いた!
満足しました。
私の感想では十分に伝えきれないので、これはもう、読んでもらうしかないと思います。
「花とゆめ」のターゲットは中学生ぐらいらしいですが、
子どもにだけ読ませておくのはもったいないです。
それで、姉に進めてみましたが、忙しいからと断られました。
妹にも勧めました。
最初は絵柄で躊躇したようですが、
「絶対面白いから!」と私が断言したら、
「それなら間違いはなかろう」とお持ち帰りしてくれました。
「いや、妹も、あのシーンで泣くに違いない」
と、感想を聞くのが楽しみです。
と、この文を書きながら、ふと31,32巻の表紙を並べてみると、
また泣きそうになったよ。
ただ!
ただ一つ残念だったのは、当初の予定では3年目のインターハイ、
実際の開催順で行くと熊本になるはずだったけれども、
筆者によると、「ドームなので、変更することにした」とのこと。
ドームではあの夏の日差しと空を描くことができないとのことでしょうか。
…え?ドームだからって、あのパークドームのことですか?
確かに、総合運動公園のメインのパークドームでテニスもできるけど、
総合運動公園内にはテニス専用コートもあって、
こないだは、高校生が普通に大会を炎天下でやってましたよ。
調べてみたら2001年のひのくに新世紀総体2001の時のことだと思うんだけど。
きっと、ドームではほかの競技があって、テニスコートのほうで試合は行われたのでは。
ああ、リアルタイムで読んでいれば、私が
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_warai.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_naki.gif)
そしたらそしたら、延久と留宇衣の最後の試合は、熊本が舞台になるはずだったのよね。
あああ、そこだけが、かえすがえすも残念。
でも、傑作です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/fuki_osusume.gif)
蛇足。
最初は「しゃにむにGO!」というタイトルは、担当さんからなかなかOKがもらえなかったんだけど、最終的には押し通したそうです。
読み終わって、このタイトルしかないと思いました。