桶川ストーカー殺人事件―遺言 (新潮文庫) | |
清水 潔 | |
新潮社 |
内容(「BOOK」データベースより)
ひとりの週刊誌記者が、殺人犯を捜し当て、警察の腐敗を暴いた…。埼玉県の桶川駅前で白昼起こった女子大生猪野詩織さん殺害事件。彼女の悲痛な「遺言」は、迷宮入りが囁かれる中、警察とマスコミにより歪められるかに見えた。だがその遺言を信じ、執念の取材を続けた記者が辿り着いた意外な事件の深層、警察の闇とは。「記者の教科書」と絶賛された、事件ノンフィクションの金字塔!日本ジャーナリスト会議(JCJ)大賞受賞作。
「このままでは殺される」と警察にストーカー被害を告訴したにもかかわらず、
告訴自体を無いものにされ、殺された女子大生。
偏見に満ちた女子大生像の情報を大量に垂れ流すマスコミ。
前半は「書くぞ!」という気負いが見えて、ちょっと引いてしまう部分もあったのですが、
実行犯逮捕→警察の責任を問う裁判→判決
その中で、警察の体質に対する「怒り」のほとばしりに、一気に引き込まれました。
実行犯と、警察と、マスコミに殺された、ごくごく普通の女子大生。
どうにもやるせない思いにさいなまれる読後感でした。