ただのサッカーブログ

世間知らずの人間が書くサッカーを中心とした個人ブログ。2020年からはサッカー以外の事も少しずつ。

プレー中、ピッチで心停止 一命取り留めたAED普及促進を訴える栃木SCのDF井出

2020-10-21 | Weblog
2020/8/27、下野新聞(栃木県)、文字起こし

サッカーの話題

経験元にAED普及訴え

プレー中、ピッチで心停止
一命取り留めた栃木SC井出
「迅速な措置で今の自分」
心停止で生死の境をさまよった自身の経験から、
AED普及促進を訴える栃木SCのDF井出
=8月上旬、さくら市のさくらスタジアム

J2栃木SCに、かつて死の淵から生還した1人の青年がいる。
6月に加入した元J1柏のDF井出敬大(いでけいた、19)だ。
4年前、ジュニアユースの試合中に心停止でピッチに
倒れたが、周囲にいた人たちの助けで一命を取り留めた。
「迅速な対応のおかげで今の自分がある」。2011年に
急性心筋梗塞で死去した元日本代表松田直樹さん
(まつだなおき、享年34)の命日にあたる今月4日には
クラブ、公式ツイッターを通じ、自動体外式除細動器
(AED)の普及促進などを訴えた。

16年3月下旬のことだった。中学2年で柏のU15に
所属していた井出は公式戦に出場していた。チームが
後半ロスタイムに同点に追い付き、仲間と喜びあった直後
「目の前が真っ白になった」。
膝から崩れ落ち、記憶が途切れた。

意識を取り戻したのは約5分後。頭上ではAEDの作動音が
聞こえた。対戦相手の選手の保護者として試合を観戦
していた救急救命士の男性が、心肺蘇生を先導していた。
柏のスタッフが数日前にAED講習会を受講していた
ことも迅速な処置につながった。

その後の精密検査で判明した原因は「冠動脈起始異常」。
先天的に心臓周りの動脈に奇形があり、それが血管を
圧迫したことで心停止を引き起こしていた。激しい運動は
死に直結する危険性をはらむ。何人もの医師から
「競技を辞めた方がいい」と言われた。

しかし、井出はサッカー人生を諦めなかった。強い
思いをくんだ家族や知人が多くの病院を渡り歩き、
腕利きの医師を見つけ出した。同年8月に15時間近い
難手術に成功。倒れた約1年後、試合のピッチに帰ってきた。

「困っている人を助けられるように」とAEDの使用法
や心停止時の応急処置を学んだ井出は、Jリーガーとして、
自身の体験を積極的に発信しようと考えている。
「自分が生かされたことを無駄にしたくない。誰かが
考えを変えるきっかけになれば」。多くの人たちの
努力で救われた命。井出は生きていることの幸せと
責任感をかみしめながら、サッカー人生を歩んでいく。
(伊藤慧いとうさとし)



10月20日(火)閲覧数:713PV 訪問者数:386人

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