先日9月13日の朝日新聞文化欄の記事に、
文化庁が貴重な文化財修理に欠かせない様々な原材料のリスト化を進めているという記事があった。
自然環境の変化や、生産者の後継者不足などで原材料の確保が難しくなりつつあり、
これまで口伝などに頼っていた情報をまとめて安定供給につなげようという試みだとか。
リスト化を進めるのは、絵画や工芸品などの文化財の修理の現場で、
手に入れるのが難しくなった原材料がいくつもあることが背景にあるそうだ。
修理には宇陀紙、雁皮紙といった和紙が使われることが多いが、
その原料の動物による食害や作業者の高齢化が進んで生産が危ういという。
私自身のことで考えても、茶道の中では和紙を使用されることはあるが、日常生活ではほとんどない。
一般に使われることが少ないとなれば、生産量も減るし、生産者が減っていくのは当然かもしれない。
特殊な修理の現場で使用されるものとなれば、尚更なのだろう。
それに昨今の異常気象。自然にかかわる動植物にとっても変化が大きく、
同じ場所で同じように残っていくことも年々難しくなっている。
便利な世の中になったけれども、やはり自然のものに勝てない、変えられない材料、
少しだけれど守っていくべきものというのもあるわけですね。
大変だけれどそれに気づいて、必要な保護保全を地道にしていく。
色々な人がいて、世の中を支えている
当たり前のことは何一つなくて、誰かがどこかで頑張ってくれているんだ
と改めて感じたことでした。
私もできることを出来る範囲で頑張らなくちゃなと。
< ご参考 >
文化財って?
旧国宝と新国宝
全国手すき和紙連合会
和紙と水引