茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

研究会 逆勝手

2008-02-21 16:05:42 | 茶の湯エッセイ
 一昨年、初めて研究会の舞台を踏みました。今年は終身師範正会員の社中の方が、逆勝手濃茶点前に出られるということで、その末客に座らせて頂きました。逆勝手については以前の記事をご参照下さい。今は逆勝手点前の大炉の季節でもありますので、宜しければ併せてどうぞ。
八炉
http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/7f410614f053dc147a4da8e2b346bed9
大炉
http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/36f841c286f6a74160a9c8e73f8be63c

 さて、今回舞台に出るにあたり、先生は特別稽古をつけて下さいました。研究会の舞台を想定して、八畳間を丸々使ってのお稽古です。普段のお稽古では、八畳を分けて、二人の方が同時にお点前をしているので、席入りやお客様の作法を本格的に行うことはできません。実はこのお客さんの動きや足捌きというのが、やっていないと難しいもの、貴重なお勉強の機会を得ることができました。
 茶道口にて扇子を前に置いて座り、にじって入ります。今回は逆勝手なので、左足で立ち上がり、全て左足で畳のヘリを越えて床の間正面に座り、一礼。軸、花と拝見して一礼。右足で立ち上がり、踏込畳を右で出て、左足で点前座に入り、飾られている水指と濃茶入を拝見、次に釜を拝見。右足で立ち上がり、出て、左足で席に向かいます。本勝手であればなんでもない足運びが、逆になるだけで混乱してしまいます。体が覚えているというのはすごいことだと思います。 
 末客は、席の入出の際に襖をしめる、濃茶を飲みきった後、正客からの”どうぞお茶碗の拝見を”を受け、お茶碗を正客の前に持っていく、茶碗を亭主に返す、拝見道具を正客と出合いで返す、という4つの忘れてはならない役目があります。
 当日は滞りなく終わりましたが、お客で舞台に座っているというのは、点前で参加するよりも長い時間に感じました。

 終身師範会員用の研究会だったせいか、業躰先生のご指導はいつも私が出ている正会員の時とは違って、点前云々よりも教える立場での心がけのご指導がメインだったように思います。その中で印象に残ったこと。
 ”自分のお稽古は□く、外では○く。普段の生活は、家では○く、外では□く。”
自分のお稽古は細かいところまできちんとしっかりと行わなければならないが、外のお茶会やお茶事では丸い気持ちで和やかに参加すること。普段の生活でも同じで、外で他人に接するときはきちんと、家で家族と過ごす時は和やかにゆったりと。
 ”右足、左足、あ、間違ったというような指摘はいちいちしないこと”
お稽古ではもちろん、右左の別は大事だが、例えば、お客として招かれて行った場合で偶然その席が逆勝手であれば、客は右左足捌きが違っても気にしない。
 ”最近大寄せの茶会に慣れてしまっているけれど、茶事では本来薄茶というのは、二服頂くのが普通ですね。だから、干菓子が二つ用意されて出てくるんですよ。”
まさに、これは私の先生もおっしゃること。茶事ではどうかという視点を必ず忘れないことが大事。

 研究会に参加するという目的があると、お稽古も集中してしっかり行うことができ、大変勉強になる。緊張するという場面が少なくなってきた今日この頃、とてもいい経験だ。わが社中は先生がご高齢なこともあり、お茶事、お茶会の機会が減ってしまって残念です。機会ある方は点前、お客、水屋の手伝いなど、どのポジションであっても、面倒だとは思わずに参加なさるといいと思います。(若かりし頃は面倒だと思っていた私は、やりたい時に機会なしの状況です。)どんな場所にも貴重な勉強のチャンスが待っています。

淡交会
http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/ac72fc7c3d6ac58a4b2c1d2d0ba83845
初舞台
http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/adf9bd148801134a349a60a44e6130cf
コメント (12)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 利休百首4 はぢをすて | トップ | ようこそ演芸ホールへ »
最新の画像もっと見る

12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
研究会 (ちぃちゃん)
2008-02-21 18:43:13
研究会…お疲れ様でした。
舞台に立つと、緊張なさるでしょ。
でも、いいお勉強になりますよね。

逆勝手の時は足も逆になってしまうので、お稽古で一番混乱してしまうのは足捌きかもしれませんね。

私の先生も、お稽古ではいつもお茶事の流れをふまえて教えてくださいます。
お手前(点前)ばかりではなく、お客様や水屋など学ぶことはたくさんありますものね。
返信する
直リンク (山桜)
2008-02-21 20:09:58
高齢の先生なればこその尊いお教えも多いことと思いますが、
ご負担の大きいお茶事などの機会は減ってしまうのですね…
私の先生はまだまだお若く元気ですので、機会を逃さず精進・
挑戦したいと思います。

処で前々から伺いたいと思っていたのですが、m-tamagoさんは
何故過去の記事などのURLに直接リンクを許可されていないのですか?
負荷が大きくなる、迷惑リンクを貼られる等の問題があったのでしょうか?
返信する
逆勝手 (蜆子)
2008-02-21 22:42:45
お久しぶりでした。
逆勝手といえば、過去に冷汗三斗の思いをしたことあります。ある場所をかりて茶会をしたことあるのですが、軸は前日に表装ができてきたばかり。席にかけてみましたら、軸がひきずってかけられない!
急遽濃茶席と薄茶席の部屋を交換しました。濃茶席が広間になってしまったわけ。
なんと濃茶せきは逆勝手、点てる人青くなり、それでもなんとかやりとげました。
きちんと練習をしておきましょうの見本みたいな話です。逆勝手の座敷あるんですよ、驚きでした。
ちなみに加賀藩前田家の家老の家のあと、西田家「玉泉園」です。忘れられない茶会でした。

先日よばなしの茶事を実施しました。
よかったらご覧下さい。
返信する
研究会 (m-tamago)
2008-02-23 16:22:53
ちぃちゃんさん、こんにちは。
舞台、最初はお点前だったし緊張したんですけど、今回はお客で2回目だったので、少し楽しめました。
本当にいいお勉強になりますよね。
出るチャンスがない方もいらっしゃるといいますし、出させて頂ける時は頑張ろうと思います。

逆勝手の足捌きは何度やってもとほほ~です。一年に一度は頭の運動でいいわねなんて話していますが。

ちいちゃんさんの先生も、いい先生なのですね。本当に学ぶことは多いですね。がんばります。
返信する
直リンク (m-tamago)
2008-02-23 16:27:47
山桜さん、こんにちは。
そうなんです、高齢の先生なればこその尊い教えも多いけど、できることは減ってきてしまうのです。もちろん、それ以外のところで自分で機会を作ればお勉強は如何様にもできるんですけどね。。。自然にそういう機会に恵まれるかどうかは大きいです。

>私の先生はまだまだお若く元気ですので、機会を逃さず
山桜さんの先生はお茶会もずいぶんなさって下さるようですし、積極的に参加して頑張ってください~。

>何故過去の記事などのURLに直接リンクを許可されていないのですか?
すみません、直接リンクってどうやるんですか。
やってみたいと思うのですが、やり方がわからないんです。なので、皆さんにはわざわざコピー&ペーストしなくちゃいけなくて、ご迷惑かけてるといつも思ってはいたんですが。宜しければやり方を教えて下さい。試してみます。
返信する
逆勝手 (m-tamago)
2008-02-23 16:34:31
蜆子さん、こんにちは。
ご無沙汰してすみません。

逆勝手の貴重な体験談をありがとうございます。なるほど、そういうことがあるのですね。蜆子さんは実践の方、茶事のご経験も豊富で色々なことをご存じなので、こうして実際の話を教えて頂けると嬉しいです。借りた場所で、急遽逆勝手になってしまって真っ青になる気持ちわかります。。そこでやりとげた方はすごいなあ。やはり何がおきても対応できるように日々精進が大切なんですね。

>ちなみに加賀藩前田家の家老の家のあと、西田家「玉泉園」です。
昔のお茶室でお茶事、すばらしいですね。

>先日よばなしの茶事を実施しました。
早速伺います。よばなし、いいですね。昨年体験してからまたいつか。。。と願っています。

返信する
直リン (山桜)
2008-02-24 19:26:07
私の使っているSeesaaブログではリンクOKを設定していれば
URLを貼るだけで自動的に飛べるように表示されるのですが、
gooブログの記事関連を今見てみたらHTML方式で入力しないと
いけないようですね。(ちらっと見ただけなので、間違って
いたらごめんなさい。 同じgooブログをお使いの方に教えて
戴けると一番良いのですが、取り敢えず
「HTMLタグ一覧」
http://blog.goo.ne.jp/how_to/e/10cc811bdea7cfb7e1de5e6ff4f50f07
こちらをご覧になってやってみて下さい。
返信する
コメント欄ではOKなのですね! (山桜)
2008-02-24 19:42:37
あら、コメント欄では直リンが出来るのですね!
先程の一覧をご覧になっても初めてだと分かりにくいと思い
戻って参りました。

例を書いて置きますね^^

「八炉」

この「なんたらかんたら」の部分に正しいURLを記入すれば

「八炉」

となる筈です。 さて、ちゃんと出来てるかしら(^^;
返信する
ごめんなさいっ! (山桜)
2008-02-24 19:47:07
やっぱり表にはコマンドが出ないんですね(当たり前か~><)
若しかして、裏からは見えますか? ダメかしら~?

えっと・・・では全角で書いてみます。 本当は半角で書いて下さいね。

<A HREF=”http//なんたらかんたら”>「八炉」</A>
返信する
ありがとうございます (m-tamago)
2008-02-25 17:42:48
山桜さん、こんにちは。
何度もすみません!教えて下さってありがとうございます。
よくよく見てみたら、ブログ作成画面で、検索リンクなるものがありました。今日の記事で試してみますね。gooの内容調べて下さって、お手数おかけしてすみません~。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

茶の湯エッセイ」カテゴリの最新記事