茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

懐石の流れ

2005-07-17 20:22:32 | 茶事
 流派によって違いはあるようだが、出される順に裏千家の場合でご説明します。

①飯・汁・向付(むこうづけ)
折敷(お膳のこと)の上に三つのせて出す。向かって左手前に飯椀、右手前に汁椀、向付は名前の通り、飯椀と汁椀の向うに中央に付ける。客はまず汁、飯と手をつける。これは酒を頂く前に少しおなかに入れる為のもの。向付は刺身などの酒の肴なので一献の後食べる。
②一献(酒)
 燗鍋に入れて出される。まず正客から順に一献だけ頂く。
③飯・汁替え
 飯器に入れた飯のおかわり(詰めまでで全部取りきれる位の量)と、お汁のおかわりが勧められる。
⑤煮物
 焼物と共に懐石のメイン。魚鳥類と野菜の入った清汁仕立てなど。
⑥二献(酒)
⑦焼物
 肴の切り身焼きや、あゆの塩焼きなど。古式では「引重」というものに入れて出した。
現在は鉢に盛り付けることが多い。
⑧飯
 飯器を十分に盛る。ほとんど客が預かり自由に頂く。
⑨小吸物(こずいもの)
 少量の実の入った湯で、箸洗いとも呼ぶ。八寸の前に箸を洗い、口直しをする為のもの。
⑩八寸(はっすん)・三献(酒)
 器が八寸角(約24センチ)の片木盆であったことからついた名前で、通常、左前に海や川の産物、右奥に山や野の産物の2種を盛る。これを肴にして千鳥の杯といわれる盃事が行われる。客が順に亭主を労って杯をあげる、よく時代劇に見られる殿様が自分の飲んだ盃で家臣に酒を与える盃を交わすような場面となる。
⑪湯斗(ゆとう)・香物
 湯斗は飯のおこげ等で作ったこがし湯。これと漬物で湯漬けにして頂く。
⑫菓子
 菓子は懐石の一部で、生菓子一種を縁高に盛って出す。初座の最後に出され、客は菓子を食べた後、一度退出する。(これを中立(なかだち)という)

 焼物がでたところで一汁三菜(向付・煮物・焼物)となるが、最近はこの他に強肴(しいざかな)といって一、二種の料理を出すことが多い。強肴とはお酒を強いる為のさかなのこと、鉢に盛って“自由におとりあげ下さい”との言葉が預けてあることから、「あずけ鉢」とも呼ばれる。そもそもは当日の食材の残りを調理したことが始まりというが、現在は季節の珍味や野菜の炊き合わせ、おひたし等を出すことが多い。内容によって出すタイミングは異なる。
 お酒も基本的には三献で終るが、お客で酒好きな方がいる場合は大ぶりの徳利で飯の後にだすこともある。但し、宴会と違い、お茶をおいしく頂く為のお酒なので、十分に心がけて頂くことが必要となります。
 日本料理屋さんに行くと懐石を頂く機会あり、八寸、向付などの言葉も見たことがあるのではないでしょうか。名前の由来を知るとおもしろくありませんか。
 また実際に順序のように頂いてみるとおいしくバランスよく組まれていること、また器もきれいに頂く工夫がされていることがわかり、日本食のすごさを感じます。
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1 コメント

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Unknown (みんなのプロフィール)
2005-07-18 03:51:53
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