茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

後炭と薄茶点前

2005-07-19 20:12:08 | 茶事
 濃茶が終ると、後炭点前。これは、薄茶をたてる頃には初めについだ炭がおちてお湯の温度が下がっているので、炭を整える為。ただ、時間短縮したい場合(例えば朝茶事、跡見の茶事等)は後炭を省略して「つづき薄茶」(濃茶に続いて薄茶を点てる点前)となることもある。客は、後炭で、炭のたけた跡、新しい炭をついだ景色を楽しむ。
 後炭が終ったら、くつろいで下さいとの意味で、連客に座布団をだし、たばこ盆を運ぶ。
 
 亭主は干菓子を正客の前に運び、薄茶点前が始まる。ここからは和やかな楽しい雰囲気となっていく。薄茶が連客に一順し、更に一服頂きたい時は正客を通じて所望してもよく、十分頂いたら正客が亭主に「おしまい下さい」と挨拶して、薄茶が終る。
 これで茶事は一応終わり。亭主は客を引き止めて更にもてなそうと努め、客は亭主の疲れを考えて長居しないように心配りするのが礼儀。
 
 正客から順に茶事の礼を述べ、床、炉などを拝見してにじり口から露地に出る。
 ここで亭主が見送りに出るので、すぐに立ち去らずにじり口に近い方から正客を頭に連客は並んで待つ。亭主がにじり口を開けて見送ろうとするのを正客はとめて、そのまま露地を歩いて待合に戻る。これを送り礼という。 形式的ではあるが日本らしいお互いを労わる所作。
 客は待合に戻り、最初のようにお湯を頂いて支度をして失礼する。

 客が帰ったら亭主始め水屋の人は茶席で一服お茶を頂きながら皆の労をねぎらって茶事について反省など語る。また後始末はなるべくその日のうちに行う。懐石道具から茶道具、花入や露地ぞうりなど、片付けるものは多岐に渡り、想像しただけで大変なものです。
 客は翌日、茶事のお礼の手紙を亭主にだすのが礼儀。これを後礼という。

 茶事のことを「一期一会」というが、客にとっても亭主にとっても二度とない会、お互いが楽しみながらお互いの気持ちを尽くすことが大切と思います。最近は面倒だといって様々なことを省略してしまうことも多いですが、この微妙なやりとりや心遣いが日本のよさなんだなぁと思います。
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