三井記念美術館で開催中の「茶箱と茶籠」展覧会にいってまいりました。
こちら、そもそもの会期は5月1日~6月27日まででしたが、コロナによる緊急事態宣言のため、
実際には6月1日からの開催となりました。
とにかく、茶箱の大きさや形から、入っている道具から、箱の細工まで、様々。
しかも、三井家所蔵なだけあって、どれも豪華です。
まさに玉手箱のよう。
出品リストだけも盛沢山です。茶箱の中の全ての道具が記載されていますから。
絵葉書になっていた「唐物竹組大茶籠」
内箱蓋裏には、碌々斎発句「月雪も花も友とて茶箱かな」。この展覧会の表題にもなっています。
大きな籠に、一行書、香合、釜敷、灰器、花入、水指、香箱、菓子器、折据、花月札まで入っています。
しかも、花入や茶入も何個か入っていて選べるようになっている。
びっくりしました。
なんだかおままごと道具のようでもあります。
趣向に応じて好み道具が選べるよう自由な使い方がされたそう。
記録では、昭和5年に北三井家10代の三井高棟が小涌谷の別荘で、この茶籠を使って、益田鈍翁、野崎幼庵らを招いた茶会をしていると。
私たちが習っている茶箱のお点前では、決まった道具が仕込まれていて、点前の順番も決まっていますが、
きっとどれにしようと楽しみながら選び、茶を点てたに違いありません。
茶箱用の風炉釜もありました。小ぶりにできていて、風炉は道安形で永楽保全による交趾焼、釜は中川浄益による南鐐富士形。
おしゃれでした。
茶器のつまみが、見ざる聞かざる言わざるの三猿になっているものや、鹿になっているものもあり、茶箱の持ち主のこだわりも見られました。
私が初めてみたのは、黒塗手提(くろぬりてさげ)というもの。
箱の中で安定させるためのものか、茶筅筒ではなく、茶筅と棗がコンパクトにはめ込むような形になっているもの。
また、蓋のついた茶筅筒も初めて見ました。
三井高福所持の一閑溜塗曲提茶箱は、円柱状の弁当箱のような形。
縦に茶碗、建水、茶器を重ねていれたのだろうか。
茶入のように袋に入れられて、その紐の先に竹の根付がついていました。
この竹筒の大きな根付は、茶筅・茶巾入れで、”斗酒”と朱書されています。
斗酒(としゅ)とは 大量のお酒のこと。この茶箱は、この根付の意味は一体?
その昔は茶箱のことをちゃべんとうとも言ったそうですから、最初はこの形だったのかも?と想像を膨らませたりして。。。。
茶箱は桃山時代から始まるとされつつ、利休様から始まると記す文献もあるそうです。
これだけ一つとして同じもののない茶箱を一堂に見せられると、茶箱がいかに自由で、自分だけのものとして楽しまれ、愛されてきたかを感ぜずにはいられませんでした。
夏になると裏千家では茶箱のお稽古をする先生が多いので、その前に素敵な茶箱を見にでかけてはいかがでしょう。
茶箱以外にも、桃山時代の諸道具も拝見することができましたし、見ごたえがありました。
これは、永楽和全の菊谷焼十二か月絵替茶碗のうち、一月の富士。十二か月それぞれの絵と形でなかなか楽しかった。
私は二月の初午土鈴、十一月の夏至梅が好き!でした。
残念ながら残りの期間は少ないですが、ご興味ある方は是非。
帰りは久しぶりの日本橋をしばしそぞろ歩き。
楽しい出会いもありましたので、また。
茶箱の勉強をするときは必ず開く本です。
よく纏まっていますのでご参考まで。
「茶箱の鑑賞と点前」
こちら、そもそもの会期は5月1日~6月27日まででしたが、コロナによる緊急事態宣言のため、
実際には6月1日からの開催となりました。
とにかく、茶箱の大きさや形から、入っている道具から、箱の細工まで、様々。
しかも、三井家所蔵なだけあって、どれも豪華です。
まさに玉手箱のよう。
出品リストだけも盛沢山です。茶箱の中の全ての道具が記載されていますから。
絵葉書になっていた「唐物竹組大茶籠」
内箱蓋裏には、碌々斎発句「月雪も花も友とて茶箱かな」。この展覧会の表題にもなっています。
大きな籠に、一行書、香合、釜敷、灰器、花入、水指、香箱、菓子器、折据、花月札まで入っています。
しかも、花入や茶入も何個か入っていて選べるようになっている。
びっくりしました。
なんだかおままごと道具のようでもあります。
趣向に応じて好み道具が選べるよう自由な使い方がされたそう。
記録では、昭和5年に北三井家10代の三井高棟が小涌谷の別荘で、この茶籠を使って、益田鈍翁、野崎幼庵らを招いた茶会をしていると。
私たちが習っている茶箱のお点前では、決まった道具が仕込まれていて、点前の順番も決まっていますが、
きっとどれにしようと楽しみながら選び、茶を点てたに違いありません。
茶箱用の風炉釜もありました。小ぶりにできていて、風炉は道安形で永楽保全による交趾焼、釜は中川浄益による南鐐富士形。
おしゃれでした。
茶器のつまみが、見ざる聞かざる言わざるの三猿になっているものや、鹿になっているものもあり、茶箱の持ち主のこだわりも見られました。
私が初めてみたのは、黒塗手提(くろぬりてさげ)というもの。
箱の中で安定させるためのものか、茶筅筒ではなく、茶筅と棗がコンパクトにはめ込むような形になっているもの。
また、蓋のついた茶筅筒も初めて見ました。
三井高福所持の一閑溜塗曲提茶箱は、円柱状の弁当箱のような形。
縦に茶碗、建水、茶器を重ねていれたのだろうか。
茶入のように袋に入れられて、その紐の先に竹の根付がついていました。
この竹筒の大きな根付は、茶筅・茶巾入れで、”斗酒”と朱書されています。
斗酒(としゅ)とは 大量のお酒のこと。この茶箱は、この根付の意味は一体?
その昔は茶箱のことをちゃべんとうとも言ったそうですから、最初はこの形だったのかも?と想像を膨らませたりして。。。。
茶箱は桃山時代から始まるとされつつ、利休様から始まると記す文献もあるそうです。
これだけ一つとして同じもののない茶箱を一堂に見せられると、茶箱がいかに自由で、自分だけのものとして楽しまれ、愛されてきたかを感ぜずにはいられませんでした。
夏になると裏千家では茶箱のお稽古をする先生が多いので、その前に素敵な茶箱を見にでかけてはいかがでしょう。
茶箱以外にも、桃山時代の諸道具も拝見することができましたし、見ごたえがありました。
これは、永楽和全の菊谷焼十二か月絵替茶碗のうち、一月の富士。十二か月それぞれの絵と形でなかなか楽しかった。
私は二月の初午土鈴、十一月の夏至梅が好き!でした。
残念ながら残りの期間は少ないですが、ご興味ある方は是非。
帰りは久しぶりの日本橋をしばしそぞろ歩き。
楽しい出会いもありましたので、また。
茶箱の勉強をするときは必ず開く本です。
よく纏まっていますのでご参考まで。
「茶箱の鑑賞と点前」