© 毎日新聞 高額療養費制度の見直し
厚生労働省が検討する、高齢者関連の医療保険制度の見直し案の全容が28日、分かった。医療費の自己負担に上限を設ける「高額療養費制度」では、70歳以上で住民税が課税される年収約370万円未満の「一般所得者」の負担上限を引き上げるなど、負担を重くする。75歳以上の後期高齢者医療制度では、扶養家族だった人ら約330万人を対象に、保険料の特例軽減を廃止し、段階的に引き上げる。政府・与党内で最終調整を進め、一部を除き来年度から実施する見込み。
「後期」保険料、特例一部廃止
高額療養費制度は、患者が医療機関で支払った窓口負担の合計月額に上限を設け、超過分は公的医療保険から払い戻される仕組み。見直し案では70歳以上の「一般所得者」の入院負担上限を4万4400円から5万7600円に引き上げる。70歳以上が対象の外来受診のみの上限特例も、年収約370万円以上の「現役並み所得者」の上限を4万4400円から5万7600円に、「一般所得者」も1万2000円から約2倍の2万4600円に引き上げる。350億円の財源が捻出できる見込み。
厚労省は当初、外来の特例について「現役並み所得者」だけは廃止する方針だったが、与党内の慎重論に配慮し2018年8月から新たな所得区分を設けた上で廃止することを目指す。
後期高齢者医療制度では、74歳まで専業主婦ら扶養家族だった人の定額部分の保険料の軽減措置を、17年度に9割から5割に縮小する。さらに現在は徴収していない所得に応じた保険料も、18年度から支払うように改める。
また年金収入が153万~211万円と比較的低い人向けに、所得に応じた保険料を5割軽減している特例は廃止。定額部分の保険料で8.5~9割軽減している特例は新たに75歳になる人を含め当面存続する。【阿部亮介】
厚生労働省が検討する、高齢者関連の医療保険制度の見直し案の全容が28日、分かった。医療費の自己負担に上限を設ける「高額療養費制度」では、70歳以上で住民税が課税される年収約370万円未満の「一般所得者」の負担上限を引き上げるなど、負担を重くする。75歳以上の後期高齢者医療制度では、扶養家族だった人ら約330万人を対象に、保険料の特例軽減を廃止し、段階的に引き上げる。政府・与党内で最終調整を進め、一部を除き来年度から実施する見込み。
「後期」保険料、特例一部廃止
高額療養費制度は、患者が医療機関で支払った窓口負担の合計月額に上限を設け、超過分は公的医療保険から払い戻される仕組み。見直し案では70歳以上の「一般所得者」の入院負担上限を4万4400円から5万7600円に引き上げる。70歳以上が対象の外来受診のみの上限特例も、年収約370万円以上の「現役並み所得者」の上限を4万4400円から5万7600円に、「一般所得者」も1万2000円から約2倍の2万4600円に引き上げる。350億円の財源が捻出できる見込み。
厚労省は当初、外来の特例について「現役並み所得者」だけは廃止する方針だったが、与党内の慎重論に配慮し2018年8月から新たな所得区分を設けた上で廃止することを目指す。
後期高齢者医療制度では、74歳まで専業主婦ら扶養家族だった人の定額部分の保険料の軽減措置を、17年度に9割から5割に縮小する。さらに現在は徴収していない所得に応じた保険料も、18年度から支払うように改める。
また年金収入が153万~211万円と比較的低い人向けに、所得に応じた保険料を5割軽減している特例は廃止。定額部分の保険料で8.5~9割軽減している特例は新たに75歳になる人を含め当面存続する。【阿部亮介】