makoto's daily handmades

副読本「かわさき2013」を読む

川崎市教育委員会著

最新版ではないけれど、川崎市立の小学校で現役で使われているので副読本。
私が子どもの頃と同じようなタイトルだけれど、かなり違う。
サイズも大きく、カラフルで、イラストがたくさん!
地理、歴史、産業、文化などが紹介されている。

この中に、最近気になる二ヶ領用水のことが書かれていたのでじっくり読みたかった。
が、市販はされていないので、図書館で借りた。
まさかこの本が貸し出ししてくれる本だとは気がつかなかった。

すると思ったよりもかなり細かく紹介されていた。
ただ、水騒動のことはザックリと紹介するだけだったので、私の子どもの頃はもう少し具体的に書いてあったなぁ、と思い出す。

それと池上幸豊の新田開発の方法のイラスト!
海岸に杭とササを植えて砂だまりをつくり、芦を上で島を作る、そして島を繋ぎ合わせて陸を作るという方法で、新田開発をした。
小学生の私は、そんなに上手く土地ができるわけがない!と思ったのを思い出した。
しかも、サトウキビの栽培に成功した…信じられなくて、父に「川崎でサトウキビなんて育たないよね?」と尋ねたのも覚えている。
父は「オレの子どもの頃は物資不足で、サトウキビは畑で作ってたぞ」とのこと。
こんな会話まで思い出してしまった。

学生時代に江戸末期から明治初頭の川崎市の農間余業を調べた事があった。
その考え方のヒントになることがこの本には書かれていた。

川崎市は、細長い地形でその中に、街道がたくさん通過している。
東海道、鎌倉道、中原往還、矢倉沢往還、津久井往還。
だから物流が盛んだったし、街道による文化の違いがあった。

また二ヶ領用水に象徴される多摩川文化、谷戸田を中心とした鶴見川文化に分かれる。
水運、水利権による交流によるものだ。
たとえば高津区は、橘地区と高津地区に分かれる。
橘地区は中原往還と鶴見川文化の交流点。一部は二ヶ領用水の水を利用していたが、鶴見川の支流である矢上川や谷戸田に水利を求めていた。
高津地区は矢倉沢往還と多摩川文化の交流点。

そう捉えると、人と水の交流は文化を作るのだなぁと感じる。

この本では、産業規模に対して工業の取り上げ方が少なく、農業の取り上げ方が大きく、バランスが取れていないと感じるが、文化から見れば、農業を大きく扱わなければならないのだろう。

小学生むけとはいえ、郷土史を知るにはとても役立つ資料だと感じた。
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