前日に兄から電話をいただいたので実家のお手伝いに行きました。
たぶん母は兄から諭されたのでしょう。
だってすでに私が手伝わないと実家の農園はやっていけそうもないからです。
この日聞いたところによると、市内の果樹農園が1つ閉園するそうです。
そちらの農園は、昨年ご主人が亡くなり、奥様と息子さんが営農を継続していたそうですが、限界なのだとか。
農地を守るだけなら、果樹ではなく野菜に転向した方が楽ですからねぇ。
ただ、その農園はもぎとりができる観光農園でしたから、果樹のもぎとりはやめて、野菜のもぎとりに切り替えるそうです。
その方の立地ならやっていけるでしょう。
翻って実家の立地ではまずムリ。
土壌も周辺環境も違いますからね。
なによりも後継者がいないし、農地を守りたい人々の少なさも、ねぇ…。
さて直売所の改造も終わりに近づきました。
元の作業小屋に戻ってきて、相変わらず雑然とモノを詰め込んであります。
この日はが新梢の切り落としもしました。
新梢とは、今春以降に伸びた新しい枝のことです。
7月中旬に夏季誘引と言って、樹勢が強い新梢を斜めに倒しながら棚に寄せるように結びつけました。
夏季誘引した枝を含めて樹勢が強い新梢を切り落とします。
それによって、今後防鳥ネットを外す手間が少しは楽にすること、新梢ごとの樹勢をそこそこ均等にできること等が挙げられます。
今回切り落とした新梢は、これまで果実へ栄養を供給してきました。
これでお役御免という訳です。
先日、直売所シーズンに夏休みの自由研究のためのインタビューを受けました。
その後少し私も考えたのですが、生産現場の農家は所詮研究機関が開発した栽培技術を実践しているに過ぎません。
農産物が美味しくなる基礎技術は、農業関連の研究機関が品種改良をして、その品種に合った技術開発をして、それを普及して、ローカライズした技術を各農家が導入しているだけ。
消費者にその農産物が届き「美味しい」と思い、リピーターになるのは本当に遠い道のりなんだなぁ、と。
例えば私が1番美味しいと思うメイン農産物の品種は、各農家が品種導入するまでには至りましたが、普及しなかったのです。
理由は美味しいのに生産技術が難しいことと、流通に乗せて販売するには肌が弱かった、の2点です。
だから今では幻の品種と言われ、種苗生産ではすでに入手できない品種になってしまいました。
あと10年もしたら、研究機関での保存品種としてほそぼそとその品種を繋いでいくだけでしょう。
種苗としては役目を終えてお役御免と言えます。
いつでも何においても、お役御免は生じることですが、その終焉はヒッソリとしています。
それを消費者が知る必要がどこまであるのかな?とも思います。
なぜならどんなことでも勝者の歴史は残るけれど、敗者の歴史は残らないものですから。
さて今回の新梢切り落とし作業で、久々に顔に負傷しました(苦笑)
切った枝が鼻根に落ちて来たからです。
鼻根は、眼と眼の間のことです。
ちょっとズレていたら失明したかも…と恐怖体験です。
いやいや、私は普段からメガネをかけているから失明はしなかったか…。
で、これは明日には青あざが顔の真ん中に出現か?と思いました。
でも翌日は小さなホクロ大の赤い点が1つできただけ。
ラッキーとしか言いようがありません。
次回からケガには十分気をつけます。
次回も楽しくお手伝いしたいです。