makoto's daily handmades

玉縄桜の原木を見に行く

神奈川県原産の桜をご存じだろうか?
玉縄桜(たまなわさくら)という。
ソメイヨシノの実生から育った桜で今が満開だ。

玉縄とは、神奈川県立フラワーセンター大船植物園の地名。
そう、原木は大船植物園にある。
川崎市内で玉縄桜があるのは、麻生区の王禅寺ふるさと公園以外ではどうしても見つけられず、MIFさんに「お花見に大船まで行ってみない?」と聞くとOKしてくれた。


今日は9時過ぎに到着。


入園してすぐ右側に玉縄桜が1本ある。


今が花の盛り。


シャクヤクの植栽の端に原木はある。







まるでソメイヨシノのような色合いで 温かい陽気だったので、もう4月になったような気分。

昨夜と今夜は初のライトアップイベントで入園無料だそうだが、都合が合わず朝の訪問となった。


近くに河津桜があった。



昨日散歩した中丸子緑道では葉桜だったがこちらは満開。
玉縄桜よりもピンク色が濃い。
河津桜の方が早春を彩る印象が濃いが、玉縄桜もすごく美しい。

そして、大船植物園まで足を運べない方に朗報!

去る2月22日にNHK教育「趣味の園芸」の撮影が行われ、どうやら玉縄桜の前で撮影があったという。
放送は3月13日(日)朝8時30分から55分、テーマはオーストラリアの植物なので玉縄桜ではない。

ここから先は、私が今日見てきた玉縄桜以外の花や植生。

おかめ桜の切り花


ハナモモの照手姫


築山のミツマタ。2年前に登った西丹沢のミツバ岳山頂を思い出す


築山から入口方面を望む


マグノリア類はまだ蕾が膨らんでいるだけ


アセビは花が終わっている木とまだ盛りのものがあった


ロウバイ。ほぼ終わりに近い。


ムベの葉。絶滅に近いとのこと。子どもの頃はアケビよりもムベの方が身近だった


早春の小川。林の中の森は冬の方が好き


室内展示の春らん展。解説をしてくださったおじさま方のお話が楽しかった


ラナンキュラス展は切り花


フラワーアレンジメントがとてもステキ


売店横の植栽。たぶんアイスチューリップとして管理されたモノ


エリカ


沈丁花。渡しにとっては子どもの頃、春休みに植木の出荷手伝いをしたときの香り
。振り返ればあの肉体労働は児童労働だと思う


エンジュ。落葉時期の醍醐味は剪定後の樹形。さすがプロの仕事。圧倒的な美しさ


今日はここでコンサートがあるらしい。寄せ植えでなく、ポット苗を並べているだけなのにバランスが美しい


温室内に移動。これはハイビスカス


ブーゲンビリア


名前は失念。ナス科の植物


翡翠カズラ。随分前に川崎市農業技術支援センター(旧フルーツパーク)で見たことがある


ヘリコニア


熱帯睡蓮。グッピーやコイなどもいるのでついつい眺めてしまった


シクラメン。すごく立派な株で、ご近所の園芸店では見かけない。武蔵中原あたりの直売所でないと、こんな立派な株にはお目にかかれない


コチョウラン。10年くらい前に「胡蝶蘭は一花500円」と聞いたことがある。一体いくらになるんだ、この鉢は…。というか、私はこんなすごい鉢は見たことがない。


この花、風船みたいにプクプクしていたが品種は表示なし。とてもかわいい


これもどこかで見たことがあるが、品種表示なし。千両に葉も実も似ているが、何だろう?


温室出口側にはオーストラリアの植物が展示されている。これはミモザ?ニセアカシア?


この名前の木、ぜひ木の皮を触って欲しい


今まで触ったことがない木の皮の感覚。フカフカしていて、陶雛人形を包む白い薄紙を何層も重ねた感じ。MIFさんとそっと触りまくってしまった


この名前の木の実がすごい


葉はまるで松葉のような堅さと鋭さ。実は上から下に触るとまるでベルベットの毛並み。逆なでするとチクチクする。まるで洋服のエチケットブラシの布地のよう。実はものすごく堅い


基本的にオーストラリアの植栽はこんな風に尖っている葉ばかりな上に通路に張り出している枝が多く、こども向けの場所ではない。でもおもしろ植物が多いので大人にはお勧め!


まだウメも楽しめる。観賞用なので小田原のウメに見られる十郎や白加賀は見つからなかった


色合いもかわいいし、何より花が大きくてウメとは思えない!品種は「見驚(けんきょう)」。まさに見て驚きの美しさ


クリスマスローズ


真ん中の木にはアホ毛のように飛び出した新梢。オバQみたい!


ここの施設で好きなコーナーの1つ。ササや竹の展示。


私、京都嵯峨野の竹林のようなとこなら鑑賞対象になると思っていたが、ここのササや竹が展示はそんな特定の竹林でなくても鑑賞できる植物だと思わせてくれた


ぼたん園はまだまだ丸坊主


ネコヤナギ。黄色い花粉がある姿は初めて見たかも


大寒桜


大寒桜の実生


倒木のようだが花芽が着いている大島桜。まだまだこれから咲く


三波川冬桜。花が散った跡があるが、冬と春の年2回咲くそうだ。またこれから咲くのだろう


ソメイヨシノ。まだまだ咲かない


こんな表示を見つけた。ソメイヨシノの寿命は80年と言われるらしいのでそろそろ天寿?


このソメイヨシノの木肌にはサルノコシカケがいくつかあった。少し木が弱っているのだろうか?


ボケ。品種はピンクレディ…だったと思う


ザクロ。樹形が美しくてうっとり。漫画「乙嫁語り」でザクロ好きのアミルさんを思い出す


ばら園。こちらも樹形が素晴らしい!家に林勇さんのバラの絵本がある。もう一度読み返そう!


「鎌倉」という品種のバラ。とげが無いバラだそうだ。何よりも教科書からそのまま出てきたような素晴らしい剪定後の樹形。ああ、美しい!

ちなみに、MIFさんに言わせると、寒い時の落葉樹、しかも花がないものはつまらないそうだ。
私のように剪定後の樹形を美しい、美しいと喜ぶのはあまり理解してもらえなかった。
植物、とくに草ではなく木は、花や実も葉もいいが、やっぱり樹形は人間でいう背骨なので美しさの原点だと思っている。
ん?私自身が骨格マニアって言っているみたいだぞ(汗)

少し園芸や庭づくりにこだわる人なら、剪定がいかに難しく、思い通りにならず、素人が下手に手出しすると大失敗の元と分かってくれるはず。
だからこそ、剪定後の樹形に興奮せずにはいられないのだ。


バラ園の黒板。バラの作業に興味を持つ人が多いことの裏返しだ。私も興味津々!


リキュウバイ。初めて聞いた名前。後で調べてみよう


ヤツデ。MIFさんはこどもの頃に実をむしって屋根に投げるのが面白かったと話してくれた。ん?その実は雨樋に全部転げ落ちたのでは?


サンシュユ


杉の花。MIFさんは初めて見たという。あなたの実家近くの山は杉だらけなのに…


アヤメやショウブがある水路。今はまだ芽吹きもない


出口近くのクリスマスローズ展

早春の大船植物園、この時期は初めて訪れたが、思った以上に感動した。それは樹形の美しさを改めて確認できたからだ。
玉縄桜の原木を見たこともよかった。確かにこの時期、河津桜の濃いめのピンク色は魅力的だけれど、一足先に桜の花見を楽しめてこんなに素晴らしい桜が、地元の神奈川原産とは本当に嬉しくなる。

大船植物園の周囲では玉縄桜を広める運動があるが、県をあげての取り組みには至っていないようだ。
確かにソメイヨシノや河津桜もいいが、神奈川らしい桜として県の施設や桜並木の改植でこの桜が増えたらステキなことだと思った。

最近は街歩きをしているから大丈夫かと思ったら、途中でどうしても左足がビッコになってしまった。端から端までよく歩いたからなのだが。
足を引きずっても魅力的な植物園だと言うことになるかな。

そして車で私の桜探訪に付き合ってくれたMIFさんに感謝!


☆☆☆ 20160305追記 ☆☆☆
随分前にこの植物園関係者の方に聞いた話。
戦時中、この植物園で鑑賞用植物の生産や研究が禁止され、野菜などの食料生産に切り替えるよう軍から命令があったそうだ。
鑑賞用植物の生産や研究は銃後には必要がないので打ち捨てろ、とのこと。
でも研究に従事していた人たちは、捨てなかった。
球根や種は休眠させ、そっと倉庫の片隅に隠しておいた。
それは花の研究ができない時代をそっと堪え忍んで、戦争が終わったらすぐに研究を再開できるようにする道を選んだのだ。
おかげで私たちは「大船系」と呼ばれる数々のシャクヤクを見ることができる。
先人の皆さん、本当にありがとうございます。
この植物園がこれからもたくさんの方に愛され、たくさんの花を鑑賞できる施設として末永く続くことになりますように!

コメント一覧

makoto
素晴らしかったです
玉縄桜は実生選抜とあるので、母親がソメイヨシノは確定で、花粉は早咲きの桜としか分からないと聞きました。
これまで何度か大船植物園に行ったのですが、玉縄桜の時期は初めてです。
とても感激しました。
玉縄桜の桜並木はまだ世の中に存在していないそうです。
河津桜のように桜並木で観光化できると思うのですが…。

冬の剪定後の樹形は本当に素晴らしいです。エンジュも、外側の芽を残して剪定をしないとこうはなりません。
将来の姿を想像して、思い通りの形に仕上げられるのがプロの仕事。
ほれぼれとする樹形にうっとり、そして大興奮でした。
ふるやのもり
原木!!
玉縄桜の原木を見せてくださって
ありがとうございます。
もう咲いていたのですね。
ソメイヨシノの実生なのはわかるけど
ソメイヨシノとどの桜のかけ合わせなのかは
大船植物園でも書いてないのですね。
神奈川原産の桜としてもっともっと
植えて欲しいですね。

エンジュの木の姿って
何かの彫刻?オブジェ?の様な美術品みたいですね。
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