この日は、両親、兄、義姉、私の5人で作業しました。
とはいえ父はなんだか疲れていたみたいで、安楽椅子に腰掛けて居眠りが多かったです。
前夜は夜中にお手洗いに起きることが多くて、ちょっと昼夜逆転気味になっているみたいです。
作業は人工交配と摘花なので、ずっと立ち仕事だし、寝不足だとちょっと危ないですからね、休養していても全然問題ありません。
問題なのは母が夜中に父に起こされてしまうことの愚痴をズーッと聞かされることかな(汗)
あー、ハイハイハイハイくらいに聞き流していますけれどね(苦笑)
今年は中国花粉(前年の冷凍モノ)を廃棄したことで、予備の花粉が少なめになりました。
ゆえに予備用の花粉を多めに収穫しなければならないし、今年の分の花粉を節約気味に使っていたら、全量で50グラムくらいで済みそう…とのこと。
必要量150グラム(今年の分の花粉+予備)とのことでしたが、約2年分の予備ができちゃったよー、と兄が言うのです。
これまでどんだけムダに使っていたんだよ~、と私などは思ってしまうのですが、心配性の兄ならではという感じですね、ホントに。
近隣の果樹農家同士では、花粉の過不足で融通することは滅多にありません。
自家生産の花粉ですから、困っている仲間に分けたら「◯◯さんチの花粉だと歩止まり(結実)が悪かった」なんて言われたら責任取れませんからね。
それに兄は「うちはほかの家に分けられるくらいの花粉は作っていても、うちが不調の時は誰も助けてくれないモンだよ」と言うのです。
たしかに栽培面積が広い分、花粉採取用の果樹の本数も近隣農家よりも多いです。
花粉採取用の果樹は、結実はさせない(味はまずいので販売できない)のでその分単位面積あたりの収入には繋がらない果樹です。
ゆえに私の実家でも、急斜面の土留代わりに植えてあるだけです。
平地に果樹園を持っていらっしゃる方にはちょっと分からない感覚だろうな、と思います。
実家は丘陵地のちょっと転げ落ちそうな崖もある場所に農地がありますから、風景にも変化があって面白いンですよ。
ここは崖の途中の野良道から見た丘の下の果樹園。
この広さなら3人で1時間で人工交配ができます。
人工交配は1度だけでなく、1つの果樹園最低で5〜6回くらい行います。
それは天候と、その合間に防除も行うので、この時期は天気予報とにらめっこです。
私はウェザーニュース派+日本気象協会派。
兄はNHKの天気予報派。
兄の農家仲間はYahoo!の天気予報派が多数。
とはいえ、だいたいこの4つの天気予報を見比べて、4時間後の作業予定を組み立てて行きます。
私が住む川崎市中原区は、多摩川中流〜下流域の低地(平地)ですが、実家は鶴見川水系の内陸の多摩丘陵地で、標高差は50メートル。
たった10キロくらいしか離れていないのに、天気はずいぶん違います。
気温も実家の方が少し気温が低くて、湿気が多い感じです。
天気予報は少しずつですが、精度が高くなっていると実感しています。
ですが農家にとっては、もっともっと精度が上がって欲しい情報の1つです。
当地のJAは、技術指導ができる職員はいないし、市場開拓もしないし、生産者団体の受託会計もしていません。
JA職員自体が日本農業新聞すら読んでいませんから、今、農家が何に困っているのかも知らないそうです。
農家一人ひとりが自分でなんとかしなきゃならない都市部の農家は自由度が高い生産販売体制が取れるけれど、自己責任だからなぁ。
せめて気象情報くらいJAで提供してくれればいいのに、と思うものの、それもやらない…一体何のためのJAなんだか。
JA職員の、JA職員による、JA職員のためのJAなんだろな。
それでも都市部のJAはやっていけるンだからスゴイな、としか言えないです。
兄の苦悩はまだまだ続く…。
次回も楽しくお手伝いしたいです。