いのまたむつみさんがお亡くなりになったそうです。
私が中学1年生の時、駅前の本屋さんで見かけた「宇宙皇子(うつのみこ)」の表紙。
それがいのまたむつみさんの作品でした。
なんだろう、このイラスト…そうして手に取った本でした。
著者の藤川桂介さんの名前も知らず、宇宙皇子という著作も知らず、ただその表紙絵に惹かれたのでした。
それまでも歴史好きでしたが、それは江戸時代や明治時代が中心で、古代や平安時代には全然興味がありませんでした。
何でもいいからこの時代を舞台にした作品が読みたい、となりまして、氷室冴子さんの「なんて素敵にジャパネスク」「ざ・ちぇんじ」などを読み漁ったり、それに伴って古典作品も読むようになりました。
その中で創作物と歴史書の立ち位置の違いにも出会えて、歴史小説の娯楽性を楽しみつつ、歴史書を読み解きたいと思ってみたり。
夢見がちな10代の私にはとても刺激になりました。
いのまたさんにとっては、宇宙皇子のイラストは仕事の一環だったのでしょうけれど。
もしあの時、私があの表紙絵を見かけなければ、そして手に取らなければ、歴史にここまで深く親しもうとも思わなかったかもしれません。
歴史ファンタジー小説を読んでみたいとも思わなかったかもしれません。
宇宙皇子との出会いをありがとうございました。
そしてマイケル・ジャクソンさんもたまたま見かけた宇宙皇子の画集を購入したそうです。
やはりそれくらい魅力的なイラストだったンです。
御冥福をお祈りいたします。